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リーマンショック(サブプライショック)

投稿日:2021年12月25日 更新日:

リーマンショックは2008年に起きた世界的な金融危機です。

リーマンショックの株価下落率は1カ月で約30%、2か月で約40%の下落を記録し戦後最大の下落となりました。
そして、この下落の影響は株価だけにとどまらずに世界的な金融危機になってしまいました。

リーマンショックで問題となったのがサブプライムローン(サブプライム・モーゲージ)で、個人信用情報が低い低所得者向け高金利型の住宅ローンであったため、サブプライムショックとも呼ばれています。

サプライムローンが流行った当初はアメリカの住宅バブルの影響によってそのリスクが軽視されていました。

この時の住宅バブルの波にのり証券化されたサブライムローンを積極的に取引していたのがアメリカにあった大手投資銀行のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスです。

急成長した当時のリーマンブラザーズは世界的な金融危機の火種になるほど強い影響力を持っており、リーマンブラザーズが2008年9月15日に経営破綻すると大手の金融機関にも大きな影響を与え、連鎖的に世界的な金融危機(リーマンショック)へと繋がってしまいました。

リーマン・ブラザーズについて

リーマン・ブラザーズはアメリカのニューヨークに本社があった投資銀行(格付け機関の信用格付けはAAAの評価を受ける優良企業)で、正式名称はリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(Lehma Brothers Holdings Inc)という企業です。

リーマンブラザーズの基本的な業務は株や証券の仲介、株式の発行やM&A(Mergers & Acquisitionsの略で資本の移動がある合併や買収を指す言葉です)のアドバイスなど(投資銀行は基本的に個人と取引はしません。個人と取引をするのは商業銀行と呼ばれて区別されています。)で主な収入源は住宅関連の証券の取引手数料でした。

アメリカの住宅バブルの波に乗って成長したリーマンブラザーズは投資銀行で第4位(1位ゴールドマンサックス、2位モルガンスタンレー、3位メリル・リンチ、5位ベアー・スターンズ)になるほどの大きな組織となっていました。

リーマンブラザーズが急成長できた理由の一つに従業員に対する報酬が成績に応じて決められていた点があります。
成績が良いほど給料が多くなり新人でも1500万円以上、ベテランになると億を超える給料(リーマンブラザーズでトップ成績のリチャードファルドは2005年に89億円の報酬を受け取りました)を受け取る人もいました。

しかし、この報酬はリスクに対しての判断が甘かったため、ハイリスクな方法でも報酬が上がったため従業員はリスクを取る傾向が強くなっていったようです。

リスクを軽視していたリーマンブラザーズはレバレッジ取引(レバレッジ30倍程度)をしていたとも言われ、サブプライムローン(サブプライム・モーゲージ)のレバレッジ取引が倒産の主な原因だと考えられています。

リーマンショックの流れ

  • 1994年
    リーマン・ブラザーズ・ホールディングスはプライメリカから独立してニューヨーク証券取引所に上場しました。(1850年に創業しましたが一時期はアメリカン・エキスプレスに身売りしましたが1993年に上場し1994年に独立しました)
  • 1999年
    資金が焦げ付く危険性の高いサブプライムローン(サブプライム・モーゲージ)の証券化を推進しました。
    アメリカの低金利政策も後押しし、住宅バブルの波に乗って業績の拡大に成功しアメリカで4番目の規模を持つ巨大な投資銀行に成長します。
  • 2004年
    アメリカの住宅価格(主要10都市の住宅価格指数)の下落が始まりました。
  • 2007年
    アメリカの住宅市場で大きな下落が起きたため、政府支援機構が様々な手を尽くしまし事態の鎮静化に追われました。
    この頃からサブプライムローン(サブプライム・モーゲージ)のリスク面(基本的にハイリイスクハイリターンな金融商品)が明るみになっていきます。
  • 2008年3月
    大手証券会社のベアー・スターンズ(アメリカで第5位の投資銀行)が破綻(JPモルガン・チェースによる救済買収)した際に株価が2日間で54%以上暴落したため、リーマンブラザーズの流動性も心配される事態になりましたが一端の落ち着きを見せた。
  • 2008年9月3日
    KDB(韓国政府系の韓国産業銀行)がリーマン株のうち25%を取得する事を明らかにしました。
  • 2008年9月10日
    リーマンブラザーズの6~8月期の純損失が39憶ドルになり赤字決済となる見通しを発表しました。
    KDBがリーマン株への出資を取りやめてしまい、リーマンブラザーズ株の売りが増大しました。
  • 2008年9月14日
    破産の前夜(翌日の9月15日に破産)まで様々な手を尽くして交渉(アメリカ合衆国財務省やFRB(アメリカの連邦準備理事会)仲介のもとでHSBCホールディングス・韓国産業銀行・日本のメガバンクなどの複数の金融機関と交渉しました。)しましたが、交渉は決裂(巨大で不明瞭な損失が見込まれた事が大きな要因)してしまいました。

    最終的に残っていたバンク・オブ・アメリカ、メリルリンチ、パークイズもアメリカ合衆国連邦政府が公的資金の注入を拒否(公的資金の注入は財政負担が多く国民の理解が得られないと判断)したため交渉決裂(損失が拡大していたメリルリンチはバンク・オブ・アメリカへ回収打診が決定され、パークレイズも巨額の損失を抱えていたため、リーマンブラザーズを買収する余力はありませんでした。そのため公的資金の注入が鍵を握っている状態でした。)となってしまいました。
  • 2008年(平成20年)9月15日
    アメリカのリーマン・ブラザーズは負債総額約6,130億ドル(約64兆5,000憶円)で倒産(連邦破産法11条を適用申請、日本の民事再生法に相当します。)しました。
    これはアメリカ市場最大の倒産です。

