金銭忌避はお金があると不幸になるという考えです。
マネースクリプトの診断で金銭忌避に分類される人はお金が悪であるという認識が強い人で金銭崇拝とはほぼ対局の考えです。
「高所得者は悪人、人をだましてお金を搾取している」
「一所懸命労働して得るお金には価値がある」
などと考えている人が多いです。
そのため、「高所得者は傲慢で堕落し、悪い事をして稼いでいる」と考える人も多いです。
このような人は清貧(私欲を求めず勤勉に働き慎ましく生活する事)が、幸せになれる行いだと信じていますし、それが美徳だと思っています。
そのため、他人のために損をしたり、お金が減るような選択を無意識でしやすい傾向があります。
日本で金銭忌避意識を持つ人が多い理由
日本では他国に比べて金銭忌避意識を持つ人が多いです。
これは日本の教育に原因があります。
子供の頃に受ける教育はその後も大きな影響を与えます。
親や学校の先生から勤勉に働く事が素晴らしい事であると教えられた人も多いと思います。
これは日本でかつて信じられていた終身雇用制の影響もあります。
勤勉に働く事で、会社が入社から定年まで保証してくれて、退職後は退職金をもらい年金で生活をする。
このような生活が保証されていた時代の影響が強いです。
特に教える立場にある教員は基本的に学校に貢献していれば職を失う事もないため、教師にとってはこれらは真実であるのかもしれません。
しかし、現在は会社がいつ倒産してもおかしくない時代です。
会社で真面目に働いてもリストラされる人は珍しくはありません。
40代や50代のリストラは特に悲惨で、その会社で培った知識や経験が他の会社で活かせれば良いですが、特別な事業内容の場合は再就職も難しいです。
金銭忌避の注意点
金銭忌避はお金は汚い印象を持っているため、お金について過度に考える事はせずに日々の生活を行うために一所懸命働き、貧しくても生活できる事が美徳と考えています。
自分は高所得者にはなりえないと思い込んでいて、低賃金でも一生懸命働く事が美徳で給料が低いのは自分の能力が低い事が原因であると考えます。
そのため、労力を惜しまずに時間をかける(残業する)事で成果を上げようと努力します。
そして、苦労して稼いだお金には価値があると考えます。
このような考えは低所得・低資産になりやすく、このような状態が継続して続く事でストレスが蓄積され、衝動買いや過度な支出につながる恐れがあります。
また、労力をかけずにお金を得る事は悪だとも考えているため、時間もお金もある高所得者は悪い事をしている、傲慢で怠惰な人間という認識があります。
お金について考える事は卑しい事だと考えているため、日々お金について考える事を嫌煙しているため、お金についての知識・認識・評価が曖昧のままファイナンシャルリテラシー(金融リテラシー/マネーリテラシー)が低いまま年を重ねていきます。
その一方でお金について勉強したファイナンシャルリテラシー(金融リテラシー/マネーリテラシー)高い人ほど金銭忌避意識がが少なく、むしろ金銭崇拝傾向にあります。
金銭忌避意識が強い人も高所得者の中にも善人がいて、お金があっても尊敬される人がいるの事はわかっています。
そのため、金銭忌避の考えを持つ人はノブレス・オブリージュを他者に求める傾向が強いとも言えます。
まとめ
日本人には比較的に金銭忌避の意識が高い人が多いです。
これは終身雇用制の影響が強いです。
昔は会社で一所懸命働いて定年まで過ごす事で老後も年金を受給しながら安定した暮らしができました。
現在の日本の環境は終身雇用できる会社は限られ、就労先が倒産する可能性が大いにありますし、年金も減額されそれだけでは生活ができないと考えられています。
そのため、政府でも老後には2,000万円必要という見解を示したほどです。
しかし、実際に2,000万円を準備するには20歳から毎月約4万円ずつ貯金する事を目標にしなくてはいけません。
しかし、下の表からもわかる通り多くの人はこの目標を達成できていないはずです。
年代 | 平均貯蓄額 | 目標貯蓄額 |
---|---|---|
20代(29歳以下) | 約155万円 | 0~500万円 |
30代(30~39歳) | 約404万円 | 500~1,000万円 |
40代(40~49歳) | 約653万円 | 1,000~1,500万円 |
50代(50~59歳) | 約1,051万円 | 1,500~2,000万円 |
60代(60~69歳) | 約1,339万円 |
平均は一部の貯蓄額が多い人によって釣り上げられているため、平均でも老後に2,000万円を貯められていなため、政府の目標を満たせない人は多いはずです。
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