ストックスピール | あむぶろ 学校では教えてくれない大切なこと

心理学

ストックスピール

投稿日:2020年11月15日 更新日:

ストックスピールとは

概要

ストックスピールは「誰にでも該当する内容の言葉」ですが「あなたは~」のように特定の人物に向けて発信する事で受け手側は「私の気持ちをわかってくれている」「事実を言い当てられた」というポジティブな印象を抱きやすいです。

このような「自分に都合の良い情報を信じる心理」はバーナム効果(フォアラー効果)として知られていて、この心理を巧みに使うための言葉や文章がストックスピールです。

一番簡単なのは「〇さんは疲れていますね」のような言葉で、仮に「そんなことない」という趣旨の否定的な感想を言われたとしても「気が付いてないだけで疲れが見える」という趣旨の内容を伝える事で相手は必死になって「なぜ疲れているのか?」という原因を必死に探して自ら「〇の影響かな?」などと思わず口走ってしまう傾向が強いですし、仮に口にしなくても心配してくれている人に対してネガティブな感情を抱く人は少ないです。

他にも

  • 「あなたはとても優しいですね」
  • 「あなたはとても親切ですね」

このような事実(実際の出来事や具体的な数字など)には触れずに賞賛のようなポジティブな感想(褒めるのは特に有効だと思います)を伝える事で誰にでもある善意の気持ちを刺激するためその真偽に関わらず多くの人は友好的な対応を返す傾向があります。

しかし、小手先のテクニックだけでは相手に「会話が不自然」「変な人」という印象を与えてしまいかえって信頼を失ってしまうため、対象の表情や言動などの反応を確認しながら臨機応変に質問や回答をする必要があるため初心者がいきなり上手に使おうとしても失敗しやすく難しいです。

また、本当に相手の事を分析する能力に長けている人が使う場合は「内心を見透かされているかもしれない」という疑念を与えてしまう事もあり、このような場合は反対に警戒心を強く刺激してネガティブな印象を与えてしまう事があるので状況に応じて慎重に会話を展開する必要があります。

そのため、何度も会話をして対応できる語句やパターンを増やしていく必要があります。
※感じた内容を素直にそのまま伝えるのではなく言い回しに気を付けていくイメージが良いと思います。

具体例

ストックスピールはその後の話の展開を広げられる言葉が使いやすくお勧めですが、友人関係などでは相手の事を過度に分析に成功してしまうと「心を読まれている」という錯覚が起きてしまい交友関係が破綻してしまう事もあるため注意が必要です。
※全てを見抜かれてしまうと感じると恐怖を感じてしまう人が多いです。

例えば先ほども少し触れた

  • 「少し疲れていませんか?〇〇さんはいつも頑張っているから心配です。」

このように具体性が全くないのに理解度が高いと錯覚するような言葉はオススメです

基本的に多くの人はなにかしら頑張っていますし多少なりとも疲れているためこのように「心配してくれる人の言葉」を完全否定する人は少ないと思いますし、否定されなければ流れに合わせて話を膨らませていけます。

仮に否定された場合でも「気のせいなら良いのですが・・・無理しないでくださいね。」のように「気遣いをしている」という事を相手にしっかりと伝えれば変に思われる事も少ないです。
※人は誰しも「良い評価をされたい」「認められたい」という承認欲求をもっているため「気にかけてくれる人がいる」という事実だけでも嬉しいと感じ信頼を寄せやすい傾向があります。

ここで重要な要点は漫然とした抽象的な言葉を用いて不明瞭で根拠がなくても不自然とならない文章を考える事です。
※具体的な数字や真実などの変えられない断定的な内容を断言してしまう事は避けるのがオススメです。

具体的な内容を織り込んでしまうとこちらの問いかけに対して「証拠」などを求められてしまう事もあるため展開が難しくなってしいます。
※特に否定された場合は会話を進める難易度が上がってしまいますし、苦手な分野に会話が向かってしまうと知識が追い付かずに非現実的な数字を出して墓穴を掘る事もあります。

理想的な会話の内容は、肯定されても否定されても相手が不快にならないような「自分の感想」のような抽象的な言葉を選択する事ができれば最適です。

「血液型占い」で記載されている内容でよく目にする「A型は細かい」「B型は自分勝手」「AB型は気まぐれ」「O型は雑」のような要素も少なからず「誰にでもそのような側面はあるもの」のため血液型を問わずに誰に対しても心当たりを感じる内容になっています。

