泡銭効果(ハウスマネー効果)とは
概要
泡銭(あぶくぜに)効果は運の要素が高い状態で得た利益は使い方が荒くなってしまう心理傾向です。
良くある例として「カジノ」などをはじめとした「ギャンブルで得た利益」を元手として再び投機してしまい最終的には獲得した利益がなくなってしまうい、最悪のケースでは手元の資金も無くなってしまう事があります。
これは心理会計(メンタルアカウンティング)による影響が大きく「労働で得たお金は価値が高い」と錯覚する反面、ギャンブルなどで得たお金は ”価値が低い” と錯覚しやすい傾向があるためです。
しかし、お金は使う人の気持ちで良し悪しが変化するだけでお金事態には良し悪しはありません。
「一所懸命働いて稼いだ100万円」も「宝くじで当てた100万円」も「貰った100万円」も100万円の価値に差はありません。
厳密には働いたり宝くじを買うなどして手に入れる場合は100万円の中には経費が含まれている分、実質的な価値が少ないため何の苦労もせずに手にする事ができればそれが一番価値が高い事になります。
しかし「労働して得たお金は価値が高い」と認識する人が多く、そのような人の中には労働の対価としてのお金は大事に貯金する一方でギャンブルなどで得たお金は軽視して無駄使いしてしまう人もいます。
特に一番危ないのはビギナーズラックで得た大金です。
自分にギャンブルの才能があると思い込んでしまうと泥沼にはまってしまい過去に積み上げてきた資産を投入しても辞める事ができずに家がなくなってしまう人もいるため危険です。
※借金や自己破産に繋がるような過度な思想をもっている場合はギャンブル依存症の可能性があるため注意が必要です。
バブル期に投資によって多額の利益を得た人の中にはバブルが崩壊した事によって元本を失ってしまったり借金を背負ってしまった人もいます。
ハウスマネー効果の具体例
”たまたま” 得たお金によって様々な心理的な変化が起きます。
特に宝くじを購入して高額当選した人の多くは金銭的な価値観が変化してしまい不幸になると言われています。
お金がたくさんあるのに不幸になる事を不思議に思う人もいると思いますが、宝くじの高額当選者の7割以上はその後の人生が狂ってしまう傾向が強く破産してしまう人も多いようです。
例えばサラリーマンの平均生涯年収は2億円前後の人が多いですが世間一般で言われる「ジャンボ系」(ドリームジャンボ、サマージャンボ、年末ジャンボなど)宝くじの上位当選金は3億円以上となっておりキャリーバック次第では当選額が上昇して10億円になる事もあり一般庶民の生涯年収を超えている事も多いです。
つまり、宝くじに当選するという事は通常では一生かけても手にする事が考えられない大金を運だけで手にする事になります。
本来ならばそのお金を手にするために多くの知識や経験を身に着けて苦労を乗り越えて必死に働いても結果としては届かない可能性の高いお金ですが、それらの過程を飛ばして大金を手にできてしまうのが宝くじです。
そして、苦労せずに得たお金は己の抑圧されていた快楽を満たすために使ってしまう人が多いです。
多くの人は慣れない大金に最初は躊躇してしまうものの徐々に金銭感覚が狂ってしまう人が多く、お金がなくなってもその狂った金銭感覚を戻す事ができない人は借金をしてしまい自己破産してしま事も多いです。
「自分だけは大丈夫」と思う人も多いですが誰しも最初はそう思っています。
これはハウスマネー効果の顕著な例です。
まとめ
ハウスマネー効果は心理会計でお金を管理している場合に強く現れます。
ギャンブルなどで利益を得るとパーキンソンの法則(余裕がある分だけ人は浪費する心理)によってお金を無駄に使ってしまうのが人の性です。
また、ギャンブルが習慣化していくと、ギャンブルで負けてもそれを取り戻すためにギャンブルをするギャンブル依存症になってしまうため可能性が高いので注意が必要です。
※ギャンブルとはゼロサム・ゲーム(ゼロ和)でいうところのマイナスサム・ゲームのため、短期的に利益が出てもそれを継続する事は難しいです。
ギャンブルに夢中になると良い影響は少なく、特にパチンコ純粋な運の要素が大きくなればなるほど優位性は存在しなくなってしまうので試行回数を増やすほど大数の法則(多数の法則)によって期待値へ収束していきます。
そのため、期待値がプラスとなるプラスサム・ゲームへ参加する事が大切です。