パーキンソンの法則とは
概要
パーキンソンの法則は余裕があるとそれを全て使い切ってしまう心理です。
パーキンソンの法則は第1法則と第2法則に分類されていますが、どちらも与えられた分を使い切ってしまうという点は同じです。
イメージしやすい例としては
、多くの人は収入が増えても生活に余裕が生まれない不思議な現象を体験した事があると思いますがこの状況もパーキンソンの法則が影響しています。
本来は収入が増えれば生活にゆとりが生まれるため収入の上昇と共に生活が豊かになっていくのをイメージする人も多いと思います。
しかし、実際には収入に比例して生活水準をあげてしまう人が多いため収入が増えても生活に余裕がでる人は限られてしまうのが現実です。
パーキンソンノ法則、第1の法則について
パーキンソンの法則の第1の法則として「仕事量は、与えられた時間を全て満たすまで増加する」と考えられています。
基本的に仕事量や制限時間には限りがありますが、その限られた時間内に一定の仕事量をする多くの人は期限が迫らないと終わらない傾向があります。
具体的には
学生時代に課せられた学校の宿題を思い浮かべるとイメージしやすいと思います。
本来なら1日で終わる内容だとしても提出期限まで1週間あると期限が近くなるまで終わらない人が多いと思います。
これは社会人になって仕事をするようになってからも同様で、残業が多い人の中にはこの心理が働いている人も多いと思います。
仕事量に対して労働時間は十分にあったはずなのに、ギリギリになってから間に合わないと思って仕事に集中し、実際に終わるのは定時を過ぎてしまう。
このような傾向のある人の一部は、残業ありきの考えに陥っている人もいます。
特に高度経済成長に向かうバブル景気の時代は企業戦士・猛烈(モーレツ)社員などが代表されるように「残業してたくさん働く」事が美徳と考えられていた時代がありました。
しかし、近年は昔のように「残業時間が長ければ仕事を多くしている」という考えも見直され「残業する部下も残業させる上司も無能」だという風潮にむかっています。
与えられた業務を定時内に不足なく仕上げる事で評価が上がる会社も多くなった反面、残業しないと終わらない人の評価は下がるようになった会社も多いです。
※昭和から平成にかけて景気は好調気でしたが、バブル崩壊の影響で企業が十分な給料を払えずに整理解雇(リストラ)などが進み、昔のような終身雇用が約束されなくなってしまったため身を粉にして働く社員が大幅に減少してしまったため、優秀な社員をつなぎとめるために待遇を改善する傾向があります。
パーキンソンノ法則、第2の法則について
パーキンソンの法則の第2の法則として「支出の金額は、収入と同額になるまで増加する」と考えられています。
基本的に収入には限りがあるため収入を超えて支出する事ができません。
そのため、収入と同額を使った段階で使えるお金がなくなってしまうためそこで打ち止めになってしまいます。
具体的には
小さい頃のお小遣いよりも大人に向かうにつれてお小遣いは増えていった人が多いと思います。
しかし、多くなった分もしっかりと使っている人が大半で、増加分を全て貯金に回せた人はとても優秀な人で老後に困る可能性は低いと思います。
そして、収入の一部を投資に回して俗に言う成功者と呼ばれるようになった人もいるとと思います。
※失敗して財産を失う人も多い茨の道です。
パーキンソンの法則に陥らないためには
パーキンソンの法則に陥らないようにするための対策は、要点を抑えて必要最低限の枠(ボーダーライン)を決めてそれを護る事です。
基本的に終始の管理をするためには会計をしなくては動きが不明瞭になってしまいます。
そのため、一般家庭の場合は家計簿のような帳簿をつけて収支の見える化をする事が一番最初にする事です。
※概要がわかれば十分なため1円単位まで細かくつける必要はありません。
家計簿をつける事があれば予算の配布額の目安が付くため、収入が入った段階で支出の予算計画についての内訳を考えます。
具体例
手取りが20万円の場合
- 10万円を生活費
- 5万円を積み立て
- 3万円を投資
- 2万円をお小遣い
このようにある程度の枠を決めて不足しないようにします。
※この枠は変えてはいけません。
この枠を護るためのルールとして
- もし守れなかった場合はお小遣いを減らしてください。
- 浮いた予算があってもお小遣いに回してはいけません。
- 浮いた予算は積み立てするか投資に回しましょう。
このように事前に計画を立てる事で目標(ゴール)が明確になるので評価(進捗度や達成項目の把握がしやすくなります。)がしやすくなります。
※基本的に大きな目標よりも小さな目標を複数設ける方が成功しやすい傾向があります。
最初からルールを完璧に守ろうとすると失敗するので、緩いルールを長く護って少しづつ引き締めていく方が成功率が良いと思います。
これはお金だけではなく時間も同じです。
ペース配分をしっかりと計画し、予定通りに進めてください。
※時間は取り戻せないので計画がとても重要になります。
まとめ
パーキンソンの法則は与えられたものは使い切ってしまうという心理です。
しかし、この心理は本当に重要なものが不明瞭になってしまっているから起きてしまいます。
そのため、これを避けるためには重要なものがしっかりと見えていなくてはいけません。
一度悪循環に陥ると優先度が低いものに紛れて本当に大切なものが隠れて更に見失ってしまう傾向があるため注意が必要です。
パーキンソンの法則に陥ってしまったら一旦リセットして重要なことから順番に優先順位をつける事が大切です。
特にお金はこの影響が大きく、裕福に見える人は重要なものを見極めてお金を使っている一方、貧しく見える人は重要度の低いものにお金を使ってしまうため貧困から抜け出せずに生活に困窮して家計が常にカツカツな現象に陥ってしまいます。
特に多いのはラテマネーのような少額のお金の積み重ねによる出費です。
「チリが積もれば山となる」と言われるように「少額だから」と軽い気持ちでお金を使っていると思わぬ額になっていて驚く人も多いです。
備考
イギリス人の海軍歴史学者で政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンの著書「パーキンソンの法則:進歩の追求」で提唱されました。