注意欠損・多動性障害(ADHD)は注意散漫な状態が続く症状です。
ADHDは先天的・後天的に発症する症状で、注意散漫が原因で過活動・衝動性・不注意などがみられる症状でが、幼少期にADHDと通常の行動の差を明確にすることが難しいため、周囲が発見できない事もあります。
幼少期の発症率は女子の方が高く、不注意の症状が多いと報告されています。
一方男子は多動性の症状が多いと報告されています。
成長と共に症状がなくなる方もいますが、大人になっても症状がなくならない方は、順序立てて行動する事が苦手だったり、ケアレスミスが多いなどが見られ生涯に渡り苦労する方もいます。
昔は子供だけが発症すると思われ、大人になる事で改善されると考えられていました。
他の要因(他の精神障害や薬物など)でも同じような症状がみられることがあるため、問診等での誤診も報告されています。
また、小児と成人では異なる経緯を持つとされ、解明されていない要素を含むため判断が難しい症状です。
判断基準
- 学習に影響がある場合
- 対人関係が困難
- 6歳以上から発症し半年以上継続している
- 長期間の観測においてもその症状が継続している(幼少期から)
- 不注意が多い
- 過活動・衝動性がみられる
- 感情で行動するため計画通りに動けない
- 言動にまとまりがない
- 脳の部分的(右前頭前皮質、大脳基底核など)異常
- 他の精神疾患に該当しない
具体例
不注意
- 気が散りやすい
- 集中して取り組む事が難しい
- 簡単なミスが多い
- 物を良く無くす
過活動・衝動性
- 座っている事が難しい
- 黙っている事が難しい
- 待つことが難しい
まとめ
ADHDは一般的に起こりうる問題が症状と一致するため、見極める事が難しいです。
本人や周囲の人が違和感を抱いている事もありますが、それを確定するだけの要因をつかめない状態も多いです。
そのため、本人や周囲の人がADHDに対する知識が無い環境では感情的な問題と考えられてしまい、自己嫌悪に陥ってしまう方も少なくはありません。
また、自閉症スペクトラム障害と混同される事が多い症状でもあります。
このように周囲から理解を得る事が難しい症状ですが、子供は20人に1人、大人では40人に1人の割合で発症すると考えられています。
原因がストレスではなく、幼少期から継続して症状がみられる方は専門医へ一度受診をしていただき、治療を行う事で症状が緩和されたり不安から抜け出せる方もいます。
対人関係で悩みを抱えている方でも周囲から認知される事で対人関係が緩和されれる事もあります。
備考
注意欠損・多動性障害は注意欠損障害や、多動性障害、多動症などとも呼ばれます。