ロサダ比(ロサダの法則/3対1の法則)について
概要
ロサダ比(ロサダの法則)は対人関係の黄金比とされる比率で「3対1の法則」とも呼ばれています。
良好な人間関係や信頼関係を得るためにはポジティブな表現とネガティブな表現の比率を約3:1(※3)にする事で、信頼感や安心感などを与えやすいとて提唱されたため「3:1の法則」とも呼ばれるようになりました。
人間関係は幸福になるためには欠かせない要素だと考えられる事が多く、その対人関係を円滑にするためには他者と接する時は感情の黄金比であるロサダ比の特徴を意識して関係を保つと対人関係のトラブルが減ると考えられています。
会社や学校の教育場面で耳にする機会が多い「3褒めて1叱る」などはロサダ比の黄金比から来ています。
注釈
※1 ポジティブ=肯定 褒める 優しくする 共感etc
※2 ネガティブ=否定 拒否 蔑む etc
※3 ロサダ比の正確な比率は「ポジティブ 2.9013:1 ネガティブ」
ロサダ比の実験
ロサダ比の検証のために行われた実際の実験ではポジティブとネガティブの比率が6対1のグループの生産性が高かったという結果が出ています。
そのため、ロサダ比には数学的根拠もないと考えられており、ロサダ比は嘘だと否定する意見をもつ人もいます。
その他にも、友人・恋人・夫婦のように親密度が違う関係では比率が変化するとされており、友人の場合は3:1、恋人の場合は5~7:1、婚姻関係の場合は13:1の比率だと良好な関係を保てるようです。
実験結果を踏まえると、お互いの関係によって理想の比率が変わるということになります。
感情の難しさ
心理学を用いた対人関係の黄金法則として提唱されたロサダ比ですが、実際にポジティブやネガティブという感情を数字として正確に分類することは難しいです。
これは、たとえ発信する側が褒めていても、受け取る側がそれを嫌味だと感じてしまうと齟齬が生じてしまい関係が悪化してしまう事もあります。
このように感情を正確に分析する事はとても複雑です。
また、普段他人を褒めない人が1回褒めるのと、日常的に褒めてくれる人が1回褒めるのでは相手に与える印象も異なります。
このように、感情表現の方法の違いや、同じ感情表現でも人柄を含めたその関係性から与える影響などが複雑に絡み合うことで感情は揺れます。
特に日本人は言葉よりもその表情やしぐさに注視する人が多い傾向があるため「ポジティブな感情を相手に与える事を意識しておくことで円滑な人間関係に良い影響を与える」という参考にしておくのが良いかもしれません。
まとめ
ロサダ比の黄金比とされる3対1の比率は、友人関係という条件では成り立っていると考えられる事が多いですが、実際にはどのような関係でもロサダ比が正確に適用されるとは考えられていません。
ロサダ比の比率はポジティブな感情を多く発信することが必要であるという戒め的な要素が強いためロサダ比の比率は誤りであるように思えます。
しかし、ここにはもう一つポイントがあり、ポジティブな表現だけではなくネガティブな表現も必要だということは共通しています。
ポジティブのみの発言は不信や疑念といった感情を抱きやすいため、時には相手を肯定するだけではなく、間違いを指摘することはお互いに良好な人間関係を保つためには重要な要素になっているため、感情表表現にはバランスも大切な要素になっています。
相手と自分の距離感、超えてはいけないラインの見定めも当然重要ですが、相手の事を大事に思うのならば、時にはネガティブな発言も必要なようです。
基本的には他者に対してネガティブな感情を持つことは簡単ですし、無意識のうちにネガティブな感情をぶつけてしまいやすいと思いますので、ポジティブな気持ちを出すことを意識する事がポイントになります。
しかし、ポジティブな感情は意識しなくては伝える事は難しいですし、ポジティブになろうとしても現状維持バイアスが働きなかなかできないと思います。
そういう場合は感謝の気持ちを表現するところから始めてみましょう。
「笑う門には福が来る」ということわざもあるようにポイントは笑顔です。
感謝の気持ちを伝えられた相手は返報性の原理(返報性の法則)(なにかをされるとそれに対してなにかを返しをしたいと思う心理効果)によって、親密度が上がりやすくなります。
このように、私たちは無意識のうちに心理学的に影響を受けているため、実際には他者の意図によって行動をある程度絞られています。