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優性の法則(優劣の法則)

投稿日:2021年9月19日 更新日:

優勢の法則は遺伝子の継承の際には継承されやすい遺伝子と継承されにくい遺伝子があるとする法則です。

遺伝子は大きく優勢遺伝(顕性遺伝)と劣勢遺伝(潜在遺伝)の二つに分類され、優勢遺伝子は劣勢遺伝子に比べて継承されやすいです。

しかし、優勢遺伝子だから能力が優れているとか劣勢遺伝子だから能力が劣っているというわけではなく、継承のされやすさに優劣があるだけです。

継承されやすい遺伝子

遺伝子には継承される可能性が高い遺伝子があるため、基本的に子供は親に似た容姿や健康状態になる事が多いです。

特に容姿は目視で確認する事が容易なため、継承されたかどうかがわかりやすいです。

中でも血液型や身長は記号や数字として分類されているため判断がつきやすく、事前にある程度の推測もできます。

子供の血液型

両親の血液型の組み合わせによって生まれない血液型があり、組み合わせは下の表の通りです。

A型
(AA・AO)
B型
(BB・BO)
AB型
(AB)
O型
(O・O)
A型
(AA・AO)
A型orO型全てO型以外A型orO型
B型
(BB・BO)
全てB型orO型O型以外A型orB型
AB型
(AB)
O型以外O型以外O型以外A型orO型
O型
(O・O)
A型orO型A型orB型A型orO型O型
子供の身長

子供の性別によって計算式が異なります。

男の子の場合
 「(両親の身長の合計+13)÷2」が基準となり、そこから±8cm程度になる事が予想されます。

女の子の場合
 「(両親の身長の合計-13)÷2」が基準となり、そこから±8cm程度になる事が予想されます。

この計算式を見ていただければわかる通り、男女で約13cmの差がでると予想されていますがストレスや病気によって予測が外れる事もあるので100%にはなりません。

そのため、基本的には平均的な身長の男女からは平均的な身長の子供が生まれます。

継承されやすい特徴一覧
部位優勢備考
血液型A,BA型とB型になる可能性が高くO型になる可能性は低いです。
骨格身長
身長は基本的に両親の影響を多く受けます。
骨格によって声質もある程度似たものになります。
黒い瞳とその他の色では黒になる可能性が高いです。
二重一重と二重では二重になる可能性が高いです。
まつ毛長いまつ毛は長くなる可能性が高いです。
高い
下向き
横に広い
鼻は父親の影響を受けやすいと考えられています。
鼻は高くなる可能性が高です。
俗にいう豚鼻よりも穴の穴が下を向いている方が継承される可能性が高いです。
また、鼻の穴は横に広いほうが継承される可能性が高いです。
福耳
湿り
俗に言う福耳(耳たぶが下がっている)方が継承されやすいです。
また耳の中が湿っている方が継承されやすいです。
えくぼ
そばかす
えくぼは継承される可能性が高いです。
また、そばかすも継承されやすいです。
輪郭顔の輪郭は面長よりも丸顔の方が継承されやすいです。
おでこ広いおでこは広いほうが継承されやすいです。
髪の毛
くせ毛
髪の毛の色は黒が継承される可能性が高いです。
また、くせ毛は継承される可能性が高いですが、両親が直毛ならば多くの場合直毛になります。
つむじ右巻きつむじは右巻きの方が継承される可能性が高いです。
体毛濃い体毛は濃いほうが継承される可能性が高いです。
肌の色は黒とその他では黒になる可能性が高いです。
※可能性が高い場合でも必ずなるわけではありません。

遺伝子の継承の基本

人を含む有性生殖をおこなう生物は両親から遺伝子を受け継ぎます。

継承される遺伝子には大きく二種類に分類され

  • 優勢遺伝(顕性遺伝)
     片方の親から引き継ぐだけで特性が得られる
     ※劣勢遺伝子よりも生存に有利な遺伝子が優性遺伝子となる事が多い
  • 劣勢遺伝(潜在遺伝)
     両方の親から引き継がないと特性が得られない
     ※優性遺伝子よりも生存に不利な遺伝子が劣勢遺伝子となる事が多い

