短眠者はショートスリーパーとも呼ばれ、睡眠時間が短くても悪影響を受けずに生活ができる人です。
一般的には1日に必要な睡眠時間は8時間程度必要で、睡眠時間が短い場合は心身への悪影響を及ぼし日常生活への問題が起こるようになってしまいます。
例えば、6時間睡眠を2週間続けると日本酒を1~2合飲んだ時の認知機能の状態
、もしくは24時間起き続けている状態と同程度の認知機能まで低下してしまうと考えられています。
このような状態は睡眠負債(必要な睡眠時間を確保できていない期間が続き、不足した睡眠時間が蓄積している状態)を抱えているため、健康を犠牲に活動している状態です。
しかし、ショースリーパーは6時間未満の睡眠を継続しても健康への悪影響が起こらない遺伝子を持つため、睡眠時間が短くても日常生活に問題は発生しません。
ショートスリーパーの具体例
ショトスリーパーの遺伝子は突然変異であるため、普通の人がショートスリーパーになる事はできません。
そして、ショートスリーパーの固有因子を持つ人は数百人に1人以下しか存在しないと考えられているため、ショートスッリーパーは実際にはほとんどいません。
また、この遺伝子を持つ人は4~6時間程度の睡眠を取る事で健康に害がなく生活を行う事ができるだけではなく、一般的な人よりもエネルギッシュに活動できたり、マルチタスクに向いていたりする傾向があると考えられています。
そのため、過去の偉人の中にはショートスリーパーであった人も多いです。
代表的なのが
- トーマス・エジソン(「蓄音機」「白熱電球」「直流送電」などで有名)
睡眠時間が3時間程度(30分の仮眠を6回で合計3時間) - レオナルド・ダヴィンチ(「モナ・リザ」や「最後の晩餐」を手掛けた事で有名)
睡眠時間が2時間程度(20分の仮眠を6回で合計2時間)
このような偉人がショートスリーパーであるならば、睡眠時間が短くても認知機能への悪影響を受けない特殊な性質を持つ遺伝子であるという事も受け入れやすいです。
しかし、残念ながらショートスリーパーではない一般的な人がショートスリーパーになる事はできません。
また、遺伝的に適さない人が無理をして睡眠時間を削っている場合は、健康に悪影響を及ぼしていしまうためお勧めできません。
ショートスリーパーの特性
ショートスリーパーは遺伝的な要因による特殊体質です。
つまり、睡眠時間を徐々に減らしてもショートスリーパーにはなれません。
後天的なショートスリーパーを自称する人の多くは、夜の睡眠時間を削った結果、日中に居眠りをして不足分を補ったり、認知機能が低下してしまうなどのデメリットがでてきていても気づいていない人が多いです。
例えば、毎晩ゲームを夜遅く(次の日に支障がでても明け方までゲームをするような人はゲーム依存症(ゲーム障害)の可能性もあるため、注意が必要です)までしている人がいます。
このような人も最初は普通の人と同じ睡眠時間でしたが、徐々にゲームのプレイ時間が増えたため、それに比例して徐々に睡眠時間を削っていき睡眠負債を抱えるようになってしまいました。
多くの場合、睡眠時間を削ってゲームをしている本人は大丈夫だ言います。
しかし、周囲の人からは認知機能が低下しているように見える事が多く、周囲の目からはとても大丈夫だとは思われません。
ゲームに限らず十分な睡眠時間を確保していない人は周囲から生活に問題を抱えていると認識されている可能性は高いです。
このようにショートスリーパーは睡眠時間を強制的に減らしても後天的になれるものではありません。
ショートスリーパーは通常の睡眠サイクルと異なった特殊な方法であると考えられています。
これはノンレム睡眠のステージ3の状態から一気に覚醒状態へと脳がシフトするようになっている事からもうかがえ、ショートスリーパーが効率的に睡眠をとっている事はほぼ確実だと考えられています。
しかし、睡眠サイクルについては科学的に解明されていない点が多いため、不明瞭な状態が続いています。
睡眠時間について
ショートスリーパーは睡眠時間が短くても健康への悪影響がありませんが、一般的な人はそういうわけにはいきません。
人間の睡眠時間は年齢や季節で若干異なりますが、基本的には8時間程度の睡眠時間が必要で、睡眠時間を十分に取れていない状況は健康を犠牲にしている状態です。
