ナッシュ均衡について
概要
ナッシュ均衡は非協力状態における硬直状態のことです。
ナッシュ均衡は参加者がルールに従って個人の利益の最大化を図るときに陥る状況です。
三つ巴をイメージしていただければわかりやすいと思います。
三つ巴は漫画やアニメで多く、三強の力関係が同じくらいで拮抗していて硬直状態となっている状況です。
一度この状態になるとなかなか抜け出せず、この状態が長く続く場合、この力関係を前提に物事が動くようになります。
しかし、一方の力が強くなったり弱くなったりすると大きくバランスが崩れていきます。
具体例
実力が同程度のA・B・Cさんがいてそれぞれが敵同士だとします。
この状況を崩すために動こうとすると
- AさんがBさんを攻撃する
→AさんとBさんの体力が落ちる
→CさんがAさんとBさんを倒す。 - BさんがCさんを攻撃する
→BさんとCさんの体力が落ちる
→AさんがBさんとCさんを倒す。 - CさんがAさんを攻撃する
→CさんとAさんの体力が落ちる
→BさんがCさんとAさんを倒す。
上記の条件で攻めにでると、三者とも自らの首を絞めてしまいます。
そのため、三つ巴になると硬直状態が継続しやすいです。
まとめ
ナッシュ均衡は個の利益の最大化を目指している時に起こる傾向があります。
そのため、漫画やアニメのほかに実社会でも存在します。
特に経済の場では〇〇メーカー大手三社など大企業で見られることも多く、ナッシュ均衡の状態となっている事が多いです。
3つが一般的ですが、4つでも5つでも条件が整えばナッシュ均衡とされます。
最近は景気が良くないので値下げ競争が熾烈を極めている事も珍しくはありません。
1社が安く販売する事で他社よりも売り上げはよくなりますが利益は大きくは伸びません。
そして、売り上げが下がった他社も売上を伸ばすために販売価格を下げるようになると、自社も他社も利益が下がっただけになってしまいます。
各会社の均衡が崩れてしまい販売会社が1社だけの独占市場になってしまう場合、消費者はその販売会社が決めた価格で取引をしなくてはいけなくなってしまいます。
このような事を避けるために、日本では独占禁止法が制定されています。
ナシュ均衡はパレート最適になる状態の時もありますが、必ずしもそうなるとは限りません。
最適とならない状況の代表が囚人のジレンマです。
備考
ナッシュ均衡はノーベル経済学賞を受賞した数学者ジョン・フォーブス・ナッシュが提唱したゲーム理論の非協力ゲームの基本概念です。