基本的に優勢遺伝子は劣勢遺伝子に比べて継承されやすいです。

多くの場合、生存に有利な(健康な)遺伝子が優性遺伝子である事が多いため、病気や障害のリスクが少ないように継承されます。
※ここで言う遺伝子の優劣は継承のされやすさです。
比較対象が変われば優劣も変化するため、優性遺伝子が継承後に劣勢遺伝子になる事もありますし、劣勢遺伝子が継承後は優性遺伝子になる事もあります。

遺伝子が継承される際の組み合わせ4通りですが、優勢遺伝子が継承される確率が高くなっているため、劣勢遺伝子の多くは潜在的なものとなります。

また、両親の劣勢遺伝子のどちらか一方が健康な遺伝子ならば劣勢遺伝子を継承しても健康な遺伝子を継承します。
※劣勢遺伝子でも不健康とは限りません。

遺伝子継承の弱点

人体の遺伝子の継承システムには弱点があります。

人体には約30~60兆個の細胞があり、遺伝子は約23,000種類あると言われています。
細胞にはそれぞれ46本の染色体があり、両親から受け継いだ23本ずの合計46本で構成されています。
染色体は人体の設計図のようなものが暗号化されているもので、紐解くと性別などをはじめとした遺伝情報がわかります。

しかし、受け継ぐ本数が増減してしまったり重要な情報がうまく引き継がれない場合は生まれてくる子供の病気や障害のリスクが高くなってしまいます。

染色体異常は放射線や紫外線などによって切断されてしまったり、細胞の老化によって異常が発生する事が多くなります。

皮膚の表面などでこのような事が起こっても大きな問題はありませんが、精子や卵子がこのような影響を受けてしまう事は望ましくありません。
特に女性の年齢が上がると異常を持つ卵子の割合が増加します。(男性の精子はほとんど影響を受けないと言考えられています。)

そのため、染色体異常の胎児を妊娠する可能性が上昇したり、流産のリスクが上昇します。

近親婚が禁止される理由

子供への悪影響は外的な要因だけではありません。

基本的には遺伝子は各細胞毎に継承されていきますし、健康な遺伝子が継承されやすいです。
そのため、両親から継承した遺伝子のどちらかが健康な遺伝子ならば多くの場合は問題がありません。

そのため、Fさんが先天的な目の病気、Mさんが先天的な耳の病気を持つとしても、Fさんの健康な耳とMさんの健康な目の遺伝子を継承する可能性が高く、子供に先天的な疾患は現れない可能性が高いです。

しかし、これが近親者の場合は同様の弱点を持った遺伝子になる事が多いです。
そして、表面化していない劣勢遺伝子に重大な病気や障害が隠れている場合、生まれてくる子供は重大な先天的な疾患を持つ可能性があります。

これは同じ弱点を持つ人同士でしか現れない現象であるため、特に近親者間ではリスクが高くなる傾向が強いため、多くの国や地域で近親相姦は禁止されています。

また、この弱点を本能的にわかっているのか、人間は遺伝子的に遠縁の人に好意を抱く可能性が高いと考えられています。

まとめ

遺伝の継承には様々な要素が絡み合ってくる(優勢遺伝子が必ず継承される完全優勢や、継承されるか不確定な不完全優勢、両方の特性が現れる共優性などがあります)ため、現代の技術でも完全には判明(メンデルの遺伝法則のようにわかっているものもある)していません。

鬱病(うつびょう)を持つ人が近親者にいると鬱傾向が出やすい傾向がありますが、これが成長過程で環境による影響を受けて性質が変化したのか、後天的な環境による影響なのかの判断が難しいように、どの段階からその特性があったのかがわかりにくい特性も多いです。

また、日常生活には遺伝的に弱いところを突くように設計されている場合もあります。

パチンコの刺激(光や音、勝ったときの多幸感)を好むようような遺伝子を持つ人もいるため、そのような人は遺伝的にギャンブル依存症になりやすかったりします。

基本的には子供は健康な遺伝子を継承する可能性が高いですが、子供の特性を完全に予測する事は難しいですし、特性を完全に推測予見できるようになると命の選別が始まる事が予想されるため危険視されています。

その一方で、近親者の遺伝子は同様の弱点を持つ可能性が高いため、多くの国や地域で近親交配は禁止されています。

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