ビュリダンのロバは同じ条件の干し草が目の前にあると、ロバはどちらも選択する事ができずに餓死してしまうと可能性が高いとする思考実験です。
ロバは同じ条件の干し草が提示された場合、論理的に考えてどちらの干し草を食べるのかを選ぶことができずに、そのまま食べる事が出来ないという例え話です。
そのため、論理的な思考のみではなく、自由意志が大切だという意見があります。
ビュリダンのロバの概要
お腹を空かせたロバが干し草を探していると、同様の条件(干し草の量や現在地からの距離などが同じ)の干し草を見つけました。
ここでロバは最適な選択肢を考えますが同様の条件のため、論理的に考えてしまうとどちらも選ぶことができません。
そして、ロバはどちらの干し草も選択する事ができずに餓死してしまうという例え話です。
しかし、実際には同じ量で同じ距離で同じ状態の干し草など、同一の条件が揃う事は基本的にはありません。
そのため、ロバが干し草を選ぶ事ができずに餓死してしまう事はありません。
まとめ
ビュリダンのロバでは同じ条件の選択肢を論理的に分析し、最適解を導くことができずに餓死してしまいます。
私たちの日常生活ではビュリダンのロバのように同様の選択肢が提示される事はほとんどありません。
しかし、どちらの選択肢も同様に魅力的であり、どちらを選択しても論理的に十分な期待値が持てる事はあります。
例えば、「一万円札を一枚もらう」のと「千円札を十枚もらう」のではどちらも魅力的な条件です。
ある人はお財布が膨らまないので、一万円札が良いと思うでしょうし、ある人は使い勝手がいいので千円札がいいと思うはずです。
さらに、その時の状況によってもどちらが良いかは変わる事も多いと思います。
このような時、私たちはどちらも選べずにそこで立ち止まってしまわないように、論理的な見解だけではなく、感情や過去の経験から答えを導きます。
それでも決まらない場合は、コイントスなどの不作為な要素で答えを導き事もあります。
このように、意思決定には合理性だけではなく、自由意志も必要になります。