ポートフォリオは業界毎に意味が若干異なりますが、いずれも実績がわかる内訳明細を示します。
金融の世界では異なる種類の資産(株式・債券・不動産・貴金属など)の詳細を表現する事が多いです。
ポートフォリオの構成に正しい答えはなく、年齢や取る事のできるリスクによって変化するため様々な考え方があります。
ポートフォリオを決める際に重要な事は、リスクとリターンのバランスを考える事です。
ポートフォリオの具体例
金融資産を要素別にまとめたものをアセットアロケーション(資産配分)と言い、その中の特定の要素の詳細な内訳を示したものがポートフォリオと呼ばれます。
Aさんのアセットアロケーション(資産配分)は
- 現金:200万円
- 債券:100万円
- 株:100万円
とする場合にこのうちの株のポートフォリオは
- 株a=40万円
- 株b=40万円
- 株c=20万円
となり、円グラフで表示するとこのようになります。
ポートフォリオによるリスクとリターン
株のポートフォリオでリスクのリターンの具体例を考えてみます。
Aさんの保有する株
・ 株a 40%
・ 株b 40%
・ 株c 20%
Bさんの保有する株
・ 株a 50%
・ 株b 50%
Cさんの保有する株
・ 株a 100%
この状態で株aが30%の大幅な暴落をしたとします。
Aさんは資産の6%を失います。
Bさんは資産の15%を失います。
Cさんは資産の30%を失います。
同じ投資金額でも複数に分散している場合の方がリスクは少ないです。
しかし、反対に分散投資をしていると株aが大きく上昇したときのリターンも少ないです。
また、株aに対しての悪い要素は株bに対しての良い要素である事もあります。
そのため、株aの損失を株bが補い損失が発生しない事もあります。
また、固有リスク(ユニークリスク:企業特有のリスク)によって大きく下落する可能性もあるため、偏った投資は危険度が高いです。
このように、リスクとリターンは様々な影響に左右されるので、バランスを考えながら自分の資産を効率よく運用できるポートフォリオを考える事は重要です。
リスクを軽減するために
リスクを軽減するためには様々な方法があります。
- アセットアロケーション(資産配分)の見直し
現金・株式・債券・不動産などの資産配分を見直し、現金比率を高めたり、ボラティリティ(ボラ)が少ないものへの配分を大きくする事でリスクを軽減できます。
※値動きが異なる要素で構築する事が重要です。 - カントリーリスクの軽減
日本・欧米・欧州など偏った地域へ集中投資を行っていないかを見直し、天災や地域性のある値動きの影響を軽減する事ができます。 - 時間分散
買い付けのタイミングや量などを分散する事で、平均的な取得価格に近くなります。 - ポートフォリオを見直す
ポートフォリオを見なおし、ボラティリティ(ボラ)が少ないもので構成する方法や、値動きが異なるもので構成する事でリスクを軽減する事ができます。
これらを方法はリスクを軽減する一般的な方法だと考えられていますがお金を守るためには効果的な方法です。
まとめ
ポートフォリオは資産を構成する詳細で、その投資家がどの資産をどの程度保有しているのかがわかります。
そして、ポートフォリオを確認する事でその投資家のアセットマネジメント(資産管理・運用)の傾向も確認する事ができます。
集中投資を行う人もいれば分散投資を行う人もいますし、リスクが高い構成を好む人やリスクを避ける構成にする人もいます。
そのため、ポートフォリオの構成は投資家の性格や経験のみではなく、自身の環境やその時の状況によって変化します。
また、ポートフォリオは個性がでるだけではなく、その構成による影響は大きな収益の差を生みます。
投資は長期間行うため、その差は年数を追うごとに複利効果の影響を受け広がっていきます。
個人投資家に人気なETF(上場投資信託)は手軽に分散投資ができるのでポートフォリオをあまり意識せずに気軽に始められるため、初心者にとってはメリットが大きいです。
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