機会費用(機会コスト)とは
概要
機会費用は数字で表すことの難しい時間に対する価値の概念です。
時間の消費方法には仕事・勉強・自己投資・交際など様々な要素がありますが、このような時間のパフォーマンスを架空の費用に換算して総合的に判断するのが機会費用です。
機会費用による損失は機会損失と言われていて、選択しなかった選択肢の損失を指して使われます。
※二者択一を迫られた時に選ばなかった選択肢などが代表的です。
時間消費に対しての有益性や効率性に関係する経済学上の概念で、複数ある選択肢の中から最も有益な選択を行える機会を持てるかが大切だと言われています。
時間は貧富の差によらず平等に経過するため、決して取り戻せない資産と考える事ができるため、望むものを全て手に入れる事ができないというのは誰しもがもつ共通の悩みです。
具体例
日本では多くの人が小学校~中学校に通っていて、その期間は通算で12年間もあり、この12年間をどのように過ごすかは将来にとても大きな影響があります。
そして、その積み重ねた結果に応じてその後の進路はそれぞれの道を選んでいきます。
基本的には就職や進学する人が大半を締め、中には企業する人や実家を継ぐための勉強をする人もいると思います。
そこで、この進路の違いについての機会費用を少し考えてみたいと思います。
例えば
「最終学歴が中学校卒業(15歳)のAさん」と「最終学歴が大学院卒業(24歳)のBさん」では教育課程を終えてから社会人となるまでに約10年の差があります。
このように異なる選択で生じる知識、経験、時間、お金などはその後の人生に少なからず影響すると思います。
この場合、
AさんにとってはBさんが選択した学校以外での成果は機会損失となり、
BさんにとってはAさんが選択した学校教育での成果は機会損失となります。
そのため、この約10年の間に何を学び何を得るかはとても大きな差となります。
- Aさん(授業料がかかります)
- 高校入学から大学卒業までに必要な入学費用と在学費用の合計は940万円程だといわれています。
- 高校入学から大学卒業までに必要な入学費用と在学費用の合計は940万円程だといわれています。
- Bさん(労働収入があります)
- 高校3年間、大学4年間とした7年間を就労で換算します。
- 20代の平均年収は341万円程だと考えられていますので、7年間で2,387万円程で換算します。
※10代ではなく20代としたのはデータの都合上近似値がとれると判断したためです。
単純計算してしまうと3,327程の違いがでてしまうため、多くの人は3,000万円程の差はでても不思議ではありません。
そのため、Aさんは「Bさんがたどった社会経験10年分+3,000万円以上の価値のある経験や知識」学校で積まなくて機会損失となってしまいます。
反対に、Bさんは「Aさんが学校で教わった知識や経験(3,000万円以上の価値があるはず)の差を覆す能力を実践で身に着けている」状況になっていないくては機会損失となってしまいます。
まとめ
機会費用は意識していいないと気づきに概念です。
お金しか意識していない場合はこの機会損失が大きくなりやすい傾向があります。
日本では「一文惜しみの百知らず」や「損して得取れ」などの機会損失に関することわざは多いです。
そして、若年者の場合は特にこの差が時間経過と共に広がっていきます。
「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と言われるように、若年者の間は将来の種まきの時期です。
撒いた種が芽吹かないものもありますが、全ての種が芽吹かない事は稀です。
また、芽吹かない種は需要が少ない能力である可能性が高いです。
これは能力の需給バランスに焦点を当てる事で改善できるので、どの能力を伸ばすのかは収入に大きな影響を与えます。
収入が大きくなりやすい能力は総じて希少性が高く需要も高い能力であるため、日本ではパイロット(航空機操縦士)・医師・大学教授・不動産鑑定士・弁護士などは年収が高いと言われています。
反対に、機械化が進む現代社会の状況から、機械化されてしまい能力の需要が減ってしまう事も多いため、機械を使う側に回る方が得策だと考えられます。
そのため、人と人をつなぐスーパーコネクターのように、機械に真似できない能力の価値が上昇していくと思います。