囚人のパラドックスは「刑の執行を予想できない」という前提によって、予想が正しく行えなくなっているパラドックスです。
囚人のパラドックスは前提条件によって前提条件が満たされるパラドックスです。
また、囚人や刑の執行は例で用いられているため、細かい設定が異なる場合も多いです。
囚人のパラドックスの概要
看守が死刑囚に対して「月~金曜日の予想できない日に刑を執行します」と伝えます。
ここで囚人は刑が執行される日を考えます。
- 金曜日に刑が執行される場合
金曜日は最終日なので、木曜日までに刑が執行されなければ金曜日に刑が執行される事が確定してしまうため、予想ができてしまいまいます。
そのため、金曜日に刑が執行される事はありません。 - 木曜日に刑が執行される場合
水曜日までに刑が執行されなければ、最終日である金曜日は(1.)の理由から予想できてしまうため、木曜日に刑が執行される事が確定してしまいます。
そのため、木曜日に刑が執行される事はありません。 - 水曜日に刑が執行される場合
火曜日までに刑が執行されなければ、(2.)の理由から水曜日に刑が執行される事が確定してしまいます。
そのため、水曜日に刑が執行される事はありません。 - 同様の理由によって月曜日までの全ての日程が予想できてしまいます。
そのため、囚人は「刑が執行される事はない」と予想しました。
そして、水曜日に看守から「刑の執行は今日である」と伝えられます。
囚人は「刑が執行される事はないはずだ」といいます。
看守は「予想できないと言ったではないか」と答えました。
まとめ
囚人のパラドックスは看守の「予想できない日に」というのがポイントになっています。
本来であれば「木曜日に刑が執行されなければ金曜日に刑が執行される事が確定される」は木曜が終わらなければ確定しません。
しかし、看守の「予想できない日に」という説明を受けたため、このようなパラドックスがうまれます。
この一言がなければ、最初の推測である刑が執行されるのが木曜日なのか金曜日なのかは不明なままで、木曜日が終わり金曜日になることで金曜日が刑の執行日である事がわかります。
また、囚人のパラドックスは時間経過によって選択肢が減少するため、推理が成り立ちますが、本来ならば刑の宣告と執行の日程が異なる可能性も考慮するべきです。
例えば、月曜日の段階で「金曜日に刑が執行される」と言われる場合は予想する事はできなくなります。
備考
囚人のパラドックスに煮た用語に囚人のジレンマ(社会的ジレンマ)がありますが、これらは別のものです。