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サヴァン症候群(サバン症候群)とは
概要
サヴァン症候群(サバン症候群)は特定の分野の突出した才能と精神障害や知能障害を合わせ持っている人や症状を指して使われる言葉です。
一般的にサヴァン症候群は能力の総合力が高いわけではなく、特定の分野の能力に特化していると考えられています。
※サヴァン症候群とギフテッドは親和性が高く誤認される可能性もあるので分析には注意が必要です。
そのため、得意な特定の分野以外に大きく苦手な分野がある傾向があり、多くの場合は自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群/ASD)や発達障害などの症状を合わせ持つ事が多いです。
※一般的な人とは思考のパターンが根本的に異なっているようで、多くの場合コミュニケーションに問題を抱えてしまう事が多く人間関係がうまくいかないようです。
近年認知された症状すが、その稀有な能力には規則性や傾向はないと考えられていて、特殊能力の種類は多種多様で「記憶力が優れている」「数学的能力が異常に高い」「共感覚を持っている」など多くのタイプの人がいます。
サヴァン症候群の具体例
サヴァン症候群は特定の分野の能力が突出して高いですが、その反面苦手分野が多い傾向が強いです。
そして、特異な能力の組み合わせは多種多様なためそれぞれの個性が色濃くでます。
例えば
アメリカ合衆国でサヴァン症候群だと診断されたキム・ピークは、先天性脳障害によって発育障害と診断されていて、小脳の障害と脳梁を欠損していたため生活には父親の介護を必要としていました。
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優れた映像記憶能力があり9000冊以上の本の内容を丸暗記する事ができていましたし、年月日から即座に曜日を計算する事ができるほど暗算が得意でした。
この他にも
- 芸術的能力が高い
一瞬だけ一度見たものでも細部まで正確に描く事がきでる人もいます。 - 音楽的能力が高い
一度聞いた音楽を演奏したり、何全曲も暗記ができる人もいます。 - 時間、空間的な認知能力が高い
時計がなくても正確に時間が把握できたり、定規などの測量機器を使わなくても正確な距離がわかる人もいます。
有名な能力を列挙しましたが、このような能力は多様な能力の極一部となります。
しかし、サヴァン症候群には欠点もあります。
例えば
記憶力が高い能力の場合は本を一度読んだだけで「〇ページの〇行目には〇書いてある」のような細部まで情報を記憶する事ができます。
その一方で、暗記した内容が理解できていない場合もあります。
そのため、サヴァン症候群の持つ高い能力を活かせる人は得意な能力の組み合わせと不得意な能力の組み合わせがとても良い限られた人にしまっていて、能力の組み合わせが良い人は有能サヴァンや天才サヴァンなどと呼ばれることもあります。
有能サヴァン、天才サヴァン
サヴァン症候群は能力の差が激しく特異な能力も異なります。
サヴァン症候群の人は、基本的には総体的な能力が高いわけではなく、一部の能力が突出しています。
そして、その特殊な能力の組み合わせが良い人は非常に珍しく、有能サヴァンに分類されるような能力の組み合わせの良い人はほんの一握りで、才能を活かせないタイプの人が多いようです。
例えば、
学校教育では「国語、英語、社会、数学、理科、音楽、体育」」のような項目がありますが、一般の人は能力が各科目で多少は異なるものの、大きく偏った成績になる事は少ないです。
国語 | 英語 | 社会 | 数学 | 理科 | 音楽 | 体育 |
---|---|---|---|---|---|---|
65点 | 60点 | 62点 | 80点 | 83点 | 50点 | 53点 |
このようにある程度は全体的に点数を獲得する事ができますが、その中で得意な科目や苦手な科目があるのが一般的です。
しかし、サヴァン症候群の人は能力のバランスが悪いため、得手不得手によって大きく差がでます。
国語 | 英語 | 社会 | 数学 | 理科 | 音楽 | 体育 |
---|---|---|---|---|---|---|
0点 | 100点 | 0点 | 100点 | 0点 | 0点 | 0点 |
このようなとても偏った成績になります。
※100点が上限のため測定ができませんが、数学年上の内容のテストでも満点をとる事ができるはずです。
そして、多くのサヴァン症候群の人は特化している能力が限られていたり、得意な能力に共通点が少ない事が多いです。
そのため、特化した能力の方向性に統一感があり、能力を活かせるサヴァン症候群の人は極稀なため有能サヴァンに分類されます。
例えば、国語と英語のような語学に特化し多言語を話す事が容易な場合は実社会でメリットが大きい能力のため、その他の成績が例え0点でも有能サヴァンとして扱われる事があります。
まとめ
サヴァン症候群は先天的要因と後天的要因があるようですが、なぜそのような能力が出現するのかについては解明されていません。
そして、その能力の高さは当然注目を浴び、サヴァン症候群についての研究が進められていますが、未だにその原因が明確にはなっていません。
※現段階ではサヴァン症候群は先天性・後天性のどちらも脳になにかしらの異常が発生して極端に秀でた能力となると考えられています。
そのため、先天的に高い能力を持つギフテッドやタレンテッド、HSP(エイチエスピー/ハイリー・センシティブ・パーソン)などの特徴とは異なります。
また、サヴァン症候群は男性に多いと考えられています。
これは自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群/ASD)が男性に多い事に原因がある可能性が強いと考えられています。
しかし、サヴァン症候群については現在も不明な点が多いため、その理由が明確にはなっていません。
そして、この症状の解明が進めば人工的に後天性サヴァン症候群のような優れた能力を身に着ける事ができ、超知能を持つような人類が存在するようになる可能性もあります。
備考
J・ラングドン・ダウン博士は1887年に「イディオ・サヴァン(天才的白痴)」と名付けましたが、その後に「サヴァン症候群」と呼ばれるようになりました。