パレート最適(パレート効率性)
概要
パレート最適(パレート効率性)は資源が無駄なく配分されている状況です。
パレート最適の状態は全体で見た時にそれ以上の最適は存在しません。
そのため、いずれかの犠牲がなければ他の分量が多くなることはありません。
パレート最適の状態で満足する事ができない場合は他を犠牲にするという発想になる人も多く、秩序が乱れる可能性が高い状態です。
具体例
AさんBさんの二人で一枚のビスケットを分ける時、半分にすればAさん、Bさんは平等に分ける事ができます。
この状態がパレート最適です。
ここでAさんが多く食べようとする場合、Bさんの食べる量が減ってしまうため不平等となります。
この状況を変えるにはビスケットを追加するしかありません。
ビスケットが追加される場合、AさんBさんは1枚ずつビスケットを食べる事ができます。
これがパレート改善された状態となります。
まとめ
パレート最適は資源配分に関する概念の一つです。
パレート最適された状態は資源が最大限に活用された状態です。
そのため、誰かの状況を良くしようとする場合、他の誰かの状況が悪化してしまいます。
ゼロサム・ゲームに近い概念ですが、ゼロサム・ゲームは数字に関連する表現に用いられます。
そのため、パレート最適はゼロサム・ゲームよりも広義の意味で用いられる用語とされます。
近年問題となっているのは貧困などの社会的な問題で、これらは全体のパイが限られているのにその多くを富裕層が所有していると考えられています。
海外ではノブレス・オブリージュ(力には責任が伴うという思想)の概念が強く、強者は弱者を助ける文化が強いようですが、全体的に強者が減ってしまい、残った強者も他者を助ける余裕はない(助ける気がない人も多いと思います)ようです。
備考
イタリアの経済学者で社会学者のヴィルフレド・パレートが提唱したためこの名称で呼ばれています。