しかし、日本人の多くは睡眠時間を十分に取らずに6時間~8時間未満の睡眠で生活している人が多いです。
特に会社員は睡眠負債を抱えている人の割合が多く、半分が睡眠負債だと考えられています。
会社員の人の多くは起床時間がある程度定まっているため、寝る時間もある程度定まっていると思います。
しかし、その決められた時間が十分でない人もいます。
例えば、朝の7時までには起きたいため、夜の寝る時間が日付けが変わる前(深夜12時)までに寝るという設定の場合、睡眠時間は7時間しかとれていません。
また、このような目標である場合、布団に入るのが深夜12時で、布団を出るのが翌朝7時であることもあります。
しかし、実際に布団に入ってから寝るまでには時間がかかる事も考慮すると、睡眠時間は7時間未満である事が想定されます。
必要な睡眠時間は基本的には8時間程度ですので、7時間未満の睡眠時間では十分な睡眠時間を確保できていません。
適正な睡眠時間を知るために
睡眠時間が7時間でも平気だと考えている人も多いと思います。
中にはショートスリーパーであることを自負している人もいると思います。
しかし、遺伝的なショートスリーパーは数百人の中に1人以下しかいないため、無自覚のうちに健康を阻害してしまっている人も多いです。
特に若いうちは少しくらい睡眠時間を削っても悪影響を体感する事はないと思います。
しかし、そのような状態が慢性的に続くと睡眠負債となり、大きな健康被害を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
基本的に睡眠時間は8時間前後が適正ですが、個人の体調・年齢・季節・睡眠環境などによって必要な睡眠時間は変化します。
そのため、人それぞれ必要な睡眠時間が異なるので長めに睡眠時間を確保する事が望ましいですが、活動時間が足りないために睡眠時間を削ってしまう人も多いと思います。
そのような人は、現在寝るためにお布団に入る時間を徐々に早めていく事で必要な睡眠時間を確保したほうが良いかもしれません。
具体的には、朝の7時に起きるために現在は日付が変わる前(深夜12時)に寝るようにしているとします。
この場合睡眠時間は7時間未満の可能性が高く、必要な睡眠時間を十分に取っていない可能性が高いです。
そこで、就寝時間を夜の11時半にし、朝の起床時間が変化(早めた分だけ早く起きたりする)するかを1週間程度継続して確認してください。
朝の起床時間が7時のままでしたら睡眠負債の状態で生活していたことになります。
起床時間に変化が起こるまで就寝時間を少しづつ早め、起床時間が早くなるまで繰り返してみてください。
2か月程度同程度経過しても同程度の睡眠時間で安定する睡眠時間が本来必要な睡眠時間となります。
まとめ
日本人の多くの人は本来必要な睡眠時間よりも短い状態で過ごしています。
これは、認知機能が低下した状態で生活を送っている状態です。
特に、睡眠負債を抱えている最中に自らの認知機能が低下している自覚を持つようなレベルは健康への悪影響がでている状態であり危険です。
常に睡眠時間が8時間未満の人は、数日から数週間にわたり睡眠時間を確保してみてくだい。
脳に十分な休息を与えると認知機能が高くなるのを感じる事ができる人も多いと思います。
認知機能の向上が体感できた人は日常的に睡眠が不足しているため、生活を見直さなければ将来健康面での問題が大きな障害となる可能性が高いです。
ショートスリーパーは効率よくクオリティの高い睡眠をとり短時間で目覚めやすく、長くアグレッシブに活動できる遺伝子です。
また、遺伝的要因が強いため子供に継承される可能性もあります。
メリットばかりに感じるショートスリーパーにあこがれる人もいると思います。
しかし、一般的な人がショートスリーパーと同じ睡眠時間で同じ活動量を行おうとしても健康への悪影響が大きく、過労死の可能性もある危険な行為です。
また、ショートスリーパーとは真逆で長い睡眠時間(9時間以上)が必要なロングスリーパー(アインシュタインは1日10時間睡眠だったといわれています)もいます。
つまり、睡眠時間が短いから良い、長いからダメなどと思うのは私たちの都合にあっているかどうかの問題であり、高いパフォーマンスを出すためには自身の性質にあった適正な睡眠時間を取ったほうがよいです。