有効求人倍率 | あむぶろ 学校では教えてくれない大切なこと

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有効求人倍率

投稿日:2021年11月15日 更新日:

有効求人倍率とは

概要

有効求人倍率は企業が従業員を募集する指標で、従業員を確保する難易度がわかります。

有効求人倍率の倍率は就職先を探す人に対して何件の企業が従業員を募集しているのかを計算する事で有効求人倍率の倍率がわかります。

有効求人倍率は求職者の人数に対して企業の従業員の募集枠が何人分あるかなので、有効求人倍率が1倍(総合的にいは一人につき一つの求人がある比率)を下回ると就職先を探すのが難しくなります。

※学生時代に受験(高校・大学・専門学校で受験をする人が大半だとは思いますが、中には幼稚園・小学校・中学校で受験した人もいると思います)した人も多いと思いますが、その際に用いられる入試の倍率では学校の募集定員に対して受験する学生の倍率だったので倍率が上がる(1倍を超える)ほど合格率が減少します。

有効求人倍率の計算

有効求人倍率の計算式は以下の通りとなります。

※企業の求人は「有効求人数」と呼ばれ、新規に従業員を採用するために募集している数です。
※求職者は「有効求職者数」と呼ばれ、就職先を探している人数です。

具体例

企業が従業員を募集しいる人数(有効求人者数)が200人で、就職したい人(求職者)が100人いれば有効求人倍率は2倍(200/100=2)になります。
この場合は新規に従業員を募っている会社の2社に1社しか従業員を新たに雇う事ができない状況です。
そのため、有効求人倍率が上がると企業側は従業員を新規に採用する事が難しくなりますが、求職者側は新しく就職先を探すのは簡単になります。
これが俗に言う売り手市場です。

企業側は待遇を良くしないと従業員を雇用できないため、売り手市場の時の求人は条件が良くなりやすい傾向があります。

反対に従業員を募集しいる人数が100人あり、求職者が200人ならば有効求人倍率は0.5倍(100/200=0.5)になります。
この場合、企業側が従業員を新規に採用する事が比較的容易になりますが、求職者側は新しく就職先を探すのは困難になります。
これが俗に言う買い手市場です。

企業側からすると買い手市場の時には従業員の待遇を下げても従業員を確保しやすいため、買い手市場が続くと俗に言うブラック企業が増加しやすいです。

このように需給バランスは変化するため、企業側はどのタイミングで従業員を新規に雇用するのか、求職者側はどのタイミングで就職先を探すのかのの判断はとても重要です。

有効求人倍率の概要

有効求人倍率は1倍であれば求職者一人につき従業員の募集が一つあるのですが、実際には有効求人倍率が1倍でも募集要項に「〇〇の資格が必須」「〇〇の業務経験〇年以上」などの条件が付いている募集や、雇用条件に対して賃金が釣り合わずに誰も申込をしないような俗にいうブラック企業も有効求人倍率には含まれています。
※空求人(企業では採用が決まり募集が終わっていても、掲載を止める手続きをせずに継続して募集をかけている状態になっている求人)もあるので実際よりも高い値がでている可能性が高いです。

そのため、実際に有効求人倍率が1倍程度の際は適正な条件の就職先が不足してしまい仕事が見つからない求職者が多いです。

特に景気が悪くなると多くの企業の経営が悪化するため、経費を抑えるために新しく従業員を雇用する企業が減少するため、有効求人倍率が低下しやすい傾向があります。
さらに景気の悪化が深刻化すると非正規社員(アルバイト・パート・有期雇用契約・派遣労働者など)の契約が打ち切られますし、中には正社員でも解雇される可能性もでてきます。

このような段階になると次の仕事を探すための難易度も非常に高いです。

そのため、有効求人倍率は雇用動向を示す重要指数の一つで、景気の状況を示す数値(景気動向指数)の推移ほぼ一致うる傾向があります。

過去の有効求人倍率の推移をみると、景気が大きく落ち込んだリーマンショクの影響で2009年は0.47倍(2009年の8月は最低水準の悪条件で月間有効求人倍率は0.42倍でした)、バブル崩壊の影響で1999年は0.48倍と0.5倍を下回る事になりました。
※ここ数十年で0.5倍を下回った年は2009年と1999年の2年だけです。戦後最大の有効求人倍率(年間)である2018年の1.64倍(1973年11月の月間有効求人倍率は1.93倍でした)と比較すると大きな差があります。

※有効求人倍率は厚生労働省が全国のハローワーク(公共職業安定所)が集計を行っている(毎月集計結果を公表しています)ためハローワークを通さないで採用活動を行う企業や就職活動をしている新卒の学生はカウントされていません。

基本的に有効求人倍率と記載されている場合は年間や月間の有効求人倍率である事が多いですが、職種(職種別有効求人倍率)や地域によっても有効求人倍率は異なります。

職種で有効求人倍率に差がでるのは人気・不人気な職業があるためです。

また、地域によって主力の産業や人口が異なるなどの様々な要因から地域によっても有効求人倍率は変化します。

※内閣府のサイトで統計が地図上に表示されるサイトがあります。
 →RESAS-地域経済分析システム

まとめ

有効求人倍率は多くの人が耳にしたことがある言葉だと思います。

特に初めて就活を行う新卒の際に買い手市場(有効求人倍率が低かった)であった人は気になった人も多いと思います。

有効求人倍率は景気動向を示す重要な指標の一つだと考えられているため、景気が良ければ就職先を見つける事が容易な傾向がありますが、景気が悪いと就職先を見つけるのが困難になりやすい傾向があります。

有効求人倍率は日本の全体的な指標であるため、注意点として地域や職種などの詳細が不明瞭なので有効求人倍率が高い場合でも、求める地域の特定の職種の求人が多いとは限りません。

具体例

海まで遠い地域では漁業系の求人は少ないと思います。
しかし、漁港などの海に面した地域では漁業系の求人は多くなります。

また、寒冷地では雪かきなどの時期的な仕事もあります。
夏に雪かきの仕事はありません。

このように地域や職業などによって特徴があるため、全体を見るだけではなく個人の環境や適正に合った職業についても調べる事が大切です。

特に景気が悪化した時は全体的には就職が困難になりますが、それでも従業員を募集している企業はあります。

全ての人がアセットマネジメント(資産管理・運用)を考えて常に生活資金に余裕を持った状態で仕事を辞めるわけではありませんし、親リッチのように矢が金銭的に余裕がない人も多いと思います。

資本主義の社会ではお金を稼ぐ手段がない状態ではいずれ貧困(絶対的貧困と相対的貧困)になってしまい、生活が困窮して衣食住するのも難しい状態になってしまうので仕事を早く見つけなくてはいけない人もいると思います。

そういう時は地域や職種を見直して指針を変える事も必要かもしれません。
例え最低賃金でも収入が入れば良い条件の転職先を探す時間を稼ぐことはできます。

収入がない状態で消費者金融(サラ金)などで借金をしてしまうと、返す当てもないのに高い金利(利息/利子)を上乗せした分も支払う必要がありますが、金銭的な余裕がないのに借金をしてしまうと多くの人は借金で借金を返す多重債務に陥ってしまい、いずれは金融事故を起こしてしまいます。

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