ヴェブレン効果(ベブレン財)とは
概要
ヴェブレン効果は商品価格が高いものを所有したくなる欲求です。
基本的には値段が上がってしまうと商品の価値と価格が乖離してしまいます。
そのため「価格を上げる」という事をなにも考えずに行うと購入する人はいなくなってしまいます。
価格を上げてもそれに見合う価値がなければ需要は増加しないため、多くのケースでは承認欲求を刺激すうるなどの物質的な価値のほかに、心理的な影響を与えるような価値が付随する事が多いです。
つまり、商品価格が高い事自体が商品価値に影響を与える要素となる贈答品や装飾品には効果が期待しやすいです。
具体例
ヴェヴレン効果が発揮されるためには一定の条件があり、その条件を満たす事で希少性や高級感に影響を与えます。
代表的な例ではハイブランド商品のように「商品の価格が高い」という事が周知されている商品については特別な消費意識や欲求が生まれやすい傾向があります。
例えば
- みんなが良いと思っているという心理的な安心材料
- 高いものを持っているという満足感
- 誰でも買えるわけではないので希少性が生まれる
- 補償の内容が充実している
- 製品のクオリティが高い
このようにハイブランド商品にはノーブランド商品とは異なった魅力があります。
そのため価格を向上させても需要は生まれますし、中には所有している時に感じる自己顕示欲や優越感が病みつきになってしまって買い物依存症になってしまう人もいます。
※買い物依存症の人の一部では最終的に多重債務を抱えて自己破産してしまうケースもあります。
少し考えてもらいたいのは、正規品と同程度の精巧な偽ブランド品は品質に大きな差はないはずですがそこには大幅な価格差があります。
精巧な偽ブランド品の多くは正規品の製造元が商品の一部を横流しして制作していると言われています。
そのため、偽ブランド品と正規品の品質に大きな遜色はないはずです。
しかし、広告費や人件費や保証の差を考量しても大きな差が生じている感じますが、その差は「価格を上げる事で生じる心理的な付加価値」の差だと思います。
まとめ
通常は「需要に比例して価格が上昇」し「価格が上昇していくと需要は減少」する傾向があります。
そのため、多くの人はスノッブ効果のように「希少なものほど価値(価格)が高い」と思いやすいですし、見覚えがない高額商品が店頭に並んでいるのを見ると「価値があるから値段が高いのだろう」と思う人が多いです。
また、「商品が売れなければ陳列する意味もないだろう」と需給バランスによって商品価格が適切な状態に保たれていると考えやすい傾向がります。
そのため、他の店舗の店頭価格を知らない状態の人に対して、商品の価格を上げる事で価値があると認識させる事は容易に行う事ができます。
しかし、実店舗のある小売店は「あのお店は高い」というような噂が立ってしまう可能性も高いため、基本的にそのような事はできません。
そこで、通常は店頭に並ばないような特殊な商品で「多くの人が相場を知らないような商品」や、製造元が作為的に価格を吊り上げるような手法を取り入れてる商品はウェブレン効果が使われている事があります。
特に後者の作為的に価格を吊り上げている商品はハイブランド製品で使われている手法です。
「特殊な技術を使っていて真似できない」とまでいく製品はほとんどないため、本物と同程度の偽ブランド品が数多く流通しています。
備考
アメリカの経済・社会学者のヴェブレン取り上げたことでヴェブレン効果と呼ばれています。
ヴェブレン効果、ベブレン効果、ヴェブレン財、ベブレン財のいずれも同様の意味です。