為替変動リスクとは
概要
為替変動リスクは他国にある資産を換金する時に発生する為替差損益に対するリスクです。
投資をしている人の多くは海外資産を保有していると思いますが、海外へ資産を移してしまうと為替相場の変動によって、日本円換算すると損益が発生する可能性があります。
例えば
ドル円が100円の時に100円を海外のドルに換金した(1ドル保有する)後に、ドル円が円安方向に推移して110円まで変化した時、円に再び換金するだけで110円を手にする事ができます。
※100円→1ドル→110円に変わりました。
このように、常に変動している為替相場の波を見極める事ができれば利益をあげる事もできますが、将来価値の見極めに失敗してしまうと損失が発生してしまう事もあります。
そのため、換金する際の為替レートはとても大切で、現状が円高なのか円安なのかを見極めて資産を動かす必要があります。
特に、金融市場はリアルタイムで変化しているため、為替相場の値動きによっては1時間足らずの時間でドル円が5円以上変動する事もあり、値動きを読む事はとても難しいです。
また、為替相場の影響は金融商品だけではなく国内と国外で取引される商品の多くは影響を受けるため、円高時に購入したものを円安時に売却すると利益が発生する物は多いです。
※反対に円安時に購入したものを円高の時に売却すると損益が発生する可能性は高いです。
為替差損益の具体例
為替差損益は為替相場の変動によって発生します。
為替差益の説明の前に、一番の基本として円安・円高の概念についてですが
- 円高
- 円の価値が上がる事を指します。
- ドル円の場合は1ドルを得るために使う円が少なくなれば円の価値が上がった事になります。
- 具体例として、1ドル100円だったものが、1ドル95円になれば円高です。
※イメージしやすいように「缶コーヒーが100円から95円になれば缶コーヒーの価格が下がったor円の価値が上がったと考えられます。」
- 具体例として、1ドル100円だったものが、1ドル95円になれば円高です。
- 円安
- 円の価値が下がる事を指します。
- ドル円の場合は1ドルを得るために使う円が多くなれば円の価値が下がった事になります。
- 具体例として、1ドル100円だったものが、1ドル105円になれば円安です。
※イメージしやすいように「缶コーヒーが100円から105円になれば缶コーヒーの価格が上がったor円の価値が下がったと考えられます。」
- 具体例として、1ドル100円だったものが、1ドル105円になれば円安です。
このように、円高・円安の概念につていは1ドルを得るために日本円がいくら必要なのかを考える必要があります。
そして、為替差損益が発生する状況は基本的に「円高→円安」か「円安→円高」の2パターンになっています。
- 円高の時にドルに換金し、そのドルを円安の時に再び換金するパターン(円高→円安)
- 1ドル=100円の時に100万円分のドルと換金(1万ドル)します。
- 1ドル=105円になった場合、保有している1万ドルは105万円分の価値があります。
- 実際に換金すると100万円が105万円になったため5万円の利益を得られます。
- 円安の時にドルに換金し、そのドルを円高の時に再び換金するパターン(円安→円高)
- 1ドル=100円の時に100万円分のドルと換金(1万ドル)します。
- 1ドル=95円になった場合、保有している1万ドルは95万円分の価値があります。
- 実際に換金すると100万円が95万円になったため5万円の損失になってしまいます。
このように、基本的には円高の時に海外に資産を移す事で利益を得られます。
そして、この例ではドル円が95~105円の値動きで約10円の違いですが、為替は全て割合で発生委するため10%の増減があります。
そのため、金額が100万円でも10億円でも10%は変わらないため、動かす資産が大きくなると為替の変動金額は大きくなり、10億円の場合は10%で1億円の差が生まれてしまいます。
※ここまで大きな差短期的に変動する事は稀ですし、厳密には税金なども発生するため例のような数字にはなりません。
まとめ
為替の変動は国内と国外の取引によって生じる需給バランスによって変動します。
基本的には国内への輸出が増加すると円高になりやすく、国内への輸入が増加すると円安になりやすいです。
また、これは金融商品も含まれ、海外から国内の商品の購入希望者が多ければ円高になりやすく、国内から海外の商品の購入希望者が多ければ円安になりやすいです。
現在は物の輸出入よりも投資資金の動きが大きい傾向があるため為替相場の変動は複雑です。
また、為替はカントリーリスクのような国の情勢の影響も受けるため、新興国の通貨の場合はリスク管理が特に難しいです。
そのため、外貨預金の金利が良くても実際には損失がでてしまう事もあります。
特に、長期間に渡って外貨積立預金をしている場合は満期になった時に金利以上に為替の影響を受けてしまう事もあるため、金利だけではなく換金するタイミングは重要になります。
しかし、基本的には為替の変動は他の金融商品よりも緩やかな傾向があるため、レバレッジをかけて取引を行うFX(外国為替証拠金取引)を利用して利益を得ている人もいます。