ジョハリの窓について
概要
ジョハリの窓(Johari Window)はコミュニケーションを円滑に行うために提案され分析方法の一つです。
基本的には「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の違いについての認知のゆがみを修正する事は良い人間関係を保つポイントになります。
そして、ジョハリの窓では自分の現状と他者の認識のずれを修正するための一つの方法として提案されました。
自分自身を「どの程度表現できているのか」を知ることで客観的に見た自分の姿とのギャップを認識して改善する事が目的になります。
一般的には熟知性の原則として知られるように、他者からの理解度が深まると対人関係の障害が減少すると考えられているため、自分の趣味や性格・価値観・人間性などの情報を公開する事でコミニュケーションが円滑に進む傾向があります。
しかし、初対面の人に「情報を全て公開する」事に抵抗を感じる人はとても多く、通常は重要な情報は隠蔽する人が大半です。
そのため、徐々に信頼関係が構築されると共に次第に情報が開示されていく傾向がありますが、その過程では推測によって偏った認識や誤認によるすれ違いなどが頻繁に生じます。
このような状態は俗に言う「ボタンを掛け違えた」「歯車がずれた」などと表現され、その後の関係にも大きな影響を与えます。
ジョハリの窓についての具体的な内容
ジョハリの窓は現状を分析するために大きく4つのポイントを確認する必要があります。
基本的に自分を主観とした判断では
- 公開されている自己(open self)で、解放の窓に分類されます。
知ってほしい・知られている情報 - 隠されている自己(hidden self)で、秘密の窓に分類されます。
知られたくない・教えていない情報
がありますが、他者を主観とした時には
- 自分は知らないが他人は知っている自己(blind self)で、盲点の窓に分類されます。
無意識の言動や癖などの情報 - 誰にも知られていない自己(unknown self)で、未知の窓に分類されます。
自分が無意識にしていて、他人も気がついていない情報
このように、4つの状態の情報を下記の表のように情報をジャンル分けし、該当する項目を書き出した結果として未知の窓が小さくなれば自己開示が進んでいる事になります。
それぞれの窓の具体的な特徴としては
- 解放の窓
- ここが小さい人は周囲から「何を考えてるかわからない」と思われてしまいます。
- 一般的には未知のものや、理解できないものに大して、不安や恐怖を感じます。
- ここが小さいとコミュニケーションが円滑に進むのを阻害する傾向があります。
- 秘密の窓
- ここを小さくし、自己開示を行う事で円滑なコミュニケーションを得られます。
- 個人情報(プライバシー)が公開されていくのでどこまで公開するのかのバランスが大切です。
- 盲点の窓
- 無意識の行動が多いです。
- 人は無意識に9割の思考や行動を行っているともいわれています。
- 特に悪い習慣が無意識で行われている可能性があるので他人から見た自分を知ることは大切です。
- 悪い習慣は気づけば治せます、しかし、無意識下で行われてしまうと気づかないため、改善が難しいです。
- 未知の窓
- 可能性が眠っているといえます。
- 未知の窓の中に本人も周囲の人にも「なにが入っているかはわからない」ので多くのことを経験し、自分の才能や秘密などの伸びしろを見つけられるようにしたいです。
それぞれの窓にはこのような特性があり、解放の窓が大きければ他者との認識のズレが少ないと考えられます。
しかし、この表は性質上自分一人で全てを埋める事ができません。
そのため、自身の悪いところを指摘してもらえるような信頼できる人と一緒に評価を行ってもらう事が重要です。
友人を何人か集めてやるが良いかもしれません。
まとめ
基本的に初対面の人の情報を詳しく知るためには時間がかかる事が多いです。
しかし、その過程では透明性の錯覚によって「理解されているだろう」「十分な意思疎通ができているだろう」などのように慢心的な思い込みをしてしまう事もありますし、様々な人の思惑によって根も葉もない噂や悪意ある情報が流れてくる事もあり事実無根の誹謗中傷が流布されてしまう事もあります。
流石に「軽犯罪に該当するのでは?」と疑うような劣悪な環境を改善するのは時間の無駄なので法的手段に出る方が良いとは思いますが、関係性に違和感があったり心の壁を感じるような状況の時にはジョハリの窓は自己開示の状況を確認するのにはとても良い選択しになると思います。
しかし、この分析方法は一人で行っても十分な結果を得る事は難しいです。
そのため、複数人でやる事でより効果的なフィードバックが期待されます。
特に、レクリレーションや社員研修・社員教育などの際にチーム内で多くの情報を共有する事で互いの個性・能力に対する理解が深まる事が期待できますし、コーチングやマネジメントを行う際の参考にもなるため人材育成の一環として一部の企業では取り入れているようです。
定期的にコミュニケーションが促進されるような環境にいると、次第に打ち解けていき信頼関係が強固になるため、最初は「恥ずかしい」と思っていたような事でも実際には反応が異なり共感や同情されるという事もあります。
チーム内の雰囲気が良ければ弱さをさらけ出せるような環境となる事もあると思いますし、このような環境ならばチームワークも十分で生産的な状態であると考えられます。
また、学校や会社などの頻繁に接触する機会がある関係では単純接触効果(ザイオンス効果/ザイアンスの法則)を意識する事も重要で、毎回基本的な挨拶をするだけでも好感度の向上には役立つと考えられていますし、
現在はコミュニケーション心理学や健康心理学、能力開発などの分野でよく使われています。
一部の学校では授業にジョハリの窓の学習を取り入れているところもあるようです。
これは、心理学が社会で役に立つと認識されはじめた兆候かもしれません。
備考
ジョハリの窓はアメリカの心理学者ジョセフ・ルフトとハリ・インガムが発表したため、ジョハリの窓といわれています。