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FX(外国為替証拠金取引/通貨証拠金取/)

投稿日:2021年1月21日 更新日:

FX(外国為替証拠金取引/通貨証拠金取引)とは

概要

FXは通貨の為替差を利用して利益を得る方法です。

FXは外国為替証拠金取引や通貨証拠金取引とも呼ばれているように、海外通貨へ投資する際に証拠金が必要になるレバレッジ取引であるため、実際に保有している金額よりも大きなお金を動かしている点には十分に注意する必要があります。
※信用取引の場合は実際には保有していないお金を失う可能性があるため、投資額以上の損失が発生して借金を背負う事もあります。

基本的には国内通貨と海外通貨のように、異なる通貨を取引する事で発生する価格レートの差いよって利益を得る方法のため、国内の情勢だけではなく、海外の情勢についての情報を確認し需給バランスの変化に対して柔軟に対応する必要があります。

FXで利益が出る流れ

FX取引では国内通貨と国外通貨の取引が多く、国内通貨→国外通貨→国内通貨と順に取引を行い利益を発生させる事が多いです。

基本的な利益発生する取引の流れとしては

  1. 1ドル100円の状態で、100円を1ドルに換金します。
  2. ドル円が変動して1ドル105円になったとします。
  3. 保有している1ドルを換金すると105円となります。

100円→1ドル→105円と変化して5円の利益が発生した事になります。

このように、為替の変動によって利益が発生するのがFXの流れとなります。

基本的には、円高(交換する通貨に対して)の時に国外の通貨と交換し、円安になってから買い戻すというシンプルな方法となりますが、FXで利益を出し続ける事は難しいです。
※売りの場合は円安の時に売って、円高になって買い戻す事で利益が発生します。

レバレッジについて

外貨レートの変動で100円が105円になっても100円しか交換していなければ5円しか利益は発生しません。

しかし、FXのような取引は割合で利益が発生するため、投資資金が増えればそれだけ利益が大きくなっていきます。

具体的には
為替レートが100円から105円に変化した際に、投資資金が1万円なら500円の利益になりますが、100万円分換金していれば5万円の利益になります。

しかし、100万円のお金を最初から用意できる人は少ないと思います。

そのため、FXではレバレッジ(借入によって資本を増やしてお金を運用する方法)を用いた取引をする事が多く、少ない資本でも大きな利益を生む事が可能になります。

具体的には

  1. レバレッジが25倍の場合は4万円の投資資金で100万円(4万円×25倍)のお金を動かす事ができます。
  2. 為替レートが100円の状態でドルに換金すれば1万ドル保有する事ができます。
  3. 為替レートが100円から105円に価格が変動したとします。
  4. 1万ドルを日本円に換金すると105万円に換金する事ができ、4万円の元本で5万円の利益を得る事ができます。

4万円元金で5万円の利益が発生すれば125%の利益が発生した事になります。

しかし、ここで重要なのは利益だけ大きくなるわけではなく、損失も大きくなってしまうため十分な注意が必要です。
※レバッレッジを行う際にはロスカットや証拠金の計算などの知識を学び、証拠金を多めに用意して、余裕資金で運用してください。

ロットについて

FXで取引を行う際の売買単位は基本的にロット(Lot)単位になります。
ロットは取引する数量を一つのまとまりにしたもので、1ダース(12本)のように一定のセットでまとめて取引を行います。

しかし、この1ロットの取扱いについてはFX会社によって下の図のように異なっている(通貨によって異なる事もあります)ため注意が必要です。

FX会社名1ロットの最小単位
SBI FX トレード1通貨
外為どっとコム(外貨ネクストネオ)1通貨
YFFX1,000通貨
ヒロセ通商1,000通貨
DMMFX10,000通貨
GMOクリック証券10,000通貨

基本的にロットが大きいほど必要な資金が多く、リスクとリターンも比例して増加するため自身の資金に応じて適切な取引ができる方法を選択する必要があります。

例えばドル/円が100円の場合

  • 1ロット1通貨の際には1ドルから取引が行えるため、100円で取引ができます。
  • 1ロット1,000通貨の場合は1,000ドルから取引が行えるため、約100,000円で取引ができます。

国内のFXで用いられるレバレッジは基本的に25倍を超える事がないため、1ロットが10万円の場合は取引を行うためには4,000円以上(10万円÷25倍)の資金が必要になります。
※2010年8月1日に金融商品取引業等に関する内閣府令が改正されてFX取引の最大レバレッジが最大50倍に規制され、2011年8月1日からは最大レバレッジが25倍に変更されて再び規制が厳しくなり現在の倍率となっています。

レバレッジ規制のない国で運営されている一部の取引業者では国内の規制を超えたレバレッジで日本居住者向けにサービスを提供している場合もありますが、金融庁はトラブルが生じた際の追及が困難になると考えているため、利用をしないように日本の投資家に呼び掛け、このような業者に対して無登録業者として定期的に警告を行っているようです。

