フリン効果はIQ(アイキュー)の推移が向上する事です。
反対にIQの推移が低下する場合は、負のフリン効果と呼ばれます。
フリン効果によるIQ(アイキュー)の推移の研究では、1970年代をピークにIQ(アイキュー)が低下傾向であるとされています。
IQ(アイキュー)は平均をIQ100とするため、全体的な変動があれば平均も変化するため、同じ数値でも被験者の平均によって質に違いがうまれます。
具体例
IQ(アイキュー)は測定された時代の平均スコアを100とします。
そのため、世代が異なる場合は測定結果も異なってしまいます。
具体定期には
- 2020年に50歳で20歳の時にIQ100だったAさん
- 2020年に40歳で20歳の時にIQ100だったBさん
- 2020年に30歳で20歳の時にIQ100だったCさん
それぞれ同じ測定値ですが時代が異なります。
そのため、同じIQ(アイキュー)でもBさんの測定時期である1970年前後は平均が高かった時期とされているため、
- AさんのIQ測定時(1970年)には100点中90点でIQ100
- BさんのIQ測定時(1980年)には100点中80点でIQ100
- CさんのIQ測定時(1990年)には100点中70点でIQ100
のように、平均スコアが低下していると考えられています。
フリン効果の問題点
IQ(アイキュー)の上昇はIQテストが周知されたため、点数がとりやすくなり、その後は徐々にそれが薄れつつあるとされる意見もあります。
フリン効果のIQ測定の内容が現在の教育を考慮していない診断の可能性があり、現代人の知能を正しく測定できていないとする意見もあります。
また、フリン効果はIQ(アイキュー)に焦点をしぼっているため、EQ(イーキュー)などの他の要素を考慮していません。
知能は総合的な能力である一方で、IQ(アイキュー)は論理的思考(ロジカルシンキング)のみを測定しているため、知能が低下しているかの真偽はわかりません。
まとめ
人間の脳は未だに多くの解明されていない部分があります。
そのため、知能の低下という判断も多面的、総合的な要素を考慮しなくてはわからないため、IQ(アイキュー)のような論理的思考(ロジカルシンキング)に偏ったテストの数値が低いというだけでは、知能の低下と断言するには不十分です。
しかし、不十分だからと言って何もしないというわけにはいきません。
実際に低下している場合は低下を抑制しなくてはいけません。
そこでIQ(アイキュー)が低下する原因が考えられています。
- 幼少期にストレス過多の環境
- 教育やメディアが与える影響
- 頭を使う機会の減少
- 脳に悪影響を与える食品の増加している可能性 etc
このような原因でIQ(アイキュー)が低下傾向にあるのではないかと予想されています。
人間は長い間い生態系の上位に存在してきました。
これは私たちの祖先がもたらしてくれた文明の力による影響が大きいです。
私たちの個の力では生態系の上位に存在し続ける事は難しいです。
ライオンや熊など人間が個の力ではかなわない生物は多いです。
しかし、人間は知識によって防衛する術を身に着けました。
これは私たち人間の生存戦略において知能の向上という道をたどった結果です。
これまでの進化を無駄にしないために、これから先の子孫に残す財産が負の財産とならないように、今できる事を取り組む事が大切です。