IQ(アイキュー)とは
概要
IQ(Intelligence Quotiont)は知能指数の一つです。
特に論理的思考(ロジカルシンキング)に対する知能指数を意味し、数字が大きいほど知能が高い(自頭が良い)事を意味します。
IQの表記は標準偏差を用いた数字です。
IQ100を中央値として、プラスマイナス15前後が標準的な数値とされています。
つまり、基本のスコアはIQ100で、そこから前後したIQ85~115が標準的な数値とされています。
- IQ85~115には人口の68%程度が該当します。
- IQ70~130には人口の95%程度が該当します。
- IQ130を超える人はギフテッドと呼ばれ、人口の2%程度が該当します。
※MENSAの会員になるための条件はIQ130以上だと言われています。
IQは社会や文化的な背景・時代や環境で平均が異なる傾向があり、近年は低下傾向(フリン効果)であると考えられています。
しかし、IQの平均が高い時代と低い時代があるため、各年齢で算出されるIQが同じ水準だとは限らないため、この説の信ぴょう性がどれほどなのかはわかりません。
つまり、IQは年齢で基準が異なるため同じ回答でも年齢でIQは異なりますし、簡易的な検査では年齢別にしない事も多いため、測定を常に同じ方法で同じ基準でやっているという確証がもてません。
IQ測定の具体例
「以下の数字の並びはどのような法則に基づいているでしょう?」という問題を解析するとします。
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- 小学校低学年では「1つ飛ばしの並び」いう回答が標準的な回答となります。
- 小学校高学年では「奇数の並び」という回答が追加されるはずです。
- 中学校レベルでは「素数」という回答が追加されるはずです。
このように同じ問題でも回答が異なりますし「次の数字を回答してください」という追加の問題が派生する場合
- 小学校までの回答は「9」で固定となります。
- 中学生の段階では「9」と「11」の両方の選択肢が浮かぶようになります。
このように、年齢によって平均的な能力が異なるためIQも年齢によって基準が異なっています。
※知識だけではなく思考能力も年齢が上がる事で上昇します。
IQについて
日本人のIQは比較的高いと考えられていて世界的には上位になっています。
2022年の平均IQが高い国
順位 | 国名 | IQのスコア |
---|---|---|
1位 | 台湾 | 116.07 |
2位 | 日本 | 112.69 |
3位 | ハンガリー | 111.42 |
4位 | 韓国 | 111.36 |
5位 | イラン | 111.33 |
IQの測定方法や測定を行った機関によってスコアや順位が変動します。
2019年に行われた平均IQが高い国
順位 | 国名 | IQのスコア |
---|---|---|
1位 | 日本 | 107 |
2位 | 台湾 | 106 |
3位 | シンガポール | 106 |
4位 | 香港 | 105 |
5位 | 中国 |
基本的には東アジア地域のIQは高い傾向があるようで、先天的な影響を受けるIQの分布が数年のうちに大きく変化するという事はないと考えられています。
しかし、基本的に貧困とIQには相関がある事から、貧しい国のIQが低い傾向があります。
そのため、実際には先天的な能力が同じなのに後天的な環境的な要因によって差が出ている可能性もあります。
自分のIQが気になる人も多いと思いますので、メンサのIQテスト(無料)があるので簡易的な目安にはなると思います。
→URL:https://mensa.dk/iqtest/
※所要時間は40分です。
※IQは年代で基準が異なるため、幼少期のIQがとても高い場合でも大人の基準にするとそこまで高くない事もあります。
ちなみに、メンサに入るためにはIQが130以上ないと入れないと言われています。
他にも正確なIQを知る方法としてウェスクラー式のIQテストがあります。
このIQテストは病院で受ける事もできますが、主治医の判断によって受けるかどうかが決まるため、受けたくても受けられない事もあります。
※浮きこぼれ(吹きこぼれ)・発達障害・適応障害などの際に用いられる傾向がありますが、人間関係で悩んでいる人も病院でテストを受ける事ができる可能性は十分にあるため原因を突き止めたい人にはお勧めです。
しかし、テストのスコアは否応なく現実を突きつけます。
スコアが高すぎても低すぎてもコミュニケーションに問題を抱えてしまう傾向がありますが、結果がわかればそれに応じた対処をすることでトラブルを減らす事ができます。
また、スコアは本人の意識に影響を与え、人によっては人生に大きな影響を与え可能性もあります。
一番影響が大きいのはこれまでの環境が自分の適性にあっていない可能性で、先々の事を考えるならば環境を変えた方が良い場合もあります。
まとめ
IQは基本的には先天的な影響が大きいと考えられていますが、先天的な影響だけではなく食生活・教育・宗教感・政治感などの後天的な様々な影響を受けて変化すると考えられています。
※断定的な根拠はありません。
特に、幼少期に過度なストレスを受けるとIQは低下してしまうと考えられているため、子育てをしている人には認識しておいてほしいです。
また、IQは年齢によっても指標が異なるため各年代の平均が100として算出されるように作られています。
そのため、幼少期に受けたIQテストと大人になってから受けたIQテストで同じ回答しかできない場合は測定結果のスコアは低下します。
高IQに対しての誤解が多く「頭がいいからなんでもできる」と思われがちですが、例えIQ200の人でも初めて見聞きする物の名前は知識がないため答えられません。
そのため、知識を学力として測定する事がメインとなっている学校のテストではIQが高いのに点数が低い生徒もいます。
※IQの測定は論理的思考能力を測定するため学力とは別の要素を測定しています。
また、IQ130の人は約2%程度(50人に1人程度)存在するので小・中学校にはそれなりにいますが、高校や大学は入学試験の段階で能力によって振り分けられ平均と乖離していくため、偏差値が高い学校には高IQの人が偏っていく傾向があります。
※日本の教育では多様な知識を獲得するために勉強の足並みをそろえて学習するため、IQの向上に良い影響を与えているか疑問視されています。
また、IQが高いと良いと思う人も多いと思いますが、ギフテッドの様にIQが高い人は周囲との差に悩まされて孤独を抱えやすい傾向があります。
一般的にIQが20~30異なると会話が成立しなくなっていくと考えられているため、IQが125程度になると約半分の人と会話がしにくくなり、高IQ側が相手に合わせる事が多くなりストレスが多いようです。
さらに、IQが140程度の場合、IQ115以下の人は人口の約84%なのでほとんどの人と会話がしにくくなると考えられています。
そのため、IQが一定以上の人の多くはIQという指標を気にしない傾向が強いです。
つまり、本当に頭が良い人は他人と比較してもしょうがないと思っているという事です。
備考
知能指数を示す指標はIQのほかに「精神年齢(Mental Age)」「EQ」「SQ」などがありそれぞれ方向性が異なります。
ここで表現される精神年齢は知能年齢とも呼ばれ、知的能力が何歳の平均に近いかを測定するものです。
高IQの有名人
- スティーヴン・ウィリアム・ホーキング
- IQ160
- イギリスの理論物理学者
- 唐 鳳(オードリー・タン)
- IQ180
- 台湾のIT担当政府委員(日本の大臣級の役職)
- 太田 三砂貴
- IQ188(日本の最高スコア)
- 大学生でアーティストとして活動中
- アルベルト・アインシュタイン
- IQ190
- ドイツの理論物理学者