証拠金について

証拠金は信用取引を行う際に担保として預けるお金で、FXの場合はレバレッジをかけて取引を行う事が多いため証拠金について理解しておく事は大切です。

例えば
ドル円のレートが100円の時に1ロット1,000通貨で取引をしたい時は100,000円以上の資金が必要になります。

しかし、25倍のレバレッジを用いる際には4,000円(100,000÷25=4,000)程度の資金があれば取引を行う事ができます。

しかし、4,000円では証拠金維持率が100%の状態(必要な証拠金=現在の証拠金)であるため、追証(おいしょう:追加の証拠金を求められる)や強制ロスカット(強制的に決済されてしまう)をされてしまう可能性があるラインです。

そのため、1ロットの取引を行う際は最低の4,000円ではなく、余裕資金がなければ利益を出す事は難しいです。

強制ロスカットについて

通常の損切(ロスカット/スロップロス)は自分でそのタイミングを決める事ができますが、強制ロスカットは取引会社が強制的に決済を行うため、損失が出ている状態で強制的に決済されてしまうため、損失が確定されてしまいます。

基本的には投資資金以上の損失にならないように調整されていますが、取引会社が休業している際に大きな価格変動があると、翌営業日に含み損の状態で強制的に決済されてしまい負債を負ってしまう可能性もあるため注意が必要です。

例えば
ドル/円が100円でレバレッジは25倍
1ロット10,000通貨(1ロット=10万円)と仮定
休日前に10ロット(100万円分)の取引(購入)をしたとします。

この場合は動かしている資産は2,500万円になっています。

  • 1ロット=10万円
  • 10ロット=100万円
  • 100万円×レバレッジ25倍=2500万円

しかし、休み中にドル円が97円まで下がた(3%)たとします。

  • 97÷100=97%
  • 100%-97%=3%

10ロット(100万円)が3%下落した場合は、レバレッジによって投資資金の75%にあたる75万円が減少します。

  • 100万円×3%=3万円
  • 3万円×レバレッジ25倍=75万円

10ロット分購入するために必要な資金は100万円でしたが、25万円(100万円-75万円=25万円)まで減少してしまいます。
証拠金が50%を下回る(余裕資金が50万円を下回る)と多くの取引会社で強制ロスカットが行われ(強制ロスカットのラインは取引会社で異なります)取引開始と同時に損失が確定されてしまいます。

つまり、余裕資金が少ない場合は損失として確定される可能性が高いです。

まとめ

FXは少ない元手で大きな利益を得る事ができる可能性があるため資産運用の方法として紹介される事も多いです。

しかし、ハイリスクハイリターンのリターンの部分に目を奪われてしまいやすいため、大きなリスクを取っている事を忘れてしまう人も多いです。

リスクを軽減するには多くの情報を集める事は大切です。

特にFXは為替変動リスクを直接的に受けてしまうため海外の情報を積極的に取り入れる事は重要なため、常にアンテナの感度を高くしていなければいけません。

また、FXの期待値は0.98と言われているため、基本的には取引回数が増加すると利益率が下がってしまうため、期待値よりも良いパフォーマンスをするためには-0.02の期待値を覆すだけの優位性が必要になります。

そのため、株式投資などと同様にテクニカル分析やファンダメンタルズ分析などの手法も学び、少しでも利益率を向上させる必要があります。

また、FXによっては通貨を保有していると金利(利息/利子)の差が生まれるため、スワップポイント(スワップポイントはマイナスの場合もありますし、変動する事もあるため注意が必要)を受け取る事ができます。

そのため、売買益よりもスワップポイントを狙う投資方法もあります。

昔は国内でも200倍の取引が可能でしたが、危険性が問題視されたため現在の25倍まで制限されました。

現在の個人向けFX取引のレバレッジは最大でも25倍ですが、近い将来10倍にすると発表されています。
※金融庁は法人には高倍率のレバレッジ取引を認めていて、国内のFX会社の場合は最高で100倍のケースが多いようです。

そのため、日本国内の投資家で海外のFX会社を利用する人も多いですが、大きな為替変動の影響によって大きな負債を背負ってしまう人も多いようで「急激な為替変動が起きると電車が止まる(人身事故)」と噂されるほどです。
※海外の会社ではレバレッジが最高で3000倍の会社もあるようです。

FXで億万長者になった人がいると聞いて挑戦する人も多いですが、実際にはたくさん勉強してしっかりと知識を付けても運によって借金を背負ってしま人もいます。

FXは宝くじのように現金をかけて夢を手にするのではなく、他人から借りたお金をかけている事を忘れてはいけません。
※大きな損失の場合は多額の返済が求められますし自己破産が適用されない事も多いようなので気を付けてください。

備考

FX(外国為替証拠金取引)は外国為替を意味する「フォーリン・エクスチェンジ=Foreign Exchange」が略され「フォレックス=Forex」と呼ばれ、さらに略されて現在の「エフエックス=FX」と呼ばれるようになりました。
また、日本では外国為替証拠金取引といわれる事もあるため、外為(がいため)と呼ばれる事もあります。

個人のFX投資家をミセス・ワタナベと呼ぶこともあります。
これは、かつて「ミセス・ワタナベ」という主婦がFXで億単位の利益を得たことが海外メディアで宣伝された影響です。

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