狼狽売り(狼煙売り/パニック売り) | あむぶろ 学校では教えてくれない大切なこと

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狼狽売り(狼煙売り/パニック売り)

投稿日:2020年3月20日 更新日:

狼狽売り(狼煙売り/パニック売り)とは

概要

狼狽(ろうばい)売りは株価が急落した際に冷静な判断ができずに焦って売却してしまう事です。

多くの人は保有している株式が急落すると理性的な判断が困難になってしまいます。

ここでパニックになって慌てて売却してしまうと結果的には「一番底値で手放す」という事態になってしまい後悔する人はとても多いです。

普段は冷静に合理的な判断ができている人でも、実際に価格が急激に下落すると「このまま保有していると膨大な損失が発生する」という心理に追い込まれてしまいますし「早く売却して損失を最小に留めなくてはいけない」という冷静さを欠いた損切をしてしまう事もあります。
※通常の損切は論理的に行うのに対して、狼狽売りは感情が先走ってしまう点が大きな違いです。

特に経験の少ない初心者が陥りやすい心理なので十分な注意(資産運用額の割合や投資銘柄の選定なども重要な要素です)が必要です。

レバレッジ取引について

銘柄の分析に自信がある人は信用取引をしている事も多いですが、レバレッジ空売り(信用売り/ハタ売り)は借金をして取引をしているようなものなので活用の仕方には十分な配慮が必要です。
※少数ですが「自分がどのような事をしているのか」を理解せずに意味がわからないまま取引している人もいます。

強い自信をもって投資している人は信用取引でレバレッジを利かせている事も多いですが、下落時に「株価が持ち直す」という強い想いがあるとそれに反して下落が続く時のプレッシャーはとても大きいです。

特に、信用取引の場合は強制決済をされてしまう事もあるため暴落時には一定の価格までしか保有し続けらないため強制的に損失が確定されて大きな被害額になる可能性も考慮にいれなければいけません。
※更新する度に含み損が拡大していく時のプレッシャーは投資額が大きいほど大きな心理的負担を背負わせると思います。

そして、狼狽売りを見ている他の株主も狼狽売りが始まると更に下落は加速してしまい悪循環に陥りストップ安になる事もあります。

一旦は下落が止まるものの「再開された時にどうなるのか?」という不安は大きいですし、このような状況になると売却しようとしても売りが殺到して成行の注文でも約定しなくなる(売買が成立しなくなる)ためSNS(ソーシャルネットワークサービス)では「〇の場合どうなるのでしょう?」など、今後の見通しを立てるための情報を求める人が出現する事も珍しくありません。
※売買は売主と買主の取引が成立しなければ成り立たないため、暴落している時は購入する人が圧倒的に不足している一方、売りたい人が多すぎて取引が成立しない事があります。

このような状態でパニックにならずに冷静な判断ができる人はほんの一握りだと思います。

特に信用取引でレバレッジを利かせているのに含み損を抱えている状態から、更に大きく下落すると「借金」という言葉が頭を過ります。

多くの投資家は「資産運用に失敗して借金生活」「投資で失敗して離婚」などの話を耳にした事があると思いますが、実際に含み損が拡大していくと「自分もそのような生活になるのではないか」という状況に追い込まれパニックを起こしやすいです。

しかし、下落の原因が不明の状態で売却した場合の多くは反発して元に戻る事が多いと言われています。
レバレッジを利かせている場合は戻る前に損失が確定されてしまう事も珍しくはないので注意が必要です。

狼狽売りを避けるには

狼狽売りを避けるために大切な事は冷静でいる事です。

しかし、「言うは易し行うは難し」ともいわれるようにシンプルなほど難しかったりします。

冷静でいるためには情報が必要です。
※購入前の銘柄選定の段階から情報を精査して特性を把握しておく事も重要です。

例えば

  • 保有している銘柄の特徴を知る。
  • 保有している銘柄の最新情報を確認する。
  • 保有している銘柄の同業他社を確認する。
  • 指数(日経平均、S&P500など)を確認する。

このように現状を把握する事はとても大切で「なぜ下落したのか」の分析を行い原因を特定する事で今起きている下落幅は適正かどうかの判断がつきます。

そして、原因に応じた対応を取る事が重要で、原因次第では損切を行う事も大切です。

例えば

  • 配当の権利確定日の後
    →基本的に下落する事が多いです。
  • 決算発表があった。
    →決算の内容次第ではしばらく上昇が見込めない事もあります。
  • 特定の時期に乱高下する事が多い。
    →過去の実績を分析する事で株価が戻るかどうかの判断はつきやすいと思います。
  • 元々乱高下が激しい銘柄。
    →ボラが激しい場合は仕手株の可能性もあります。
  • 会社で大きな方向変換があった。
    →内容によっては株価が下落し続ける可能性もあるので危険かもしれません。
  • 業界に影響を与える要因があった。
    →内容によっては業界全体が落ち込む危険があります。

このように、様々な情報から最適解を模索しなくてはいけないため、慌てて感情的になってしまうと大損してしまう事もあります。

特に「下落する要因が明確」だと思い込んで損切して空売り(信用売り/ハタ売り)に切り替えると急上昇する事もあります。

このようなパターンは俗に「往復ビンタ」とも言われとても危険です。

そのため、常に最新情報を調べ「銘柄を購入する前からわかっている要素」や「購入してから新たに追加された要素」などの情報をアップグレードしていく事は大切です。

まとめ

狼狽売りは冷静な判断を欠いてしまう事で損失を発生させてしまう事ですが、実際には暴落前からどれだけ「下落を想定した準備をしているか」の差が出やすい傾向があります。

下落を一切考慮せずに投資をすると損失が発生しやすいです。

具体的には
資産運用をする時に仮想通貨のようにボラが激しい銘柄に投資している場合は最悪の事態としては売却せずにいても一生損失を抱えたままになる可能性もあります。

反対に、日本の国債のように値動きが比較的穏やかな銘柄に投資する場合は日本がは経営破綻しないかぎりいずれは含み益になる可能性が高いです。

また、日経225(日経平均)やS&P500のような指数連動を目指したETF(上場投資信託)も比較的値動きが緩やかな傾向があるものの、長期間含み損を抱えてしまう事もあるので運用する場合にはリスクをしっかりと把握して投資する必要があります。
※為替相場自体の値動きは比較的緩やかに変動する傾向がありますがレバレッジをかけたFX(外国為替証拠金取引)のようにレバレッジをかけていると運用資金のボラが激しくなるので注意です。

資産をどのように運用するかで前提条件が異なるため暴落時に与える心理状態にも大きな影響を与えます。

また、実際に大きく下落すると情報の把握が困難となってしまいますが「下落の根拠に確証があるのか」「実際の下落幅は適正なのか」など判断材料を少しでも多く集めて分析する事も大切です。
※日ごろから情報を集めていると情報の真偽を見極めるのに大きく役立ちます。

周囲が狼狽売りをする中で適正な下落幅を見抜く事ができれば、さらに追加の投資を行う難平(ナンピン)も有効な投資となります。

しかし、原因に対して下げ幅が少ない時は損切も大切になってきます。
※更に下落の見込みがあれば一旦売却して更に下落した時に安値で購入しなおすという方法もあります。

常に最新の情報を集めて状況を見極めて最適解を模索する事が資産を守るのためには大切です。

備考

狼狽売り(ろうばいうり)はパニック売りとも呼ばれます。
また、誤用された狼煙売り(のろしうり)という呼び方も広まってもいます。

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