パンデミックは感染症が世界的に増加する現象です。
免疫を持つ人が少なかった感染症が、効率的に感染者を増やす能力を得る事で、二次感染、三次感染と次第に感染者が増加しパンデミックを起こします。
そのためパンデミックは突然起こるわけではなく、パンデミックが起こるまでには過程があり、感染症の規模に応じて
- エンデミック(endemic)
小規模で限られた範囲での少数の感染が見られる状態 - エピデミック(epidemic)
小規模な限られた範囲で感染者が多い状態 - アウトブレイク(outbreak)
限られた範囲での大多数が感染している状態 - パンデミック(pandemic)
感染範囲が広く、感染者が多い状態
と徐々に移行していきます。
WHOではパンデミックの過程を細分化し下記の6段階に分類しています。
フェーズ 1 | 人間を除く動物での感染が拡大している状態 |
フェーズ 2 | 人間への感染が確認され、被害の拡大が予想される状態 |
フェーズ 3 | 限定的(病院や施設など)に感染が拡大している状態 |
フェーズ 4 | 国レベルで感染が拡大している状態 |
フェーズ 5 | 二国間以上で感染が拡大している状態 ※多くの国に脅威が差し迫った状態 |
フェーズ 6 | 世界的に感染が拡大している状態 |
対応の仕方
- 具体的な情報を集め(感染経路、感染源等)、その対策(隔離等)を決める。
- 未発見の同一感染者(発症者や潜伏期間中の感染者など)の捜索。
※スーパースプレッダーのような特異体質は特に注意が必要。 - 感染者の治療と共に、隔離を行う。
- 感染場所の消毒を行う。
- 感染者と接触の可能性を考慮した対策(うがい、手洗い、マスク等)を行う。
- 人が多いところは避ける。
まとめ
現在は交通手段の発達によって短時間で長距離を移動する方法が増加しました。
そのため、感染者が潜伏期間内に移動する距離も増加した事で感染経路の特定は難しくなり、感染地域も拡大しやすくなりました。
そのため、早い段階での迅速かつ正確な対応が重要です。
しかし、パンデミックとなる前段階で、効果的な治療法が確立されなかったためパンデミックとなってしまっているため、個人で行える方法は限られてきます。
特に、チフスのメアリーのように、スーパースプレッダーの存在は脅威となります。
備考
過去にパンデミックを起こした病気
- 黒死病(ペスト)
- 天然痘(てんねんとう)
- コレラ
- インフルエンザ(スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪、新型インフルエンザ)
- 後天性免疫不完全症候群
- ブリオン病
- 高病原性鳥インフルエンザ
- SARS(重症急性呼吸器症候群)