グレートフィルター(The Great Filter)とは
概要
グレートフィルターは生命が次の段階に発展するための大きな障害となる特異点のようなものです。
宇宙は広大であるため人類のような文明をもつ知的生命体が私たちの他にいなくてはおかしい(フェルミのパラドックス)ですが現状は地球外に生息している知的生命体との遭遇を果たせていません。
この要因として考えられているのがグレートフィルターで、生命が発展するために必要であるにも関わらず超えられない大きな壁が存在するという考えです。
そこで生まれる疑問は私たちがこの壁を越えているかいないかです。
グレートフィルターの認識
グレートフィルターを超えている場合
私たちがグレートフィルターを超えている場合は、私たの技術や文明が宇宙規模でも先進的な文明であるため、私たちは宇宙全体でも進化が進んだ生命体である可能性が高くなります。
そのため、私たちの考える地球外生命体はいない可能性が高くなります。
グレートフィルターを超えていない場合
私たちがグレートフィルターを超えられていない場合ははこの先にその大きな障害がある事を意味します。
超えられない壁は特異点のようなものであると考えられているのが主流です。
つまり、私たちがこれから先に技術的特異点(現在は人工知能(AI)技術が技術的特異点(シンギュラリティ)になる可能性が高いと考えられています)や社会的特異点などの影響によって、滅んでしまう可能性があります。
進化の過程
私たちが現在存在しているのは進化をしてきたためです。
そして、この進化の過程には大きな壁がありました。
大きな変化 | 概要 |
---|---|
生命の発生 | 生命が発生するという根源的な変化 |
生命の発達 | 単細胞生物が多細胞生物へと変化(細胞の複雑化) |
知的生命体の発展 | 感情や理性を備える高度な生命 |
文明の発展 | 物質(道具やエネルギー)を制御する技術の発展 |
このような過程を進み私たちは存在しているため、このいずれかがグレートフィルターであった可能性は否定できません。
しかし、私たちがグレートフィルターを超えていない場合は、これから先にグレートフィルターがあります。
文明のレベル
カルダシェフによって分類された文明の定義があり、その中では私たちはタイプ2に満たない文明であると考えられています。
タイプ1
惑星(地球)で利用可能なエネルギーを制御できる技術であり、1964年に達しているエネルギーの水準だと考えらています。
しかし、私たちは地球上のエネルギーのほんの一部を利用する事に成功しただけの未熟な文明です。
タイプ2
恒星(太陽)から放出されるエネルギーを制御できる技術であり、私たちはこのレベルに達していません。
具体的にはダイソン球(太陽を包み込みエネルギーを全て制御する人工建築物)を建設できるレベルだと考えられています。
タイプ3
銀河系のエネルギーを制御できる技術であり、具体的な構想すら不明瞭で未知の要素が多い分類です。
まとめ
私たちがどのレベルの生命体で、そのレベルの生命体がどれほどいるのかはわかりません。
しかし、グレートフィルターを私たちが超えている場合、グレートフィルタを超えられる生命体は限られてるため、宇宙に存在する知的生命体の中で上位の存在となっている可能性は高いです。
しかし、私たちがグレートフィルターを超えていない場合は、これから先にグレートフィルターが存在ます。
既に私たちは地球表面の生命体の大半を滅ぼすだけの技術力があります。
そしてこの大きな力は今後も大きくなっていき、その大きくなった力を私たちが制御し続ける事ができるのでしょうか?
また、制御に失敗して滅ぶ可能性だけではなく、争いによって滅ぶ可能性も捨てきれません。
度々見つかるオーパーツは現在の技術を凌駕するオーバーテクノロジーをもった文明が滅んだ後の断片の可能性もあり、歴史を繰り返してしまうのかもせません。
そして、それらが意味するのは多くの生命体が存在したが、グレートフィルターによって滅びた可能性です。
私たちも自己破壊によって滅亡のシナリオをたどる可能性もあります。
私たちが発展した地球の環境ですが、私たちの力によって生命が存在する事のできない環境にしてしまう可能性もあります。