児童虐待は子供を虐待する事です。
虐待は犯罪であり、日本にいる全ての児童は「愛されて健やかに育つ権利」が法律によって補償されています。
児童福祉法
第一章 総則
第一条全ての児童は、児童の権利に関する条約と精神にのっとり、適切に教育されること、その生活を保証されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく補償される権利を有する。
児童を守るようなあたりまえの事は法律(児童福祉法・児童の権利に関する条約など)で定めるような事ではないと思う人もいると思いますが、実際には子供を虐待する親が多く、近年の虐待報告件数は増加傾向にあります。
通報件数の増加は政府が児童虐待に対する対策を行った成果だと考えられる事もありますが、核家族化が進んだ影響で親のストレス過多が原因である可能性もあります。
児童虐待用の緊急ダイヤルは「189」(イチハヤク)番となっていて、ポスターを目にした事がある人や、耳にしたことがある人も増加傾向にあり、社会に浸透しつつあります。
※匿名通報でも大丈夫です。虐待を目にしたら積極的に児童を救ってください。
児童虐待による通報件数は増加しましたが、児童虐待による死亡数の増加はみられないためため、今まで見過ごされていた軽度な虐待や潜在的な虐待が徐々に通報されるように児童虐待に対する社会の目が厳しくなった可能性が高いと考えられ、これからも通報件数は増加する可能性が高いと考えられています。
しかし、通報件数が伸びた事によって児童相談所の能力不足や権利不足によって虐待から守れなかった事例も見られるようになりました。
そこで政府は児童相談所の職員の増員や制度改定をしました。
児童虐待の分類と具体例
児童虐待には分類があり、いずれも子供の将来に大きな影響を与えます。
しかし、身体的虐待はあざなどが残るため、加害者の多くは故意に周囲の人からわからないように隠そうとする事が多いですし、育児放棄や精神的虐待や性的虐待は周囲の人が発見する事が困難です。
また、しつけと虐待の境界も曖昧なので、虐待と考えられている具体例をまとめました。
精神的虐待(心理的虐待)
- 無視
- きょうだい間での差別
- 罵声
- 暴力を目の当たりにさせる
身体的虐待
- 殴る、蹴るなど
- 投げる、揺さぶるなど
- 火傷を負わせる
- 溺れさせる
育児放棄(ネグレクト/育児怠慢/看護放棄)
- 食事を与えない、または少ない
- 不衛生な環境で育てる
- 体調が悪くなっても対応しない
- 過酷な環境(夏場の車内、冬場の屋外など)に放置する
性的虐待
- 性的行為またはそれを見せる
- 性器を触るまたは触らせる
- 性的被写体とする
また、虐待が起きた背景(原因)によって積極的虐待と消極的虐待があります。
積極的虐待
自己中心的な理由に起因する虐待
殴る、蹴るなどの暴力行為は基本的に積極的虐待となります。
また、経済的に余裕があるのに食事を与えない、衛生環境を整えないなども積極的虐待です。
消極的虐待
経済的問題などの環境に起因する虐待
お金がないため食事を制限したり、衣類が破けていたりなどの子供を育てる環境に適さない状況が作り出す虐待が消極的虐待です。
児童虐待の現状
児童虐待の加害者の多くは両親(約87%)で、特に母親(約52%)からの虐待が約半数を占めるほど多いです。
児童虐待には分類があり、被害が多い順に「精神的虐待」「身体的虐待」「育児放棄」「性的虐待」となっています。
虐待による影響は生涯によって現れ、人生を大きく左右します。
最悪の場合は虐待によってその後の人生を奪われる事もあります。
まとめ
日本は貧困層でも他の国よりも生きやすい環境になっていますが、それでも貧富の差は拡大しつつあります。
そのため、消極的虐待もゼロではありませんが、児童虐待の多くは積極的虐待によるものです。
児童虐待による影響は様々で、過度のストレスによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、愛着障害(アタッチメント障害)、アダルトチルドレン(AC)
など影響は様々です。
しかし、いずれも成長し大人になってもその影響が大きく、生きづらさを抱える人が多いため、幼少期の環境はとても大切です。
また、虐待を受けて育った人が大人になってから自分で子育てをする際に、自分の育った環境があたりまえだと思ってしまい、自覚のないまま虐待を行ってしまう事もあります。
そのため、虐待は連鎖してしまうため、どこかのタイミングで止めなければいけません。
しかし、児童相談所で保護された後の子供の心境も様々で、虐待を受けていても親と過ごしたい子供も多いです。
児童を保護するだけでなく、親が親として生きる方法も学ぶ事も重要です。