概要
サイコパスは倫理観が通常とは異なる心理傾向が強い人を意味する言葉です。
過去にサイコパスが大きな事件へ発展するような常軌を逸した犯罪者が逮捕され大きく報道されたため「サイコパス」という言葉はテレビや新聞などのニューストピックスのみに留まらずにドラマ・アニメ・映画などのメディアもで幅広く周知されるようになりました。
一般的なサイコパスのイメージは悪いものが多いですがサイコパスの全てが犯罪者ではなく、社会生活を送っているサイコパスは100人に1人(1%)程度いると考えられていますが多くは無自覚だと思います。
そのため、サイコパスの多くが犯罪者になってしまうと社会構造を維持する事も難しいです。
サイコパスの最大の特徴は自分の利益を最大化するためには手段を問わずに合理的な選択肢(倫理的な面は優先しません)をチョイスする点のため、犯罪者になるリスクを天秤にかけどちらの利益が多いかを考え行動する傾向が強いです。
そのため、サイコパスの多くは重罪を侵すほどの事はせずに、社会に浸透し他人を利用したり貶めたりして生活している事が多く ”仕事” として犯罪を繰り返し行う人もいます。
つまり、サイコパスの中で、連続殺人事件のような常軌を逸した複数の犯罪を起こしかねない殺人鬼と呼ばれるようなレベルの危険なサイコパスの人数は極めて少ないため実際に犯罪を行うサイコパスは限定的だと考えられます。
サイコパスの行動の具体例
例えば、1人の殺人よりも2人の殺人の方が罪は重くなりますが5人や10人と増えていくと同一の死刑に統一されてしまうため、一定以上の重犯罪においては良心の呵責(かしゃく)による抑止力以外はなくなっていきます。
※大きな犯罪になればなるほど死刑が執行されるまでの有余が長くなる(様々な事件に関与しているため裁判が長くなるなどの影響があります)のは問題視されることすらあります。
このような状況に陥った場合、サイコパスは合理性以外に踏みとどまる選択肢がないため常軌を逸した犯罪へとつながる可能性が高くなります。
殺人には衝動的な犯行と計画的な犯行がありますが計画的犯行のうち約半分はサイコパスによるものとされています。
特徴
サイコパスは自分の利益を最大化するためには手段を問わないため他者を利用したり貶めたりすることに抵抗がありません。
そのため下記のような特徴があると考えられています。
- 自己中心的
- 反社会的行動
- 冷酷性
- 衝動性
- 無慈悲
- 共感性
- 無感情
- 無反省
- 利己主義
- 成果主義
このような傾向が強いためサイコパスの中には「人を利用する事は正しい」「なぜ他人を尊重しなければいけないのか」「利用されるような人は頭が悪い」などと考えている人もいるため「テイカー」と呼ばれやすいです。
そのため、目的のためなら他者を利用する事に躊躇がなく、その人が自分の言動によってその後に悲惨な人生を送ることになっても無関心ですが多くのサイコパスは初対面では好印象を与えようとする言動が見られます。
これは他者に良い印象を与える事が自身のメリットになる事があると考えての行動のため良い印象を与えるためにはあらゆる手を使います。
※不誠実な言動(嘘偽りなど)も混ざっていますがそれに対して罪悪感はないため虚言癖を持つ人もいます。
特に聞いてもいないのに自慢話(年収や学歴等)をする場合、それしか誇れるものが無いナルシスト(自己愛性パーソナリティ障害)かサイコパスのどちらかの可能性が高いためどちらも積極的に付き合う事はお勧めできません。
このような特徴は先天的・後天的な影響がどのレベルまであるのかは断定できませんが育ち方などの周囲の環境による後天的な影響は少なくともあると考えられます。
例えば、嘘をつき続けている人はやがて現実との境界がわからずに自分の言っている事の真偽がわからなくなっていくように、合理的な思考を継続していくと次第に倫理感が失われていくと考えられます。
サイコパスの診断
サイコパスの診断を行うにはモラルジレンマ問題がわかりやすいと思います。
モラルジレンマは思考実験としていくつかのパターンがあり「トロッコ問題」や「臓器くじ」は代表的な命題であるため様々な意見があるものの、いずれも道徳的な観点では正しと断定できるような答えはありません。
つまり、倫理観が欠如しているサイコパスならばこのような問題でも合理的な判断を行う傾向が強いと考えられます。
しかし、実際には多数決のような合理性的な判断を行う方法にはこのような側面が強いため、多くの人はサイコパス的な一面も少なからず持ち合わせているのかもしれません。
まとめ
サイコパスの特徴には冷静で成果主義という側面があるため、若干のサイコパス気質の方は仕事で成果を出す傾向が強いため社会で成功しやすく社長などの経営者層にも多いと言われています。
付き合う際に気を付けなくてはいけないのはサイコパスは他者のためには行動しない点です。
一見いい人に見えてもそれは自分に見返りがある時に見せる行動のため見返りがないとわかると手のひらを返します。
例えば、人の信用を裏切ってあなたの味方をしてくれたサイコパスがいたとします。
その人はあなたの状況が悪くなり味方をするメリットが減少したら簡単にあなたを裏切る可能性が高いです。
他者を完全に理解する事はできなくても、その人が危険かどうかの判断ができるようになることは大切です。
備考
- サイコパシーは上記のような異常心理を指します。
- サイコパスはサイコパシーを持った人を指します。
- 医学的な分類では反社会的パーソナリティ障害と同様の判定基準に該当するとされています。