ラベリング効果とは
概要
ラベリング効果は「そのものの本質ではなく極一部の特徴的な要素から全体像を決める」心理効果です。
具体的には
「Aさんは優しい」「Bさんは真面目」のように特徴的な出来事からカテゴリーを分類して心の中でラベルを張っていきます。
いくように印象を決めていく際にポジティブなイメージばかりならば大きな問題はないのですが、ネガティブな印象で括られてしまうとその後に良い再評価を受ける事は非常に困難です。
また噂などによって評価が周囲へ拡散されると一番最初にだれかが張った真偽不明のラベルの印象が周知される事があります。
例えば
- Aさんは頭がいい
- Bさんは仕事ができる
- Cさんのお店は商品が安い
このように周囲の評価が付いていきますが情報とは明らかに違う印象を受けると”おかしい”と思ったり”聞いていた話と違う”というような出来事に出くわす評価が変わります。
また、反対にラベルの影響を受ける事でそのラベルに近づくように心理が働く教師期待効果もあります。
この現象を簡単に説明すると「期待に応えようと努力する心理」で具体的には「教師が生徒に”優秀”と伝える事で生徒は”優秀になろうと努力する”という心理が働いた結果として良い成績を残す」というような心理効果です。
ラベリング効果の具体例
現代日本残念ながら少子高齢化が進み出生率も「2」を割り込む水準となり悲しい状況ですがその背景には未婚率の上昇も寄与していると思います。
「子供は嗜好品」と言われる若者の経済状況を考えると「結婚を諦める人」も残念ながら多いのが現状です。
しかし、男女共に結婚適齢期になると一度くらいは”マッチングサイト”や”結婚相談所”などの紹介サービスを利用した事がある人も多いと思います。
このようなサービスを利用すると相手に対するプロフィールを閲覧したり、好みの条件を絞って相手を検索する事ができるシステムになっている事が多いです。
このような状況に陥ると相手を選ぶ際に”ラベル”に気を取られる人が増えます。
特に女性が持つ”普通の男性像”のラベルは世間に実在する男性と乖離しているケースがよくあります。
一般的な男性の条件として「最終学歴は大卒以上」「年収は1000万円以上」「身長は175センチ以上」「年齢は30才まで」などの条件を限定して相手を探す人は注意が必要です。
このようなラベルを全て満たすのは通常の男性ではありません(かなり優秀な男性です)し、そのような男性との交際をするためには女性側もそれ相応の能力がなくてはいけません。
※高い理想を男性に求める女性の多くはシンデレラ症候群です。
また「無くて七癖」と言われるように癖が少ない人でも7つはあると言われているため実際にお見合いを行うと気になる癖を見つける事も珍しくはありません。
そこでもまた「〇の癖がある人」などのラベルをつけます。
このように人に会う頻度が増えれば自然とラベルを張る頻度も増えていきますし、悪いラベルを張る行為は「レッテル(商品につける紙札)を張る」と揶揄される事もあります。
まとめ
ラベルリング効果は実際の評価を歪めてしまう可能性があるため注意が必要です。
特に、偏った印象が付いたラベリングは差別や偏見につながるため偏った視点でみるのではなく、多面的な視点で物事を判断できる目を養うことはとても重要です。
特にインターネットが普及した現代社会では情報の信ぴょう性が疑わしいケースが非常に多い一方でSNS(ソーシャルネットワークサービス)のような周囲の人と情報をシェアする技術によって情報はものすごい速さで伝達されるため一度拡散されてしまうと収集が付かない事態となるケースも珍しくはありません。
このような事にならないように普段から論理的思考で物事を考えて感情に流されない冷静な判断を行う必要があります。
物事の本質がわかればラベルに左右されることなく本当の価値を見抜けるようになるため余計な先入観を受けないで正当な評価をしやすくなります。
例えば
”新品”や”新商品”というラベルがついた商品は購入した瞬間から価格が下がります。
”新古”や”中古”と性能は変わらないものでも価格は大きく下がるため”新品”や”新商品”といった”ネームバリュー”や”安心感”が価格に含まれている事が多いです。
そのため、製造元から小売店が購入した”新品”の商品を一般消費者が購入すると”中古品”となりリセールバリューはとても下がるのでフリマサイトなどではとても安く販売されている事も珍しくはありません。
具体的には
大手のオークションサイトである「ヤフオク(ヤフーオークション)」や大手フリマサイトの「メルカリ」「ラクマ」などでは”新品未開封”の”中古品”が大量に出品され、時には新品よりもかなり値引きされて販売されています。