クロヨンは(9・6・4)は課税所得に対する不公平を意味する言葉です。
クロヨンは税務署で把握している課税対象の所得の割合を示し、
- 給与所得者 9割
- 自営業者 6割
- 農林水産業 4割
上記のように言われ、この割合からクロヨン(9・6・4)と略されて呼称されています。
このように揶揄される要因として「税務署が取りやすいところから取っている」という世間一般の印象が強い事が背景にあります。
しかし、クロヨンの割合に該当しないとする意見には「不平等である」という認識がさらに強いトーゴーサンピン(10,5,3,1)と呼称されるものがあります。
- 給与所得者 10割
- 自営業者 5割
- 農林水産業 3割
- 政治家 1割
上記の内訳の比率であると考えられています。
基本的に給与所得者は勤め先の会社が源泉徴収などの各種申請を行っているため国で把握できない所得は少ないです。
つまり、収益額(収支の計算)を個人で操作する事はできません。
例えば
会社員は自分の給料から生活費を捻出し可処分所得となりますが、生活費の一部が経費に混在している事も多いです。
自営業の方は公私の境界が曖昧なため、税務署が把握できる割合が減少します。
日本では貧富の差を減らすために累進課税制度が導入されているため、収入が多くなれば納税額も上昇していきます。
そのため、売上から経費を控除し、額面上の収入を減らすことなどができるのは勤め人よりも有利であると考えられています。
さらに、農林水産業は自然を相手にするため、税務署が把握する事はさらに困難(実際原価が不明瞭になりやすいです)になり脱税が起きやすくなると考えられています。
しかし、公平になる様に社会保険や給与所得控除などの制度が導入されているため、このような大きな問題は起きないというのが国の指針です。
具体例
自営業者の場合
事務所と住宅を共同使用している場合はその割合を税務署が正確に把握する事が不可能に近いです。
また交際費の線引きも個人か仕事かの判断が難しいです。
常軌に限らず不明瞭な面が多いため、給料所得者と比べて経費で落とせる範囲が増加しやすいです。
農林水産業の場合
農林水産業の場合は原価(収穫したもの)を正確に税務署が把握する事は困難です。
そのため所得が適正かの判断が難しいです。
また領収書を切らない小口の取引などが増加する事で不明瞭な点が増加しやすいです。(例 お米を近所の人に売却する際など)
まとめ
税務調査が実施される件数は全国で年間約10万件です。
7年以内に調べる事の出来る件数は約70万件に対し、年間約165万件超(納税額が0円の申告者や還付申請をしている事業所得者を除く)の申請があるため、脱税を見逃してしまう可能性は非常に高いです。
そのため、大口の確定申告者の脱税には力を入れており、疑いがある者は5年に1度の実施調査を行っています。
また、脱税や不公平が起こらないように税務署の「調査能力の向上」「不正行為に対する罰則の強化」などを進めています。
しかし、不公平が起きないように改善しようとしても障害が多く
①脱税を見逃さないように人員を増やしたい
②税収が少なくて人員が増やせない。
③人員が増やせないから脱税が増える。
④脱税が多いから税収が減る。
このような悪循環なっている可能性は否定できません。