被虐待症候群(ひぎゃくたいしょうこうぐん)は虐待の被害者が虐待を受け入れてしまう状態です。
虐待は身体に限らず、精神的・性的虐待なども含まれ、日常的に行われている虐待が発見されないように隠す事が多いです。
被虐待症候群は、虐待被害者の症状の代表的なものとされ、虐待が日常的に継続して行われている場合、被害者が虐待を受け入れてしまいます。
被害者が虐待に抵抗しても状況が改善しない事を認識してしまうため、被害者の心理には「抵抗しても無駄」「抵抗する事で状況が悪化する」などという心理(学習無力感)が芽生える事で起こりやすいです。
最初は軽度の虐待から始まる事が多く、徐々に虐待はエスカレート・常習化していき、環境が悪化していくため茹でガエル現象の様に気づいたときには手遅れという事もあります。
日常的に継続して行われるため、多くは家庭内の被害者が多く、虐待される環境から抜け出した後も心理的ストレスが長期間継続してしまう事から、心的外傷後ストレス障害の一種とする考えもあります。
まとめ
肉体的な力が劣る女性や児童をはじめ、高齢者も虐待の被害者となる事が増加しています。
しかし、その一方で女性が加害者となる事も増加しています。
特に、幼少期のうちは被害者が自身で虐待の被害者と判断する事は困難です。
これは自分の置かれている立場が通常の環境なのかを判断する経験や知識が乏しいためです。
虐待被害者はその後の人格形成や人間関係で大きな支障がでる事が多く、被虐待の環境が常態化して育った方が親になった時に、子供に対しても自身が受けた虐待を行ってしまう傾向が強いです。
しかし、本人は虐待を虐待と思わずに育っている可能性もあり、閉鎖された家庭環境ではその虐待に気付く人も少ないです。
虐待をされている人を目にしたら救いの手を差し伸べてください。
備考
被害者によって呼び方が異なる事があります。
- 虐待被害者が女性の場合の主な名称
被虐待女性症候群(バタードウーマン)
被虐待妻症候群(バタードワイフ) - 虐待被害者が児童の場合の主な名称
被虐待児症候群(バタードチャイルド)
被殴打児症候群