統制の所在(帰属意識の在処/ローカスオブコントロール/LOC) | あむぶろ 学校では教えてくれない大切なこと

心理学

統制の所在(帰属意識の在処/ローカスオブコントロール/LOC)

投稿日:2020年1月2日 更新日:

統制の所在(帰属意識の在処/ローカスオブコントロール/LOC)について

概要

統制の所在は責任の所在をどこに向けるかについて考えられた心理学です。
※統制の所在は「帰属意識の在処」「ローカスオブコントロール」や略されて「LOC」などとも呼ばれます。

基本的には言動に対して評価(良い・悪いの評価など)を受けた際に、その評価の責任の所在が内側に向くのか外側に向くのかを分析する考え方です。

責任の所在が外側に向く人は問題が起きた時に「周囲の人に原因がある」と責任転嫁するため成長にはつながりませんが精神的には安定しやすい傾向があります。
そのため、能力が高い人の多くは責任を自分にあると考えて成長してきた人である傾向が強く自立している傾向があります。

しかし、自分に原因があると強く思い込んでしまうと個人の影響力ではどうにもならない事でも努力して改善しようとして自分を追い込んでしまう危険な人もいるため、偏り過ぎた考えを持つのではなくバランスが大切です。

責任の所在の分類

基本的に責任の所在は「自分の責任」と「他人の責任」の二種類に分類されます。

自分に責任があると考えるタイプは自己解決型や内的統制型といわれます。

このタイプは基本的に結果は自らの意志で変える事ができると考えるタイプです。
そのため、結果が良ければ自分の努力を認め悪ければ努力が足りないと改善していく姿勢が強いです。

責任の所在が内側(自分の責任)にあると考えるタイプ

特徴

  • 問題が起こると柔軟に対応します。
  • 成功しないのは自分に原因があると考えます。
  • 自分が努力すれば解決すると考えます。
  • 他者と比べる事は少ないです。
  • 他者への長所や成功を認めやすい傾向があります。
  • 学習能力が高いです。
  • ストレス耐性が高いです。

このような人は能力が高い傾向がある反面、自分の能力は普通だと考えている傾向があるので「自分にできる事はみんなできてあたりまえ」だと認識している傾向が強いです。

責任の所在が外側にあると考えるタイプ

他人に責任があると考えるタイプは他者依存型や外部統制型といわれます。
結果は他者の影響によって決まると考えるタイプです。
そのため、結果が良ければ運が良かっただけ、結果が悪かったら環境が悪かっただけと良くも悪くも周りの影響となります。

特徴

  • 問題が起きると解決や指示を待ちます。
  • 成功しないのは環境のせいだと考えます。
  • 自分が努力しても変わらないと考えます。

責任の所在を他者に求める人は基本的に他力本願なので成長しない傾向があり、うまくいかない不満を漏らしても自ら改善しようとはしません。

このように、責任の所在は大きく2つに分類されますが、良い事と悪い事ではそれぞれリアクションが異なりやすい傾向があるため4つに分類して考えるとより具体的な内容になります。

責任の所在を4つに分類した内容について

基本的に責任の所在は大きく分類すると「自分に向く」「他人に向く」のどちらかですが「良い評価」と「悪い評価」によってこの評価方法が異なる人も多いです。

そのため、責任の所在は

  • 「良いことは自分の責任」・「悪いことも自分の責任
  • 「良いことは他人の責任」・「悪いことは自分の責任
  • 「良いことは他人の責任」・「悪いことも他人の責任」
  • 「良いことは自分の責任」・「悪いことは他人の責任」

上記の4つに分類されます。

それぞれに特徴がりますが、基本的に良くない事が起きたら他人のせいにする人は成長できずに他者から嫌われてしまう傾向あるので注意が必要です。

「良いことは自分の責任」・「悪いことも自分の責任」

  • 良くも悪くも自分で責任を取ります。
  • 一匹狼タイプです。
  • 能力が高い人が多いです。

「良いことは他人の責任」・「悪いことは自分の責任」

  • 成功したら周りのおかげ、失敗したら自分の不手際というタイプです。
  • ストレスを抱えやすいです。
  • 自身の能力を過小評価してしまう傾向が強いです。
  • 周囲の人から好かれます。

「良いことは他人の責任」・「悪いことも他人の責任」

  • 良くも悪くも他人のせいです。
  • 自分に能力が無いのも他人のせいです。
  • 良い事があっても周りの人のおかげです。
  • 悪い事があっても周りの人のせいです。

「良いことは自分の責任」・「悪いことは他人の責任」

  • 成功したら自分の手柄、失敗したら周囲のせいにするタイプです。
  • 自身の能力を過大評価するタイプです。
  • 周囲の人からは嫌われます。

まとめ

基本的には言動に責任が伴います。

そのため、自立できていない子供がなにかしらの問題を起こした時は多くの場合は保護者(多くは親)が責任を取る事になります。

しかし、大人が責任を取れない事もあります。

子供に責任を取らせる際には大人と同様の責任を取らせる事は流石に厳しい処分だと考えられるため、少年法のように大人と同様の罰則ではなく罪を軽くする措置が取られています。
※少年法を理解できる子供が悪用しているという世間の声が強くなってきているため、徐々に改正に向かっている傾向にあります。

このように、問題が起きたらその責任を誰かが取る必要がありますが、責任を取りたくないと考える人も珍しくはありません。

そして、責任から逃れようと必死になっている人は成長する機会が少ないため同じような誤ちを何度も繰り返してしまいます。

はじめは小さな犯罪だったのに捕まらない事に味をしめてしまい、次第に大きな犯罪を行うようになる人もいます。

最悪の場合は、逃避し続けた責任が積み重なって重くのしかかり、修正の利かない段階まで発展してしまう事もあります。

自分の責任を認めて問題意識を持つ事は成長につながりますし、責任感があり能力の高い人には自然と人がついていくものです。

しかし、能力が高い人の中には能力の高さに無自覚な人もいます。

このような人は「自分にも他人にも甘い」という自己評価をしているのですが、他者にも同程度の成果を求める傾向があるので周囲からは「厳しい」という印象を受けてしまう事もあるため、自己評価と他者評価に乖離が発生してしまいます。

特に器用にマルチタスクをこなしてしまうゼネラリスト(ジェネラリスト)タイプの人は能力が全体的に高いため非の打ちどころがないように思えてしまう人も多いですが、このような人から同程度の能力を求められたり、適性が低くてできない事に対して「努力不足」だと言われてしまうと「ついていけない」と思ってしまう人も多いので、才能がある人がその才能に気が付く事や才能がある人にそれを気が付かせる事は重要です。

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