学習無力感は、無力である事を学習してしまう心理です。
理不尽な事が起こる場合、通常はそれを回避しようと行動します。
しかし、回避する事が困難な状態が続くと、抵抗しても結果が変わらない事を学習するため、回避することをやめ無気力になってしまいます。
つまり、理不尽な事が継続して行われる環境では、次第にその理不尽を受け入れてしまいます。
理不尽な事はストレスが大きいので、ストレス過多な環境で過ごす事で心身共に疲弊してしまいます。
具体例(会社)
通常は職場で責任感のない上司が言動に一貫性がない場合、部下はその上司のいう事を聞かず、正しいと思ったことをするようになります。
しかし、これを無理やり従わせようとする会社の場合、部下は間違いを直す事をやめ、例え不利益が出ようと指示通りにやる様になります。
その結果会社は大きな損失を生む可能性があります。
具体例(家庭)
親が約束を守らない家庭では、子供は親との約束に興味を持たなくなります。
これは将来を見据えた考え方に興味を持たなくなることでもあります。
有名な実験でマシュマロ実験があります。
対象者は5才以下の子供で、テーブルの上にあるお菓子に手を付けずに、15分待つことができたらお菓子を倍あげるという実験です。
この実験の後に追跡調査を行った結果、待つことができた子供は十数年後も自制心が持続しているとされました。
まとめ
理不尽な結果がもたらされる環境では、考えても無駄な環境ですので、考える事をやめてしまいます。
そのため、将来的な影響がとても大きくなってしまいます。
また、考える事をやめてしまうと、自他共に能力が足りないと認識してしまう可能性が高くなるので注意が必要です。
備考
学習無力感は下記の様に呼ばれる事もあります。
- 学習性絶望感
- 獲得された無力感
- 学習性無気力