スリーパー効果は発信源の情報が時間経過によって忘却される現象です。
情報の内容の信頼性は情報の発信源の信頼性に比例します。
しかし、「情報の内容」と「発信源の情報」では、「情報の内容」の方が記憶に残りやすいという心理を元に提唱されました。
時間経過と共に「発信源の情報」が忘却され、「情報の内容」のみが記憶に残ります。
発信源の情報が失われるまでの期間は一般的に1か月と言われています。
「情報の発信源」の信頼性が低い場合、「発信源の情報」が失われた事で、「情報の内容」についたマイナスの要素がなくなり情報に対する信頼度が向上します。
反対に、「情報の発信源」の信頼性が高い場合、「発信源の情報」が失われる事で、「情報の内容」についたプラスの要素がなくなり、情報に対する信頼性が低下します。
具体例
親友のAさんへの信頼度を100%とします。
初めて会うBさんへの信頼度を0%とします。
情報Xの信頼度を50%とします。
Aさんから情報Xを聞く場合、信頼度が75%とします。
Bさんから情報Xを聞く場合、信頼度が25%とします。
しかし、1か月後には情報の発信源がだれなのかを忘れています。
そのため、情報Xの最終的な信頼度は50%となります。
つまり、1か月期間をあける事で、始めた会う人の話も親友の人の話も情報の信頼度だけで判断してもらえるようになります。
まとめ
情報の信頼性は発信者に対する信頼度に短期的には比例します。
これはミルグラム効果でも実証されています。
学者や指導者のような権威がある人からの指示を受けると自身の判断が揺らぎ、過っていると思うような内容でもその指示に従ってしまいます。
しかし、後になって冷静に考えると過ちだったと考える事が多いです。
ビジネスではこれを活用して一定期間をあける事で、情報の信頼性のみで勝負する事ができます。
しかし、ここで大切なのは、情報そのものを忘れてしまわないように印象に残る様に工夫する事です。
発信者の不審さだけ印象に残ってしまっては当然だめです。
情報の発信者は平凡でいる事で情報を印象付ける事で、後に同じ情報を与えられた時に情報を疑う確率が下がります。
備考
スリーパー効果はアメリカの心理学者のカール・ホブランドが提唱しました。
情報源の信頼性が眠ってしまう事から、居眠り効果、仮眠効果などとも呼ばれています。