損益分岐点(採算点)は損益(損失と利益)がプラスマイナスゼロになるところです。
基本的には個人でも、企業でも利益を出さなくてはいけません。
一般的には利益を得るためには損失が発生します。
そのため損失以上の利益を出すことが基本となります。
この利益を出すためには損益の理解が欠かせません。
そして、損益を考慮するうえで、損失と利益の和がゼロになるところがあり、これが損益分岐点です。
損益分岐点を計算式で示すと
(固定費+変動費)-売上高=0円 |
の条件を満たす時となります。
会社員でも仕事へ行き収入を得るためには住居や食費など、普段経費として意識する事が少ない費用(損失)があります。
この損益分岐点を想定しなければ、利益を出す(生活する)ことができるのかを判断する事ができません。
具体例
家庭の収支を例に考えます。
固定費 | 家賃、保険、税金等 |
変動費 | 飲食代、交際費、水道料金、電気代、 ガス代、通信費、その他生活費等 |
売上 | 給料等 |
一か月の固定費を5万円、変動費を10万円とした場合、
5万円(固定費)+10万円(変動費)=15万円(損失)
売上(給料等)は15万円以上(利益)なくてはいけません。
つまり、15万円以上の利益が毎月発生しなくては赤字となってしまいます。
この15万円が損益分岐点となります。
しかし、変動費は上下するため、安く抑える事もできる反面、高くなることもあります。
変動費が変わった場合、それと同額分だけ損益分岐点も変動します。
まとめ
損益分岐点を下げる方法には先程の様に変動費を削減する方法や、固定費の見直しを行う事が有効です。
しかし、変動費や固定費を安く抑える事で利益が減少してしまっては意味がありません。
また、損失を減らそうとリスクを取りすぎてしまうと、あとでその反動を受ける事もあります。
損失を抑える方法についてはリスクアセスメント(リスクの分析)を常に考えなければいけません。
そのため、損益分岐点にこだわりすぎず、時には損益分岐点を上げ、利益も上げる事で、利益率の向上を目指す方法も良い選択肢になります。
また、将来価値(FV/ファンダメンタル・バリュー)が高いと判断する場合には損益分岐点未満でも継続するという選択肢も良い選択肢といえます。
備考
損益分岐点はBreak Even Pointを略してBEPとも呼ばれます。
損益分岐点を売上で示す場合は損益分岐点売上高といいます。
損益分岐点を販売数量で示す場合は損益分手金販売数量といいます。