他にも「星座占い」「タロット占い」「数字占い」などの対面で行わない占いについては実際には大多数の人に該当する事を抽出しているだけである傾向があります。

例えば

  • 「内向的ですが外交的な面もあるので~」「用心深いですが時には大胆に~」
    普段は胸の内にしまっている事は誰にでもあります。
  • 「才能があるので~」「見ている人がいるので~」
    継続する事で成果がでの事は誰しも望んでいます。
  • 「やり残している事を~」「途中になっている~」
    誰でも中途半端になっているものはあります。
  • 「人間関係の悩みには~」「お金の悩みには~」
    基本的に人間関係やお金関係での悩みがない人はいません。
  • 「良い出会いが~」「なくしたものが~」
    注意を促された状態になる事で無意識に探す心理が働きます。

反対に、対面で行っている場合は「相手からの返答」があるため先を想定して親密度があがるような内容を逆算して文章を構成する事がポイントです。

その際には「~ない~ないですか?」というような二重否定疑問文になる文章は「否定を二回続けたからと言って否定、もしくは肯定と断言できるものだけではないため受け手が正しい意味を受け取る事が困難であるため活用しやすいです。

具体的には

  • 「〇さんは健康ではないことはないですか?」の場合は受け取る人によって意味が異なります。
    • 「健康ではない、ことはないですか?」の場合は区切られた後は確認の意味があります。
    • 「健康ではないことはない、ですか?」の場合は区切られた後は否定の意味があります。

基本的に人は自分の都合の良いように話の内容を誤認する傾向が強いため、2つの意味を含む言葉の場合は都合の良い方や日常的に考えている方向に思考が偏る傾向が強いので健康な人の場合は「健康です」と返したり不健康の人の場合は「最近調子が悪くて」と自ら会話を進めてくれる傾向があります。

まとめ

ストックスピールは抽象的で実態のないような言葉ですが、言われた人は詳しい詳細まで理解されているような感覚を持ってしまう傾向があります。

そのため、会話の切っ掛けとして話を円滑に進めて情報を読み取るための手法の一つで「他者からの信頼」を得るのに効果的な方法です。

特に、事前情報がなくても成立するため使いやすい会話の定型文をいくつかキープしておき会話の中でそれらを巧みに用いながら臨機応変に会話を展開していく事で初対面の人との親密度をあげやすくなります。

特に「商品の営業を担当している人」は「顧客との信頼関係を形成したい」という状況が非常に多いためこの技術が役立つ機会も多いと思います。

また、人間関係を円滑にしたいのはビジネスシーンだけではなく「日常的に接する人」との関係性を良くするのにも一役買ってくれますし、上手にできれば「好きな人に振り向いて欲しい」という恋愛の場面でも活躍するかもしれません。

他にも「占い師」「詐欺師」などをしている人も実際に使っている手法ですが、話術のプロとなるとこのプロセスだけでは不十分となります。

読み取った情報を活かしてさらに親密度をあげて足掛かりとする事でコミュニケーションがさらに円滑に行えるようにしてより深い情報をインプット・アウトプットを繰り返していきます。

そのため、常套句をいくつも確保しバリエーションを増やして会話に上手く織り込んで話を誘導して流れをコントロールしながら表情やしぐさなどの端々の情報も漏らさず観察しながら最適なリアクションを返す技術も用いられています。
※相手に認識されないように情報を収集していくコールド・リーディングなどの手法の中で「サトルクエスチョン」や「サトルネガティブ」のようなテクニックを駆使する事で効果的で実践的な文章を作りやすくなります。

ここまでの話だとメリットしかないように感じると思いますが多様な使い過ぎは厳禁です。

人は新奇恐怖症(ネオフォビア)という未知のものに対して恐怖を感じてしまう傾向があるため、一般的な交友関係ではあまりにも相手の事をわかりすぎてしまう人に対しては恐怖を感じてしまいます。
※全てを見透かされていると感じるような人と仲良くしたいと思える人は少ないです。

ある程度は理解できない要素がなければ人間味が薄くなってしまうため交友関係において「知らない」という条件も好感度を上げる要素の一つとなっているので、営業の担当者・占い師・詐欺師などの極一部に該当しない多くの人はバランスを考えて使う事が望ましいです。
※占い師や詐欺師などは嘘や錯覚も使うため、マジシャンのように視覚的にだます技術を用いる人もいます。

反対に「すぐに人を信用してしまう人」は騙されたり裏切られないように警戒心を持つ事が必要です。

付き合いが短いのに「過度に褒められる」「なんでも話せる」というような人が身近にいる場合には注意が必要かもしれません。

本当に優しい人はあなたを肯定するだけではなく、時にはあなたを否定して敵になってくれる人です。

間違いを犯さない人はいませんが、それを正してくれる人が周りにいるかどうかの違いはとても大きく「イエスマン」ばかりで固めている人の多くは成長が止まってしまいます。

相手が「誰の事を思って言っているのか」をしっかりと見抜けるように心がける必要があります。

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