資産三分割法
概要
資産三分割法は性質の異なる三種類の資産を保有してリスクを抑える投資方法です。
資産を分割して保有する事で大きなリスク分散させる事ができますが、基本的には三種類のうちの一種類は預金とする事が多いです。
代表的な選択肢は下記になります。
- 現金・預金(現金、普通預金、定期預金、積立預金、外貨預金)
- 株式(配当金、株主優待)
- 国債(日本、海外)
- コモディティ(ゴールド:Au・プラチナ:Ptなどの貴金属、原油、穀物など)
- 不動産(家賃収入や売買益など)
- 投資信託(株式、不動産、国債)
- 仮想通貨(ビットコイ:Bitcoin、イーサリアム:Ethereumなど
三分割をする際には値動きの特徴が異なる要素を取り入れる事が重要です。
※預金は換金性が高いため現金と同様の区分として扱う事が多いです。
相場はインフレやデフレ・円安や円高など複数の要因が複合的に関係して値動きをしていますが、同じ値動きの傾向があるものを集中して大量に保有してしまうと分割した効果が薄くなってしまう(例えば海外資産を多くすると円高時に大きく資産が目減りしてしまうなど)ため、値動きが異なる種類の投資方法を選択する事が望ましいです。
基本的に投資はリスクとリターンが比例する事が多いので生活環境に応じて柔軟に対応して最適なバランスを模索する事も大切です。
資産を分割して保有する具体例
資産を分割して保有する際にはアセットアロケーション(資産配分)がとても重要になり、運用成績を大きく左右する要因であると言われる事もあるほどです。
資産1,000万円の場合
良い例
- 400万円 預金(円、外貨200万円ずつ)
- 300万円 株式(IT、ロボット、医療等)
- 300万円 投資信託(不動産)
各資産の関連性が少ないため値動きが異なる傾向があり、一部で含み損が発生しても大きな損害になりにくい傾向があるため比較的安定した運用をしやすいです。
悪い例
- 100万円 預金(米国預金)
- 600万円 株式(米国株)
- 300万円 投資信託(米国株)
米国の動向に強い影響を受けてしまうため、好調な時は全体的に高いリターンが望める反面、高いリスクを背負っているので急激に資産を失ってしまう可能性も高いです。
特に海外の動向については日本で情報を集める事が難しいため対応が後手になりやすいです。
預金残高も少ないため問題が起きた時に迅速で適切な対応ができる時間的余裕がなければ、リスクを取りすぎている印象があります。
一般的には生活防衛資金として預金は最低でも生活費3~6か月分程度確保する事が望ましいとされています。
しかし、高いリスクを取る場合は預金の比率を上げる事が望ましいです。
資産を分割して保有するメリット
資産運用をする際に「一つの籠に卵を盛るな」と耳にした事がある人は多いと思います。
卵を一つの籠に盛っていると倒れた時に卵が全て割れてしまいます。
そこで卵を盛る籠を複数に分割する事で、転倒して一つの籠を落としてしまっても一部の卵は割れないですむように安全策を取るという事です。
治安が悪い地域や、旅行(特に海外)に行く時は不測の事態(窃盗・強盗、紛失など)で困らないようにお財布を二つ持っていった事がある人も多いと思います。
仮に片方無くしてしまっても、もう一方が残っていればなんとかなるように保険をかけている状態です。
これは資産運用でも大切で、大きな暴落はいつ起きるのかわからないため、いざという時のためのセーフティーラインの確保は重要です。
特に、レバレッジをかけてフルインベストメントを行う投資はハイリスクハイリターンな傾向があるため、失敗した時のリスクはとても大きいため人生設計に大きな影響を与える事もあります。
※このような投資手法はプロトレーダーでも収益を安定させる事が難しい、非常に難易度の高い手法です。
また、ETF(上場投資信託)のように多くの銘柄を組み合わせる事で理論上は固有リスクの大半を取り除けると考えられています。
まとめ
金融庁では「老後資金が2,000万円必要という仮説」が発表された事もあるため、お金を少しでも増やそうと資産運用を始める人も多いと思います。
特に、近年は不動産投資や株式投資が好調で右肩上がりに資産が上昇している人も多いようで、高値を更新したというニュースを目にする機会もあります。
しかし、基本的に投資で成功するには損をしない事が大切とされ、迷ったら投資しない事が重要だと言われています。
また、預金が多くて困る事は基本的にはありませんが、預金が少なくて困る事はとても多いです。
そのため、日々の生活の中から
- 収入の1/10以上は預金に回す。
- 生活費の3~6月分以上の預金を保つ。
この二点を心掛ける事で生活に余裕を持てるようにしょう。
生活に余裕がなければ相場が下落した時に精神的な余裕がなくなってしまい、不安で頭がいっぱいになって誤った判断が増える事で悪循環に陥ってしまう人が多いです。
基本的に下落した時に狼狽売り(狼煙売り/パニック売り)をしてしまう人の多くは資金的な余裕がない事で、資産の減少に耐えられずに精神的に追い詰められてしまう事が多いです。
このような状況にならないために、資産の分布を常に確認し、自分のポートフォリオを意識した投資を心掛けましょう。
また、人は曖昧なものに対しては過大評価してしまう傾向があるため、想像と実際が異なる事が多いです、状況確認の頻度はできるだけ多くしましょう。