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震度階級

投稿日:2021年6月23日 更新日:

震度階級とは

概要

「震度」は地震の際の揺れの大きさを示した数字で、正確には気象庁震度階級と呼ばれる日本独自の指標です。

基本的に地震は「いつ」「どこで」発生するのかわからないため、地震を観測するための装置は全国各地に設置されています。
※2012年の段階で全国に約4300の観測地点を設置

地震が観測されれば地震計で計測した測定結果の数字から地震の規模(大きさ)が算定され震度階級が決まります。

震度階級は現在は0~7までの10段階に分かれていて最大の震度は7になっています。
※半数以上の人が最も大きい震度は10であると誤解しているようです。

震度階級揺れの状況
震度0人は揺れを感じる事ができません。
震度1大人しくしていれば揺れを感じる人がいます。
震度2大人しくしていれば揺れを感じます。
震度3多くの人が揺れを感じます。
震度4液体や吊るされているが大きく揺れます。
不安定な物は倒れたり落ちたりします。
震度5弱足の悪い人は歩く事が困難に感じる揺れ。
多くの人が揺れに対して恐怖を覚えます。
大きい物(食器やデスク)でも固定されていない物は、
移動したり倒れたりする可能性があります。
震度5強物に捕まらないと歩くことが困難に感じる揺れ。
本や食器の多くが落ちます。
固定されていない棚は倒れる危険があります。
古いブロック塀は崩れる可能性があるので危険です。
震度6弱立っている事が困難に感じる揺れ。
固定されていない家具が移動や転倒し、
ドアが開かなくなる事もあります。
壁、天井、瓦が落下したり、建物が傾いたりする危険があります。
震度6強立っている事はできず、這わないと移動ができない揺れ。
多くの家具が移動や転倒します。
建物が傾いたり、倒壊する危険があります。
震度7多くの建物が傾いたり倒壊します。
耐震性の高い木造住宅でも傾く可能性があります。

一番小さい震度0は体感する事ができない揺れであるため、基本的に報道されることはありません。

また、震度5・6は強弱があるのに対して震度7に強弱の分類がない理由として、震度7に分類されるような大きい地震は多くありませんし、頻繁に起きてしまうと経済活動に大きな問題が起きてしまいます。

そのため、震度7以上を区分する必要性がないと考えられています。

大きな地震の状況

震度7に相当する地震はとても強い地震で発生してしまうと家屋の倒壊が30%以上になると考えられています。
※日本は耐震基準が厳しく改定されているため、新しい建物は上部に建設される傾向がありますが、歴史ある古い建物は独自の耐震技術が組み込まれている(木造は一見強度が無いように見えても力を上手に分散できるように考えられている事もあるため、下手に補強すると耐震強度が低下する事もあります)事もあります。

大規模な地震は頻繁に発生する事はない(ないと思いたい)ですが、起きないわけではないため普段から頭の片隅に置いておくことが望ましいと思います。

また、大きな地震が発生すると土砂崩れ・地割れ・断層などが発生する可能性が高く、とても危険な状態になるため二次災害が発生する可能性も高くなります。

「震度7」が新設されたのは地震観測法が改正された1949年からでそれ以降に観測されたのは

  • 1995年(平成7年)
    • 兵庫県南部地震
      ※阪神・淡路大震災(はんしん・あわじだいしんさい)の原因
       震度階級7 計測震度6 Mw6.9
       ※気象庁で震度階級の7が導入されて初めての最大震度を記録
  • 2004年(平成16年)
    • 新潟県中越地震
       震度階級7 計測震度6.5 Mw6.6
  • 2011年(平成23年)
    • 東北地方太平洋沖地震
       震度階級7 計測震度6.6 Mw9.0
  • 2016年(平成28年)
    • 熊本県熊本地方地震
       震度階級7 計測震度6.7 Mw7.0
  • 2018年(平成30年)
    • 北海道胆震東部地震
       震度階級7 計測震度6.5 Mw6.7

※地震は観測地点の揺れの大きさを示すもので、マグニチュード(M)は地震のエネルギーの大きさを示すものです。

基本的にマグニチュードが大きければ観測地点から遠くまで被害が広がるため大きな災害になる可能性が高いです。
※異常震域によって震源地から離れた場所で被害が発生する事もあります。

特に、東北地方太平洋沖地震のMw(モーメントマグニチュード)9.0は過去の歴史的にも大きな地震で、この規模の地震はほとんど発生せず、世界規模でも1900年以降では5回しか発生していません。
※Mwは国際的な地震のエネルギーの数値です。

  • 1952年 Mw9.0 カムチャッカ地震
  • 1960年 Mw9.5 チリ地震(観測史上の最大の地震)
  • 1964年 Mw9.2 アラスカ地震
  • 2004年 Mw9.2 スマトラ島沖地震
  • 2011年 Mw9.0 東北地方太平洋沖地震

現在(2020年までに)確認されている最も大きい地震はMw9.5のチリ地震で、これ以上の規模の地震は地質調査でも確認されていません。
※チクシュルーブ隕石(恐竜が絶滅した原因だと考えられている隕石)が地球に衝突した際のエネルギーはMw11.3程度だと推定され、現在でもその痕跡は確認する事ができ、チクシュルーブ・クレーター(直径160km程度)と呼ばれています。

