茹でガエル現象(茹でガエルの法則/茹でガエル症候群)とは
概要
茹(ゆ)でガエル現象は環境の変化に対応する事の危険性の例えで使われています。
基本的に人は環境適応能力が高いため、最初は不自然に感じていても周囲の環境に徐々に慣れてしまうため、当初の不自然さを日に日に感じなくなっていきます。
これはカエルを茹でる時の現象に似ていると言われいて「熱湯にカエルを入れるとカエルはすぐに逃げだしてしまいます」が、「カエルを入れてから徐々に水温を上げていくと逃げるタイミングを失ってしまいカエルは茹でられてしまう」と言われています。
※たとえです。
特に人は高い環境適応能力を持っているため緩やかな変化には気づきにくく、家庭環境や会社などの日常生活の一部となっている環境が徐々に変化していても気が付きにくいので注意が必要です。
具体例
会社のような多くの人が集団で活動をする組織は利害関係が持ち込まれるため特に危険です。
業績が悪化している会社でも時間をかけて徐々に経営が悪化しているとその危険性を社長ですら認識していない事があります。
また、仮に社長などの上層部が認識していてもそれは周知されずに不振な点を上層部が隠している可能性も考慮されます。
そのため、特に不振な点はなかったのに急に倒産してしまう事もあります。
経理関係の人が人間関係や待遇に不満が無さそうなのに退社していく場合は業績が悪化している危険サインである事が多いです。
また、経営が悪化するとブラック企業化していく事もあり、長時間残業を強いられるのに残業代が減らされたり、過剰なノルマが課せられるのに給料が増加しなかたり、ハラスメンの横行するなど社員を使い捨てにするシステムに変わっていきやすい傾向があります。
そして、離職率が増加する要因が増えだすとさらに悪循環に陥りやすくなっていき最終的には倒産してしまいます。
まとめ
人間は生存戦略として環境適応能力を磨く事で繁栄してきました。
そのため、本能的に現在の環境の変化を受け入れて適応する方向へ変化してしまいがちです。
そこに不自然な点があっても環境へ適応する際に刺激に対する感度が下がっていき、次第に基準がずれていきます。
徐々に環境が変わっていくと物事を続けようとする一貫性の法則(一貫性の原理) も影響して現状を維持しようという心理が働きます。
株などで損切(ロスカット/スロップロス)できないのはこの状態で、当初の損切予定の枠から大幅に下落し含み損を抱えてしまいます。
これを避けるためには、基準を明確にしておき、その基準を守った行動を行わなくてはいけません。
株ならこの金額以上は損切(ロスカット/スロップロス)を必ずするなどです。
このようにな適切な対応をとる事ができないと埋没費用(コンコルド効果/サンクコスト効果)のように、気が付くと取り返しのつかない段階まで進んでいる事もあるため注意が必要です。
備考
実験結果から引用されているようですが、実際はお湯の温度が上昇するとカエルは逃げてしまいます。