FXは通貨の価格変動を利用して利益を得る投資の方法です。
FXはお金とお金(異なる通貨)を取引して、その価格差で利益を得る方法のため海外通貨で取引する事が多いです。
そのため、国内の情勢だけではなく、海外の情勢についての情報を確認し需給バランスの変化に対して柔軟に対応する必要があります。
FXで利益が出る流れ
FXで多いのは国内通貨と国外通貨の取引で、国内通貨→国外通貨→国内通貨と順に取引を行い利益を発生させていきます。
流れの具体例
ドル円が100円の時に取引を始めるとします。
- 現在持っている100円(国内通貨)を1ドル(国外通貨)と交換します。
- ドル円が変動し、1ドル101円になったとします。
- 現在持っている1ドルを円と交換すると101円となります。
- 結果100円が101円となりました。
このように、為替の変動によって利益が発生させるのがFXの流れとなります。
そのため、円高(交換する通貨に対して)の時に国外の通貨と交換し、円安になってから買い戻すというシンプルな方法となりますが、FXで利益を出し続ける事は難しいです。
レバレッジについて
外貨の変動で100円が101円になっても100円しか交換していなければ大きな利益にはなりません。
しかし、FXのような取引は割合(100円=101円→100%=101%で1%の利益)で利益が発生するため、投資資金が増えればそれだけ利益が大きくなっていきます。
例えば、100円が101円になった際に、投資資金が1万円なら100円の利益になりますし、100万円ならば1万円の利益になります。
しかし、100万円のお金を最初から用意できる人は少ないと思います。
そのためFXではレバレッジ(借入によって資本を増やしてお金を運用する方法)を用いた取引をする事が多いです。
レバレッジを用いる事で、少ない資本でも大きな利益を生む事が可能になります。
具体例
レバレッジが25倍の場合は4万円の投資資金で100万円(4万円×25倍)のお金を動かす事ができます。
そのため、100円から101円に価格が変動した際には1万円の利益を得る事ができます。
つまり、4万円(厳密には異なります)の元金で1万円の利益が生まれるため、25%の利益が生まれます。
しかし、利益だけ大きくなるわけではなく、損失も大きくなってしまうため、注意が必要です。
※レバッレッジを行う際にはロスカットや証拠金の計算などの知識を学び、証拠金を多めに用意して、余裕資金で運用してください。
ロットについて
FXで取引を行う際の売買単位は基本的にロット(Lot)単位になります。
ロットは取引する数量を一つのまとまりにしたもので、1ダース(12本)のように一定のセットでまとめて取引を行います。
しかし、この1ロットの取扱いについてはFX会社によって下の図のように異なっている(通貨によって異なる事もあります)ため注意が必要です。
FX会社名 | 1ロットの最小単位 |
---|---|
SBI FX トレード | 1通貨 |
外為どっとコム(外貨ネクストネオ) | 1通貨 |
YFFX | 1,000通貨 |
ヒロセ通商 | 1,000通貨 |
DMMFX | 10,000通貨 |
GMOクリック証券 | 10,000通貨 |
基本的にロットが大きいほど、必要な資金が多く、リスクとリターンも増加しているため、自身の資金に応じて選ぶ必要があります。
例えばドル/円が100円の場合
1ロット1通貨の際には1ドルから取引が行えるため、100円で取引ができます。
1ロット1,000通貨の場合は1,000ドルから取引が行えるため、約100,000円で取引ができます。
国内のFXで用いられるレバレッジは基本的に25倍を超える事がないため、1ロットが10万円の場合は取引を行うためには4,000円以上(10万円÷25倍)の資金が必要になります。
証拠金について
証拠金は信用取引を行う際に担保として預けるお金で、FXの場合はレバレッジをかけて取引を行う事が多いため、証拠金について理解しておく事は大切です。
例えば
ドル/円が100円の時に1ロット1,000通貨で取引をしたい時は100,000円以上の資金が必要になります。
しかし、25倍のレバレッジを用いる際には4,000円(100,000÷25=4,000)程度の資金があれば取引を行う事ができます。
しかし、4,000円では証拠金維持率が100%の状態(必要な証拠金=現在の証拠金)であるため、追証(追加の証拠金を求められる)や強制ロスカット(強制的に決済されてしまう)をされてしまう事があるラインです。
そのため、1ロットの取引を行う際は最低の4,000円ではなく、余裕資金が必要になります。
強制ロスカットについて
通常の損切(ロスカット/スロップロス)は自分でそのタイミングを決める事ができますが、強制ロスカットは取引会社が強制的に決済を行うため、損失が出ている場合はそれが確定されてしまいます。
基本的には投資資金以上の損失にならないように調整されていますが、休日に大きな価格変動があると負債を負ってしまう可能性もあるため注意が必要です。
例えば
ドル/円が100円でレバレッジは25倍
1ロット10,000通貨(1ロット=10万円)と仮定
休日前に10ロット(100万円分)の取引(購入)をしたとします。
この場合は動かしている資産は2,500万円になっています。
- 1ロット=10万円
- 10ロット=100万円
- 100万円×レバレッジ25倍=2500万円
しかし、休み中にドル円が97円まで下がた(3%)たとします。
- 97÷100=97%
- 100%-97%=3%
10ロット(100万円)が3%下落した場合は、レバレッジによって投資資金の75%にあたる75万円が減少します。
- 100万円×3%=3万円
- 3万円×レバレッジ25倍=75万円
10ロット分購入するために必要な資金は100万円でしたが、25万円(100万円-75万円=25万円)まで減少してしまいます。
証拠金が50%を下回る(余裕資金が50万円を下回る)と多くの取引会社で強制ロスカットが行われ(強制ロスカットのラインは取引会社で異なります)取引開始と同時に損失が確定されてしまいます。
つまり、余裕資金少ない場合は損失として確定される可能性が高いです。
まとめ
FXは少ない元手で大きな利益を得る事ができる可能性があるため資産運用の方法として紹介される事も多いです。
しかし、ハイリスクハイリターンのリターンの部分に目を奪われてしまいやすいため、大きなリスクを取っている事を忘れてしまう人も多いです。
リスクを軽減するには多くの情報を集める事は大切です。
特にFXは為替変動リスクを直接的に受けてしまうため海外の情報を取り入れる事は重要です。
FXの期待値は0.98と言われているため、基本的には取引回数が増加すると利益率が下がってしまうため、期待値よりも良いパフォーマンスをするためには、-0.02の期待値を覆すだけの優位性が必要になります。
そのため、株式投資などと同様にテクニカル分析やファンダメンタルズ分析などの手法も学び、少しでも利益率を向上させる必要があります。
また、FXによって通貨を保有していると金利(利息/利子)の差が生まれるため、スワップポイント(スワップポイントはマイナスの場合もありますし、変動する事もあるため注意が必要)を受け取る事ができます。
そのため、売買益よりもスワップポイントを狙う投資方法もあります。
昔は国内でも200倍の取引が可能でしたが、危険性が問題視されたため現在の25倍まで制限されました。
備考
FX(外国為替証拠金取引)は外国為替を意味する「フォーリン・エクスチェンジ=Foreign Exchange」が略され「フォレックス=Forex」と呼ばれ、さらに略されて現在の「エフエックス=FX」と呼ばれるようになりました。
また、日本では外国為替証拠金取引といわれる事もあるため、外為(がいため)と呼ばれる事もあります。
個人のFX投資家をミセス・ワタナベと呼ぶこともあります。
これは、かつて「ミセス・ワタナベ」という主婦がFXで億単位の利益を得たことが海外メディアで宣伝された影響です。
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