算数障害(ディスカリキュア)は計算が苦手な症状です。
ディスカリキュア(dyscalculia)は学習障害(LD)の一種で、数の理解や扱い、計算などが困難症状です。
原因は特定されていませんが、人口の3~6%が算数障害と考えられています。
お金や時間などは社会生活に欠かせない要素の一つです。
しかし、これを扱う際には算数が必要になるため、算数障害は日常生活でも大きな影響があり、お金や時間を正しく理解できない事は自立への大きな壁となります。
症状
- 数の理解が困難
- 数の扱いが困難
- 算数の計算が困難
- 時間の把握が困難
- 数量の把握が困難
- 面積や体積、空間の理解が困難
症状の特性
算数障害には特性毎に分類があります。
- 数処理(数字を認識する)
- 数処理(順序や大小、比較など)
- 計算(足し算、引き算のような計算を行う)
- 数的推論(文章を理解し答えを導き出す)
具体例
数処理
数字の読み方、数え方、理解ができているかが判断されます。
「1」「一」「いち」これらが同一であると判断が行えるが判断されます。
また、1個と言われた時に1個のものが理解できるかが判断されます。
「1個だけいちごを食べてもいいよ」と言われた時に1個が理解できるかという事です。
数概念
数字を比べて大小がわかるかが判断されます。
1~10までのトランプを順番に並べる事ができたり、お金の金額の大小を比べる事ができるかが判断されます。
計算
四則演算(和・差・積・商)のような基本的な計算ができるかどうかが判断されますが、筆算と暗算で基準が異なります。
暗算は20以下の四則演算、筆算ではそれ以上の四則演算が判断基準となります。
数的推論
この段階では問題文を読み解き、そこから答えを導きだせるかが判断の材料となります。
リンゴは1個100円、2個でいくらでしょうか?
のような問題文から「100+100」や「100×2」という計算が考えられるかが基準となります。
まとめ
学習障害は学習を行う際にハンディとなるだけであって、知的レベルが必ずしも劣るわけではありません。
算数は日常生活で必要な能力になりますが、算数障害の方はこれが困難なため日々の生活を送る事が困難です。
しかし、中には「1」がなにを意味するのかを理解する事ができなかったり、数字の大小を理解する事が困難でも、文章から推論しそれを解く事が得意な方もいます。
一般の人が暗算では計算できないような桁数の計算をすぐに回答できたりする方もいます。
人には向き不向きがあるだけで、四則演算が苦手でも思わぬ才能がある事もあります。
備考
算数障害は、ディスカリキュア、発達性ディスカリキュア、算数の学習障害などと呼ばれる事もあります。