反動形成は抑圧し過ぎると反対の傾向に向かってしまう心理です。
外部から過剰に抑圧される状態が続く環境の場合、本音を隠し過ぎてしまい過度に意識をしすぎて本心とは異なった言動をしてしまう現象が起きてしまいます。
自分の気持ちを抑圧すると多くのストレスを受けますが、そのストレスが過度に蓄積されると発散させるために感情を爆発させてしまう事があります。
反動形成の影響が強い場合はストレスを抱えている事を周囲に悟られないように抑圧している人から隠れて衝動を満たす事が多いため反動形成は周囲から認識されにくいです。
具体例
会社や学校などの集団生活は社会生活をするため必要です。
人が集まると必然的にコミュニケーションが必要になりますが、その交流の輪の中には多かれ少なかれ嫌いな人や苦手な人が混ざる事が大半です。
しかし、嫌いだからと避けていたり、敵視しているとうまくいかない事も多いため言動を抑制する人が多いと思います。
このように、周囲の人から悟られないように言動を抑制しようとする心理が強くなると「本来ならば口もききたくない相手」だとしてもそれを悟られない様に「頻繁にコミュニケーションを取ってしまう」などの行動を取ってしまう事があります。
通常なら「嫌いな人とは関わりたくない」というのが本音ですが、それとは異なった言動をする事で周囲からは悟られにくくなります。
しかし、このような行動を取ると、嫌いな人は嫌われると認識する事ができません。
そのため、ストレッサー(ストレスを与える人)から受けるストレスが減る事はなく、根本的な解決にならないままストレスを蓄積していき、中には鬱病になってしまう人もいます。
※最悪のケースとして、苛立ちの衝動が自分に向かう人は自殺、他者に向かう人は殺人にまで発展する事があるので注意が必要です。
まとめ
コミュニケーションを取るためにはある程度は言動を抑制する事も大切です。
しかし、自分の気持ちに素直になれない場合は欲求を抑え込んでいる状態なので健全な状態だとは言えません。
この状態が長期間続くと、爆発して攻撃的になるような人がいますが、このような人はストレスを発散している人です。
しかし、ストレスを抱え込んでしまう人も少なからずいます。
特に反動形成のように自分の本心を偽り続けているとそれが習慣化してしまい、強いストレスを受け続ける事になり、精神的に追い込まれ鬱病などの精神疾患になる可能性があります。
反動形成は言動と気持ちが異なり周囲から認識されにくいため、異変を察して助けてくれる人も少ないです。
むしろ嫌いな人から好かれてしまったり、好きな人から嫌われてしまったりと、周囲からの認識と心の中では異なった認識となる可能性が高いです。
備考
反動形成はフロイトが提唱した防衛機制の一つです。