日本では家庭内暴力(DV:Dmestic Violence)は親しい人(配偶者や祖父母、実の子供や恋人など)からの暴力だと認識されています。
暴力の種類は多岐にわたり、心身に有害な影響を及ぼす言動は暴力だと考えられています。
暴力を受けた被害者は過度なストレスによって、肉体・精神的に悪影響を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や鬱病(うつびょう)となる事も珍しくはありません。
また、最悪の場合は生死に関わる重大な事件となります。
このような重大な事件となるのは、家庭内の限られた空間で起こる限定的な暴力である事が多いため、周囲の人が気づかない事も多いためです。
また、止める人がいない事で、長期間継続的に行われる事も多く、毎日積み重なるそれらのストレスは徐々に心身を蝕んでいきます。
近年のDV事情
DVの相談件数(被害者からの通報)は20~40代が多く、30~40代の人が加害者になる事が多いです。
基本的には男性(夫)から女性(嫁)に対する暴力の相談件数が多いです。
残念なことに、相談件数は徐々に増加している傾向にあります。
また、男性が女性に対する暴力よりも件数は少ないですが、女性が男性に対する暴力は大幅に増加している傾向にあります。
また、女性から受ける暴力の被害者は男性に限らず老人や児童も増加傾向にあります。
男性の被害者は女性から暴力を振るわれていても恥ずかしくて相談できない人が多いようなので、潜在的な被害者数の把握が難しいです。
しかし、潜在的な被害者の数の確認が難しいのは男性に限った話ではなく、女性の潜在的な被害者数の把握も難しいため、実際の被害者は男女共に把握が困難だと考えられています。
DVの具体例
DVとして扱われる暴力には様々な種類があります。
- 身体的暴力
殴る・蹴る・首を絞める・物を投げる・凶器で傷つけるetc - 精神的暴力
怒鳴る・侮辱する・行動を制限する・恥をかかせるetc - 性的暴力
無理やり性的行為をする・避妊しないetc - 経済的暴力
生活費を渡さない・借金をさせる・お金を返さないetc
このようにDVには多くの種類がありますが、家庭内で行われる事が多いため周囲から発見される事は少ないです。
まとめ
日本では人権(全ての国民が生命と自由を確保され、幸福を追求する権利)が保証され、人間らしく生きる事を生まれた時から保証されています。
そのため、人権は誰にとっても大切な権利で人々に平等に与えられています。
しかし、現実には暴力によって命の危険がある事件や事故の被害者となる事があります。
これは重大な人権侵害ですが、その救済が十分に行えていないのが現状です。
DV被害のアンケートでは「DVを受けた事がある女性は37.2%、男性は21.7%、全体で29.7%」というデータもあります。
つまり、約3割(10人中3人)はDVの被害者となった経験があるという事です。
また、DVの相談件数は男女で3倍も違いがあり、女性の相談者が圧倒的に多い反面、実際のアンケートの比率とは解離しているため、潜在的なDV被害者の数はとても多いと考えられています。
備考
家庭内暴力はドメスティックバイオレンス(Dmestic Violence)やその頭文字をとってDVとも呼ばれます。
配偶者からの暴力を防止する「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」も定められています。