ワニのパラドックス(人食いワニのジレンマ)とは
概要
人食いワニのパラドックスはは”人食いワニ”が”子供を助けたい親”に対して謎かけを行いますが「ワニが出題する問題」に矛盾があるためパラドックスが発生してしまいます。
人食いワニのパタドックスの内容として
- 人食いワニが子供をさらいます。
※ワニがさらうのは子供だったり赤ん坊だったりします。 - さらわれた子供の母親は「子供を返して欲しい」とワニに懇願します。
- ワニは「これから何をするのかを当てられれば(正解ならば)子供を返す、当てられなければ(不正解ならば)子供を食べる」と言います。
ここで子供をさらわれた親には様々な回答があると思いますが、その中の一つとして「ワニは子供を食べる」と言った場合に矛盾が発生してしまいます。
ワニは子供を食べたいので「ワニは子供を食べる」の答えは正解にしたいですが、正解の場合は子供を返さなくてはいけません。
しかし、ここで子供を返してしまうと「ワニは子供を食べる」という回答を正解にする事ができなくなってしまうため、ワニは「子供を食べる」と「子供を返す」の両方を行わなくてはいけなくなってしまうため矛盾が発生してしまいます。
補足
子供の親が「ワニは子供を食べない」を選択してしまう場合、ワニは子供を食べたいのでこの答えは不正解です。
不正解の場合はワニは子供を食べる事ができてしまうためこの選択肢は子供の親が選ぶことはできません。
その一方で、本当にワニが子供を食べる気がない時は子供が返ってくる可能性がある選択肢になります。
まとめ
ワニのパラドックスはワニが子供を”食べる”か”食べないか”にこだわりすぎているために起こるパラドックスです。
このパラドックスを解決するためにはワニが”子供を食べたい”という気持ちよりも求めるものを考える事が大切です。
例えば
「ワニは子供を食べたら自殺する」と答える場合、これを正解としてしまうとワニが自殺する事が前提となってしまいます。
この場合はワニは子供を返す可能性が高いです。
ワニのパラドックスのように”選択肢事態”に矛盾が発生している事は世の中にはとても多いですし、解決しようとすると多くの犠牲を伴う場合もあります。
また、近年問題となっている社内のハラスメントでも多くの問題が見受けられるため”与えられた選択肢”から最適解を導いているだけでは正解にたどり着けない事もありますし、選択肢を与える側も無駄な時間を過ごさないように注意する必要があります。
備考
ワニのパラドックスは不思議の国のアリスの作者で数学者のルイス・キャロルがクロコディルズという作品名で発表しました。
ワニのパラドックスは自己言及のパラドックス(嘘つきのパラドックス)の一例として取り上げられる事もあります。