    この影響でリーマンブラザーズが発行していた社債や投信を保有している企業や取引先が大きな影響を受けるだけではなく繋がりのある企業も連鎖的に影響を受け事が予想され、この問題を大きくとらえた日本政府は祝日(敬老の日)にも関わらず日本の債権者や顧客の損害を抑制するための措置をとりました。

    日本の金融庁はリーマンブラザーズの日本法人(リーマン・ブラザーズ証券株式会)に対して資産の国内保有命令と9月26日までの業務停止命令をだしました。
    これによって東京証券取引所、大阪証券取引所、ジャスダックは翌営業日の9月16日の取引開始前にリーマンブラザーズ証券株式会社の取引資格停止の措置が行われました。
  • 2008年9月16日
    リーマンブラザーズ証券株式会社は東京地裁へ民事再生法の適用を申請(負債総額は3兆4,314憶円で、協栄生命保険に次ぐ日本では戦後2番目の大型倒産となりました。
  • 2008年9月29日
    ベアー・スターンズの経営危機、フレディマック、ファニーメイの実質的破綻を含めた金融危機に対処するため、アメリカ合衆国連邦政府は緊急経済安定化法をまとめアメリカ合衆国下院で採決しましたが、事態の重要性を認識できていなかった下院議員はこれを否決したました。

    この判断に対して金融市場には激震がおきました。
    世界中の投資家は失望し、この日のダウ平均株価は777ドル安で算出開始以来最大の下げ幅を記録しました。
    この影響によって連鎖的に全世界の株式市場でも株価の暴落が起きました。
  • 2008年10月3日
    アメリカでは株価の暴落に対して経済対策の支援を行う事が決定しましたが、一度広がってしまった金融不安を払拭するほどの影響力はなく、下がり始めた株価を止めるほどの影響力はありませんでした。
    そのため、下落していた株価はその後歯止めの効かないまま下落していきます。
  • 2008年10月28日
    日本でも株価が大きく下落し1982年以来26年ぶりの安値6,994円を記録しました。
    ※9月12日の終値は12,214円だったので約1か月半で半分程度まで株価が暴落しました。
  • 2010年(平成22年)
    リーマンショックによって日本の株価が大きく下げた影響もあり、12月から日銀によるETF(日経平均などの指数に連動した運用成果を目指す金融商品の買い入れ(年間約4兆2000億円)が始まり、2021年現在も買い入れが行われていますが残念ながら3割は海外に流出していると考えられています。

まとめ

リーマンショックは様々な要因が重なったために起きてしまいました。

特に問題となったサブプライム住宅ローンは、家計の住宅取得能力が低下している状況で住宅価格の高騰が想定されたため、サブプライム層が住宅取得を加速させました。

また、このような流れがおきると投資目的の需要も加速され住宅の需要拡大によって住宅価格が高騰し、その高騰によってさらに需要が加速される好循環が生まれバブル景気になります。

この波に乗ってリーマンブラザーズは急成長し、証券化されたサブプライムローン(サブプライム・モーゲージ)は世界的に広まっていきました。

この当時はサブプライムローン(サブプライム・モーゲージ)のリスクに対しての認識が世界的に甘かったです。
※俗に言うリスクオン相場(景気が良いとリスクに対する楽観視する傾向が強くなり判断が甘くなりやすいです)でした。

その後住宅バブルの上昇が止まった2007年夏頃には「サブプライムローン問題」のリスク面が明るみになると世界的に不信感が広がります。

そして、需給バランスが崩れ景気が不安定になリーマンブラザーズは倒産してしまいます。

このタイミングはとても大きな分岐点(通常はアメリカが救済措置を取るため株価の暴落は抑えられます)でしたが、この時はアメリカ政府の公的支援が遅れてしまった事でリーマンショックがバブル崩壊の発端となってしまいます。

住宅バブルがはじけた影響によって住宅公社や他の投資銀行、保険会社に対して救済をたて続けに行っていたため世論が救済に対して嫌悪感を抱いていた事を背景とした政治的判断ではあったものの、リーマンブラザーズの副会長であったトーマス・ロッソは「リーマンショクを招いたこの判断についてはおろかな判断であった」と批判しています。
※後の専門家調査では破産回避のための最大必要額840憶ドルに対して、リーマンブラザーズは少なくとも1140憶ドル分の担保があった事が明らかになっています。

アメリカの住宅バブルが崩壊すると住宅ローンが次々と破綻、サブプライムローン債権が不良債権(不動産価格が下落すると不動産を回収しても赤字)になっていき、金融機関同士がお互いを信用できなくなって金融市場はマヒしてしまいます。

世界的にお金の流れが細くなり、アメリカを中心に消費や投資が急減し日本にも大きな影響を与えました。
日本では有効求人倍率が一時期バブル期の最低水準程度まで下がる(内定取り消しが世間的な問題となりました。)ほどの影響がありました。

その後、各国は財政出動や大規模な金融緩和など景気刺激策を相次いで出す一方、危機の再発防止に向けて金融規制を強化していきました。

リーマンショック後は野村ホーディングスがリーマンブラザーズの日本法人や韓国を除くアジア(2憶2,500万ドル)、欧州(2ドル)及び中東地域の事業を買収しましたが重荷となっていきます。
北米地域などはパークレイズがその事業を買収しました。

リーマンショック前のリーマンブラザーズの格付け機関での評価はAAAだった事で、格付け機関の信用は低下してしまいました。

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