類似性の法則とは
概要
類似性の法則は共通点が多い人に好感を抱く心理です。
「類は友を呼ぶ」というように共通点が多い人は自然と集まりやすい傾向があります。
これは共通点が多い人に親近感を抱きやすいためで、共通点が多ければ多いほど好感度は上がりやすい傾向があります。
基本的に人は肯定されると安心しますし、反対に否定されると警戒してしまいます。
その点、同じ共通点が多ければ共感してもらえる事も多く、趣味や好みを否定される事も少ないため自己肯定感があがりやすい傾向があります。
特に学校や会社などの組織で活動する際には、その組織の中でも仲が良い集団ができる傾向があると思います。
その仲良しグループの多くは基本的にこの類似性の法則の影響を受けている事が多いです。
また、似た者同士の場合はお互いの考え方も似ている傾向があるため、お互いを知るのにかかる時間も短くなりやすい傾向があり熟知性の原則も働くため仲良くなりやすいです。
しかし、どの集団とも仲良く接する事ができるスーパーコネクターという例外的な存在もいます。
スーパーコネクターはとても極稀な存在で、広く強力な交友関係を持っていますし、人と人を結びつける能力が非常に高く周囲から信頼されています。
類似性の法則の具体例
類似性の法則が作用するような状態を想定するために、読書が好きなAさんとBさんが初めて会う時の会話を想定します。
- A「はじめまして、Aです、趣味は読書です。」
- B「はじめまして、Bです、私も読書が好きです。」
- A「〇〇を今読んでるのですが、Bさんはどういう本が好きですか?」
- B「私も〇〇読んでます。作者の△△さんの作品は好きで、前の作品も読みました」
- A「私も~」
と共通の話題があると自然と話も盛り上がります。
今度は読書が好きなAさんとカラオケが好きなCさんが初めて会う時の会話を想定します。
- A「はじめまして、Aです、趣味は読書です。」
- C「はじめまして、Cです、趣味はカラオケです。」
- A「カラオケ楽しいですか?」
- C「楽しいです。」
- A「今度連れて行ってください。」
- C「いいですよ」
- A「お誘いお待ちしてますね。」
このように、会話はあまり盛り上がらないでしょうし、おそらくCさんはAさんをカラオケに誘わないでしょうし、誘われてもAさんは断る可能性が高いと思います。
まとめ
類似点が多いと自然と会話も弾み、自己開示も進んでいくため好感度が増加していきます。
これはジョハリの窓でも知られている現象です。
また、類似点が多いと他者の肯定感をあげる事にも一役買うため相手はポジティブな印象を受ける傾向があります。
しかし、全てに同意するような会話内容は不信感を抱く可能性が高い(ロサダ比ではポジティブだけではなくネガティブな感情もなければ親密な関係を保つことは難しいと考えられています)ため、合わせるだけではなく自分の主張を伝える事も大切です。
このように類似性の法則では共通点が多い人は仲良くなりやすいという法則ですが、該当しない夫婦や友人もいると思います。
このような場合は相補性の法則(自分とは異なった性格や行動に惹かれる心理)が作用していると考えられます。
相補性の法則が働いている場合は初対面で仲良くすることは難しいです。
※具体例で挙げた読書好きな人とカラオケが好きな人のようなイメージです。
しかし、ここでお互いがお互いに歩み寄る事ができると今までと違う世界が開けるため、新しい刺激をもたらしてくれる関係はお互いに大きな魅力として伝わります。