無リスク資産(リスクフリー資産)とは
概要
無リスク資産はリスクが少なく収益が得られる安全性の高い資産を指します。
一般的にはリスクのないと考えられるような元本が保証された安全資産を指しています。
基本的には元本と利回りが保証されているため損失がない「先進国の短期国債」が主に該当します。
日本在住の個人にとっては「銀行貯金」なども該当します。
完全にリスクが存在しない事はありませんが、国債は国が崩壊しない限り元本割れする心配がありませんし、銀行預金は預金保証制度(銀行が破綻したら預金額に応じて一定額以上を保証をするシステム)があるため基本的に元本割れがない安全な資産です。
※普通の生活をしていれば基本的に銀行預金で損失はありませんが、元本が保証されない口座区分もあるため個人事業主の人は頭の片隅に記憶しておいた方が良いかもしれません。
このように、通常は元本割れを起こす事の方が難しい安全資産は「無リスク資産」や「リスクフリー資産」と呼ばれる事が多いです。
リスクについて
一般的にはリスクとリターンは比例するため、リスクが少ない安全資産はリターンも少ない傾向があります。
そして、無リスク資産とされる国債の中にもリスクのレベルがあり「ドイツ、カナダ、シンガポールは高いランク」の評価を受けているため世間的には「リスクが低い国債である」と考えられています。
日本の国債のリスクは高くも低くもないという評価になっています。
※このランクはリーマンショックで大きな影響を受けた国が上位にランクインしていたことから信憑性に疑問の声があがっています。
このように、無リスク資産とされる中にも損失の可能性が区分されていますが、収益性が低い資産だけでは純資産がなかなか増えません。
そこで、収益性を上げるためにハイリスクハイリターンなリスク資産を取り入れる投資家は多く、株や不動産などの元本が保証されていない(評価額や利益率の変動で損失のリスクがある)資産を保有している人が大半です。
しかし、世間では「リスク無しでリターンが多い」という夢のような話を耳にすることは意外と多いです。
このようなケースは基本的に詐欺です。
俗に言う「うまい話」が本当にあっても「他人に教える」という事はまずないですし、仮に詐欺などをする要素が全くない本当に信頼できる人が真実だと思って「絶対に儲かる話」を教えてくれるような事がある場合は「リスクを見落としている」可能性を十分に検討した方が良いです。
安全性について検討する要素は様々ですが、投資の場合は安定性を見る指標がいくつも考案されています。
その一つにプロフィットファクター(PF)があり、この数値が良ければ安定的な資産となります。
まとめ
無リスク資産は収益率が低いため元本が少ない時に保有して無リスク金利を得ても収益効果はほとんどありません。
そのため、若くて資本の少ないうちはリスク資産を投資できるだけ保有(フルインベストメント)する事で収益性を高め、一定の資産を形成してから資産三分割法のように値動きの異なる分散投資の投資先の候補とするのが王道だと言われる事もあります。
しかし、資産を運用する際にはその時の資産額や状況に応じて資産の管理(アセットマネジメント)を行う事が大切です。
特に生活防衛資金の確保を行う事は重要で「絶対に利益がでる」と思っても万に一つのリスクに当たってしまう人もいます。
中にはレバレッジを利かせた取引を行っているため、ポジションを維持するために追証(おいしょう)を求められる事もあります。
最悪の場合は消費者金融(サラ金)からお金を借りたものの、強制ロスカットによって損失が確定してしまって多重債務に陥ってしまう事もあります。
ちなみに、過失が大きいと判断されると自己破産の申請は通らない事もあるため十分な注意が必要です。