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埋没費用効果(コンコルド効果/サンクコスト効果)

投稿日:2020年1月12日 更新日:

埋没費用効果(コンコルド効果/サンクコスト効果)とは

概要

埋没費用効果(コンコルド効果/サンクコスト効果)は継続して投資を行うと損失の拡大になることが想定されているのに、そのプロジェクロを中止できない心理状態です。

損切(損失を確定させる)ができない心理状態は誰にでも起こると考えられています。

プロジェクトを進行していると金銭・時間・労力などをその過程で費やしながら進めていますが、どこかのタイミングでそれらの成果や将来性についての判断を行う必要があります。

その際に、残念ながら将来的な見通しが悪く断念する方が費用対効果が良い場合もあります。

このような場合「投資し続ける事が損失になる」とわかっていても積み上げてきたものを失いたくないという感情面の影響が強くでてしまい「無駄だと思いたくない」という心理が働く事があります。

このような心理になってしまう原因として、始めたら最後までやりたいという一貫性の法則が影響していると考えられていて、個人だけではなくプロジェクトに参加している全員が冷静な判断ができずに総意として「プロジェクトを進める」という決断をするケースもあります。
※人間特有の損得勘定が働く場合には損失回避性(損をしたくない心理)や、周囲から浪費していると思われたくない(精神的に辛い)心理が働くとする意見もあります。

実際に起きた埋没費用効果(コンコルド効果/サンクコスト効果)

イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機のコンコルドは商業的に失敗して大きな赤字を出したためコンコルド効果とも言われています。

コンコルドは超音速旅客機として開発され世間から多くの注目を集め、特に開発当初の期待は大きく世界中から多数の注文がありました。

しかし、「開発費や維持費も高額」なうえに「長い滑走路が必要」で「多額の費用が発生する」事がわかったり「騒音や衝撃波などの周囲環境に対する問題」が浮上した事から、実際には「限られた航路しか飛行できない」などの多くの課題が発生しました。

そのため、受注のキャンセルも相次いでしまい当時試算した際には「プロジェクトを中止し違約金や賠償金を支払ったほうが赤字が少ない」との結果でした。

しかし、開発関係者はプロジェクトが破綻していると認識している状態でもここまで投資した費用が無駄になってしまう事や、今後の責任問題などが発生する事を恐れて損失が拡大する事を承知でプロジェクトを進め(開発を辞められなかったといった方が正しいのかもしれません)て大きな赤字をだしました。

本体ならば投資として失敗しているという判断がついた時点で、その事業から撤退・事業の縮小などの対応をとる必要がありましたが、プロジェクロを進めてしまったため不可逆的な研究開発費などが膨らんでしまいました。

対応策

埋没費用効果は損切をすることで避ける事ができます。

そのためには常に基準を明確化して考える事が重要で、始める際に損切の限界費用を事前に決めておく事でバイアス(偏見)のかかっていない選択を行う事ができます。

ここで大切なのは最初に定めた枠を守ることはもちろん、その失敗を受け入れる事です。
※実際に損失がでてしまうと割り切って考える事は精神的に辛いものがあり、切り捨てる事ができない人も多いです。

失敗しても次に活かせればそれは失敗ではなく成功への過程となることを意識する事が重要で、損切する際の気持ちも違うと思います。

また、自分だけで判断するとバイアスがかかる事が多いため、第三者の視点で判断してもらえる信頼のおける人から意見をもらうことも重要です。

自分が冷静だと思っていても、他者から見ると冷静さがなく論理的に矛盾していることもあります。

まとめ

基本的にプロジェエクトを進めていくと問題も露呈していきます。
※なにもトラブルが起きない事は珍しいと思います。

そのため、始めた当初はプトジェクトの不確実性が多いため、実際に成功するプロジェクロなのか失敗するプロジェクトなのか不明瞭です。
※基本的には成功する見込みがあると思って始めるため、失敗しないように関係者は努力しています。

そして、成功するようにプロジェクトを進めるため、多少のトラブルが起きても修正して目標に近い状態を目指して関係者は活動しています。

しかし、中には当初の見通しが甘い事が原因で、潜在的な問題(後から訂正できないような大きな問題)を抱えているプロジェクトもあり、このような場合は修正して成功させようと頑張っても難しい事も多いです。

また、大きなプロジェクトだけではなく、個人的な小規模な投資でも元本を取り戻そうと頑張っても空回りをしてしまう人も多く、結果的に損をすることは意外と多いです。

このような事はビジネスをはじめ、ギャンブルや恋愛など日常的にも多く存在しています。

埋没費用効果は行動経済学や心理学的でも認識されている現象で、特に集団では責任問題も出てくることから回避するのが困難になりやすい傾向があります。
※組織ぐるみの隠ぺいの多くは大人の事情(責任問題など)が複雑に絡んでいる事が多いです。

そのため、損失が大きくなる前に冷静な分析や判断を行い、将来的な見通しが良くない場合は適切な損切を行いましょう。

よく言われている「勉強代」として意識する事で埋没費用効果を軽減できると思います。

備考

埋没費用効果はコンコルド事業の失敗から、コンコルド効果、コンコルドの誤謬(ごびゅう)、コンコルドの誤り、コンコルドの誤信、コンコルド錯誤など多くの呼び方があります。
また、サンクコスト効果、サンクコストの錯覚、サンクコストの呪縛、英語ではsanku cost fallacyなどと呼ばれる事もあります。

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