国民の階層分類(A層・B層・C層・D層)とは
概要
国民の階層は政治思想を基準として分類されています。
2005年に小泉内閣が郵政民営化政策を進める際に、宣伝企画の立案を自民党から受注した広告会社が効率よく宣伝を行うためのターゲットを想定するために考えられた概念です。
基準が思想であるため貧富の差は関係ありませんが、基本的に日本の国民の多くはB層と言われているため、B層に的を絞った選挙や販売促進活動を行う事で成功しやすいとされています。
多くの人は小泉内閣が掲げた郵政民営化の内容を理解せずに投票に向かったと考えられています。
多くの支持があった事で郵政事業は民営化が成功しましたが、その後に業務の一部停止処分などの行政処分を受けるなどの影響がでました。
※かんぽ生命の不正契約はニュースで大きく取り上げられましたし、郵便物の着服や廃棄などは度々発生しています。
各層の特徴
国民の階層を分類する際に「構造改革に肯定的か否か」を横軸、「IQ(アイキュー)軸(EQ(イーキュー)、ITQを含む独自の概念とされる)」を縦軸として分類しました。
基本的に日本の国民の多くは政治関心がない傾向があるため、知識を身に着け得る事を怠る傾向が強く、問題が起きた時だけ本質を理解しないまま便乗する傾向があります。
そのため、国民の多くはB層であると分析されています。
階層 | 思考能力 | 行政へ満足度 |
---|---|---|
A層 | 高い | 肯定的or中立的 |
B層 | 低い | 肯定的or中立的 |
C層 | 高い | 批判的 |
D層 | 低い | 批判的 |
選挙では誰しも平等に1票の権利があるため、大多数に有利な政策を掲げる事で多くの票を獲得しやすい傾向があります。
各層の具体的な特徴は下記のように考察されています。
A層
- 思考能力が高く自身で考えて行動できます。
- 行政へ中立的or肯定的です。
- 本質を見極めようとする傾向が強く社会的に成功している人に多いです。
- 行政の制度を理解して活用しています。
- 一般的には外資系や専門職に多いとされています。
B層
- 思考能力が低く周囲に流される傾向が強いです。
- 行政へ肯定的or中立的です。
- 物事を深く考える事はしないためマスメディアの影響を強く受けます。
- 一般的には若年者、高齢者、主婦に多いとされています。
C層
- 思考能力が高く自分で考えて行動できます。
- 行政に不満を持っています。
- 一般的には公務員、上場企業の社員に多いとさています。
D層
- 思考能力が低いです。
- 行政へ不満をもっています。
- 過去に行政からの苦い経験を抱えている事が多いです。
- 一般的には自営業者に多いとされています。
マーケティングでの実績
国民の性質を分類する方法はマーケティング戦略としては非常に重要で、多くの企業では取り入れられている手法だと思います。
例えば
大手のフランチャイズ(FC)店舗の様に、人の行動心理学や動物学などの心理的傾向を盛り込んだ経営を行う営業方法が代表的で、新聞の折込みフライヤー(チラシ、ビラ)やテレビ・ラジオの広報番組を上手に利用して売上を伸ばしています。
近年ではSNSやアプリでチケットを配布するなどの方法も取られたり、独自のイベントを開催するなどの方法を行って消費者に伝わりやすい戦略を立てています。
しかし、B層は周囲の影響を強く受けるため流されやすく、マスコミによる報道や流行、有名人(インフルエンサー)などの影響を強く受けてしまうため本質とは異なった動きをすることも多く、上手く誘導できずに失敗してしまう事例もあります。
具体的には
「おいしい」と報道されると並んでも食べに行く人がいる一方で、熱が冷めてしまうとお客さんを集める事ができずに一過性の繁栄しかできずに閉店する店舗もあります。
まとめ
各階層にはそれぞれの考え方がありますが、それぞれの環境的な影響も大きいと思います。
しかし、日本では民主主義が導入されている事から、B層のように「主婦と子供を中心とした層、シルバー層」が多くの票をもっていますが、実態としては「具体的な事はわからないが支持する層、何となく支持する層」です。
本来ならばわからない人に決定権があるのはとても不自然ですが、多数決を投票によって決定する民主主義での影響力はとても大きいため、大衆を集めなければ当選できないシステムで成功するためにはターゲットから外す事ができないと考えられています。
可処分所得が少ない国民が多いので本来ならばそのような状態を緩和する政策に票が傾くはずですが、不思議と政策では後回しにされてしまいます。
※推測ですが「投票を放棄する層」と「可処分所得が少ない層」が被っている可能性が高いと思います。
多数決のような一見便利な制度を成り立たせるためには全体の教育レベルが高くなければいけません。
※選挙に参加する人の教育レベルと政治には相関があるため投票者には相応のレベルが求められます。
最大多数の最大幸福を求めるための最適解の判断はとても難しいですが、臓器くじの例からもわかる通り多数決は万能ではないため、虐げられてきた者達にしわ寄せがいっているのも現状だと思います。
そのため、実際には政治に関心がない人が投票した人が当選してしまう事も多い事から制度疲労(古い制度が残り続けていて無理が生じている状態)が起きているとも考えられます。
このような多数決の脆弱な点に着目して選挙に対する戦略が練られましたが、ネット等を通じてこの情報が世間に広まってしまったため国会でも取り上げられました。
※資料中で使用していた「IQ(アイキュー)」という単語やマーケティング戦略が物議を醸しました。