地球で起こる地震ではMw10.0が最大だと考えられているため、Mw9.0以上の地震はほぼ最大クラスの地震で超巨大地震といわれています。

マグニチュードは地震の持つエネルギーですが、指数関数的に起きな力となるため、マグニチュードが1変わるととても大きな差があります。

マグニチュードエネルギー倍率
M863.0857PJ(10^15J)基準
M8.5354.8134PJ(10^15J)約5.6倍
M9(東北地方太平洋沖地震)1.9953EJ(10^18J)約31.7倍
M9.5(チリ地震)11.2202EJ(10^18J)約178倍
M10(理論上最大の地震)63.0956EJ(10^18J)約1002倍

マグニチュード9以上の大きな地震が発生する事はとても珍しいですし、発生した際の被害を考えると発生しない事を願うばかりです。

地震頻度の目安

地震の多くは日本で起こっていますが、規模の大小を考えなければ毎日どこかで地震は発生しています。

  • Mw5.0~5.9 世界のどこかで毎日発生しています。
  • Mw6.0~6.9 日本で1年に10数回程度
  • Mw7.0~7.9 日本で1年に1~2回程度
  • Mw8.0~8.9 日本で10年に1回程度
  • Mw9以上 数百年に1度程度

地震の頻度の目安はこのような頻度であると考えられています。

Mwが1減少する度に10倍程度の頻度となるようです。
※マグニチュード5.0以上の地震の約10%、マグニチュード6.0以上の地震の約20%が日本周辺で発生しています。

これは日本が「北欧プレート」「太平洋プレート」「ユーラシアプレート」「フィリピン海プレート」の近くにあるため、非常に地震が多い地域になっているためです。

過去の震度階級について

震度階級は過去に数回の変更を経て現在の震度階級にされています。

日本では1872年に地震計を使った観測が始まりました。
その8年後には全国約600カ所で測定ができるようになり、当時は「微震」「弱震」「強震」「烈震」の4段階で判断していました。
その後、1898年に「微震(感覚ナシ)」「弱震(感覚ナシ)」「強震(震度弱キ方)」が追加され震度階級は7段階となりました。
その後1936年には「無感」「微震」「軽震」「弱震」「中震」「強震」「烈震」「激震」に名称が変更されましたが、1996年9月30日まで使用されたていましたが、旧震度階級の強震(震度5弱・強)は同じ震度階級でも被害状況が異なってしまったため、新しい震度階級では10段階に分類されています。

新震度階級計測震度
震度00.5未満
震度10.5以上~1.5未満
震度21.5以上~2.5未満
震度32.5以上~3.5未満
震度43.5以上~4.5未満
震度5弱4.5以上~5.0未満
震度5強5.0以上~5.5未満
震度6弱5.5以上~6.0未満
震度6強6.5以上~6.5未満
震度76.5以上
1996年10月1以降
旧震度階級計測震度
無感0.5未満
微震0.5以上~1.5未満
軽震1.5以上~2.5未満
弱震2.5以上~3.5未満
中震3.5以上~4.5未満
強震4.5以上~5.5未満
烈震5.5以上~6.5未満
激震6.5以上
1936年~1996年9月30日以前

旧震度階級で使われていた「激震」は今でも強い衝撃という意味で使う事があり、「激震が走る」などのように使われる事があります。
このような表現は実際の地震ではなく、ある業界や分野で画期的な発明などによって、強い影響を及ぼす意味で使われる事が多いです。

まとめ

震度階級は地震の揺れの大きさを示す指標です。

大きな地震によって地震の情報がスムーズに伝わらない事を避けるため、地上と空の2系統を使って情報を伝達する事で被害状況を確実に伝達できるようにしています。
※近年はSNS(ソーシャルネットワークサービス)を利用してデマを拡散する不届き者が増加しているので情報の発信源が本当に信頼できるのかを確認する事も重要です。

震源からの距離が離れていても揺れの伝わまでには数秒程度しかありませんが、例え数秒間でも地震速報によって揺れが来ることがあらかじめ予測ができれば命を守るために備えられる事は多いですし、津波のように遅れて発生(水位が上昇するまでに1時間以上かかる地域もあります)する事象もあるため、一秒でも早く正確な情報を周知できるように研究が進められています。
※近年普及しているスマートフォンには地震のアラートが大きな音で鳴るようなアプリが最初から設定されている機種も多いです。

大きな地震が発生してしまうと、その被害はとても大きいです。

直接的な揺れの被害には建物の崩壊や火災による家屋の燃焼(火災旋風が発生する可能性もあり、大都市発生した際には最悪1万6千人が焼死すると考えられています)や津波など、資産が破損するものが多いです。

更に、ライフライン(電気、水道、下水道、ガス、通信、交通)や公共機関の停止、火事場泥棒などによって精神的にも辛い思いをする事も多いです。

そのため、いざという時に備えて「防災グッズ」「避難場所」「災害時の危険エリア」「家族との連絡方法」などは確認しておいた方が良いかもしれません。

また、津波による塩害・液状化現象による土地の問題など、長期にわたって多くの被害をもたらす可能性も高いです。

地震などの天災被害が少ない地域に住みたいと思う人も多いと思います。

基本的な地震の対策としては神社やお寺などの近くの土地は過去に大きな災害が少なかった可能性が高い(生存者バイアスによるもので、存在そのものが安全の証拠となっているため)です。

反対に、海抜が低い地域や埋め立て地は天災のリスクが高いので、新しく土地の購入を検討している人は気を付けてください。
※現在住んでいる地域が地震や津波などのリスクが高い地域の場合は保険に加入する事をオススメします。

備考

Mj=気象庁マグニチュード→速報でながれるマグニチュード
Mw=モーメントマグニチュード→観測してから数日後に判明する国際的なマグニチュード

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