カニバケツ効果(引き下げ心理)について
概要
カニバケツ効果は他人の足を引っ張りあう心理を指した言葉です。
これは実際にカニをバケツの中に入れるとみられる現象が由来とされています。
バケツにカニを一匹だけいれて蓋をしない場合は隙があれば脱走してしまいます。
しかし、バケツの中に二匹以上のカニがいると足を引っ張りあってしまい、本来なら出る事ができる場合でもお互いに邪魔をしてバケツから出る事ができません。
このことから人間関係でも足を引っ張る人が多い環境や人物の例えで使われます。
具体例
会社や学校などで、グループのようなものに所属している人は多いと思います。
その組織の中には人の成果を良く思わずに、成果を出している人を嫌う人がいるケースも珍しくありません。
そして、類は友を呼ぶというようにグループの中に足を引っ張る人が多数いるような構成ならば要注意です。
基本的に他人の足を引っ張る人が多い環境は適者生存が繰り返された結果、優秀な人材が抜けていく度に他人の足を引っ張る人間が補充されてきた結果できた環境です。
そして、足を引っ張る人は周りの評価を下げることによって自分の評価を相対的に上げたいため、自分自身が成長しようという発想を持ち合わせてはいません。
そのため、相手をしていると無駄にエネルギーを消費するだけでメリットがないどころか、協力しているのにデメリットばかりを受けてしまう可能性も高いので相手にしない選択が大切です。
また、中には協力的ではない人に対して過剰反応をして自らが損をしてでも足を引っ張る事に大量の時間と労力を費やす人もいます。
このような環境をなんらかの事情によって抜けられない人の中には「協力しない事への反発が大きくデメリットが大きい」と認識した人の中には、反発されるならば最初から協力した方がいいと考えるケースも珍しくありません。
まとめ
カニバケツは引き下げ心理とも呼ばれ、自分よりも優れた能力を持つ人が自分よりも評価されるのを防ぐために相手の悪い点を引き合いに出して他者からの評価を落としたいと考える心理です。
つまり「出る杭は打たれる」と言われるように、能力がある人は妬まれたり憎まれたりしてしまい足を引っ張られてしまうイメージです。
しかし、基本的に足を引っ張られる人は能力が高い人で、能力が低い人が劣等感から他人を引き下げる事で安心感を得たいだけです。
そうやって得た安心感は仮初の安心感です。
実際に自分の能力が向上したわけではなく、他人の足を引き下げる事に時間を費やしている間に、他の人は成長しているので相対的には後退している可能性すらあります。
そのため、他人の足を引っ張って得た優越感・立場などは長くは続かないため、現状の不満が根本的に解決されているわけではないため悪循環に陥ってしまいます。
このような人が仮にそのグループで成功していても周囲のレベルが下がっただけで、そのグループの外から見ると退化してしまっているため多くの場合はその組織は崩壊してしまいます。
(優秀な人が去っていく場合は既に組織の寿命が近い可能性があります)
そして、崩壊した後に残るのは他人の評価を下げただけで成長できなかった残念な人です。
備考
カニバケツ効果はカニバケツ現象や、蟹バケツ、引き下げ心理などとも言われます。
カニバケツ効果と囚人のジレンマが似ています、違いは下記の通りです。
カニバケツ効果は人の利益を阻害します。
囚人のジレンマは自分の利益を優先します。
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