ドクターフォックス効果は非言語メッセージの影響が大きいという心理効果の実験です。
ドクターフォックス効果は非言語メッセージ(言葉で発するメッセージではなく、身振りや表情などの動作などで伝わるメッセージ)を取り入れているとそうでない場合の実験を行った結果をもとに考えられています。
この実験結果によると内容よりも伝える方法が大切だという結果になっています。
実験の内容
教室aと教室bで講義を行う教員を生徒に評価してもらう実験です。
教室aには教員A、教室bには教員Bがいます。
教員Aは理路整然と講義を行い充実した内容の講義内容です。
しかし、非言語メッセージは極力避け、淡々とした講義を行います。
教員Bは支離滅裂な講義を行いますが、非言語メッセージを多用し、明るく楽しい講義を行います。
その後、生徒に教員の評価を行ってもらいます。
この結果、教員Bの方が生徒に支持されたという実験です。
心理効果による影響
ドクターフォックス効果は心理的影響を与えない内容を単刀直入に伝える場合と、教員と生徒が良好な雰囲気で内容を伝える場合の実験です。
そのため、後者には心理的効果を与える機会が多くあります。
例えば
- エンハンシング効果(賞賛される事でやる気がでる)
参加型の講義で問題が解けたり、知識を持っている人を褒める - 教師期待効果(教員の期待が生徒のやる気を促す)
教員が熱心に教育する事で、生徒はそれにこたえようとやる気を起こす - 熟知性の原則(他者を知ると好意が膨らむ)
教員の性格や特徴が開示される事で好感を得やす - ハロー効果(際立った特徴を過大に評価する)
教員の人柄が良いと講義の内容も良いと錯覚する
このような内容を考慮した講義を行うことで、要点だけを講義するよりも生徒の満足度を高める事が期待できます。
まとめ
日本人は内容がよければ伝わると考えやすい傾向にあります。
しかし、ドクターフォックス効果においては内容よりもその伝え方が重要であるという結果となっています。
ここには様々な心理効果が作用している可能性があります。
内容を単刀直入に伝えると効率は良いですが、感情面で好感を持つ事が難しいです。
基本的には好感を持った人と嫌悪感を持った人からの話では好感を持った人からの話の方が信頼度が高いです。
また、好感度と評価は比例しやすい傾向があるため、このような結果となった事が考えられます。