スポットライト効果とは
概要
スッポットライト効果は「他社から過剰に注目を集めている」と錯覚してしまう心理現象です。
これは実際のステージなどはプレゼンやスピーチをする人にスポットライトが当たり、会場中の大勢の観客からの視線が集まる状況を想像してもらえればイメージを掴みやすいと思います。
基本的にスポットライトが当たると周囲にいる多くの人から注目されますし、その内容についての成否・説明の過不足・言い間違えなどの重要な要素だけではなく付随する表情・身振り手振りなどの一挙手一投足まで見られる事になります。
このように注目されている状況では身だしなみ(ジャケットなどの目につきやすい物からネクタイピン・腕時計・靴などの端々まで確認する人もいます)や癖などの些細な事まで注目している人も案外多いものです。
しかし、スポットライト効果は実際には注目されていない状況で明かりに照らされていないのにも関わらず「過度に注目されているような視線を感じてしまう」ため「実際に周囲の人が注目している度合い」と「自分が注目されていると感じてる度合」に大きな差がある事で認識に差が発生します。
スポットライト効果の不思議
スポットライト効果を簡単に説明すると、周囲から過剰に意識されていると考えてしまうことで周囲との認識の差が大きくなる現象です。
そのため、スポットライト効果は集団の中で比較的起こりやすい傾向があります。
人は基本的に主観が先行しやすい傾向があるので多くの人は自意識過剰気味になる傾向があります。
特に、見た目に対しては過度に気にする人も多くいて「目立つ服装(派手過ぎる・場にそぐわない・着方や合わせ方がおかしいなど)をしているのではないか?」や、反対に「地味すぎる(装飾品が少ない・周囲の人はブランド品を身に着けている状況など)のではないか?」と見えてしまうと余計に気になってしまう事も多いです。
中でも変える事が難しい「顔のコンプレックス」や体系的な悩みの「太っている」「痩せている」などの要素を感じて日々の生活が憂鬱に感じてしまう程意識してしまう人もいます。
※近年はLGBTのような性別に関係する悩みも増加傾向のようです。
その一方で、言動に対するリアクションなどの反応は「正確に認識が共有されているのか」を実際に確認する事が難しいため「変な事を言ってしまって噂になっていないか」「無意識のうちに変な行動をしているのではないか」「悪口(陰口)を言われ裏で嘲笑われていないか」などの不安を持つ人も多く、このような思考が深くなっていくと自分で自分を追い込んでしまう人もいます。
自分の言動のちょっとした些細なことでもそれが他者に大きな影響を与えていると捉えてしまう心理傾向は実際に多くの人があると考えられていて透明性の錯覚(他者の認識以上の認識をされていると錯覚する)という心理の影響が大きな原因となっています。
しかし、実際には他人は自分が思う以上に他者に注目していませんが、全く注目していないというほど他者に関心がないわけでもありません。
そのため、誰も見ていないと思って悪い事をしていると案外見られていて後々に巡り巡って罰が下る事も多いです。
スポットライト効果の具体例
スポットライト効果は周囲の認識よりも自分は目立っていると過剰に考えてしまう事で起こります。
そのため、多くの人が経験した事があるであろう事象として衣服が正しく着用されていない(裏表が逆など)経験で具体例を考えてみたいと思います。
服を裏返しに着て出かけたとしても周囲の人でそれに気がつく人はほとんどいないと思います。
※裏表がよほどわかりやすい服でない限り意外と周囲からは認識されないものです。
これは逆の立場で考えていただければわかりやすいと思います。
例えば、今朝一番最初に挨拶した人の服装を正確に思い出せるでしょうか?
多くの人はぼんやりとしか思い出せないと思います。
髪型を変えると、気づいてくれる人はがどのくらいいるでしょうか?
数十センチもばっさりと切ると気づいてくれる人は比較的多いと思いますが、数センチカットしたくらいでは意外と気づかない人の方が多いです。
スポットライト効果の影響を抑える対策は基本的には相手の立場になって考える事です。
まとめ
スポットライト効果は他者から過剰に認識されているという錯覚ですが、基本的には他者が自分へ持つ関心は想像以上に少ない傾向があります。
※洞察力に優れていて他人よりも多くの情報をくみ取れるHSP(エイチエスピー/ハイリー・センシティブ・パーソン)のような人はとても少ないです。
特に自己中心性が高いナルシスト(自己愛性パーソナリティ障害)のような人ほど「他者から注目されている」と過剰に認識していますが、それに反比例して他者への関心は少ない傾向があります。
このため、自己中心性が高く承認欲求が強い人ほどスポットライト効果を受けやすい傾向があることから自己中心性バイアスとも言われています。
※自己意識は自己認識スケールという測定によって測定する事もできます。
反対に、自己中心性が低い人は周囲に流されやすく他者への関心が強いため他者の事を深く考える傾向があります。
そのため、他者との交流では疲れやすい傾向があるので鬱病(うつびょう)などの精神的な症状も出やすいので注意が必要です。