オーバーシュートは予想を大きく超えた感染を意味します。
オーバーシュート(overshoot)は直訳すると的を外す事を意味します。
金融関係でも用いられる言葉ですが、ここでは感染症についての記事になります。
オーバーシュートは感染者が予想よりも大きく増加する際に用いられます。
時期的な要因によって感染者が大幅に増加した場合でも予想から大きく外れる事がなければそれはオーバーシュートとは言えません。
反対に感染者が数百人程度でも過去の感染者がいない(または極少数)場合は予想を上回る感染となるため、オーバーシュートと呼ばれます。
具体例
- 感染症が確認されます。
- 感染症の影響を予想します。
- 感染症の対策が十分に行われません。
- 感染症が予想を超えて増加します。
感染が確認された段階で感染症による影響は少ないと予想されます。
そのため、感染症への対策が不十分な状態が続いた結果、当初の予想を超える感染が広がり感染者が大幅に増加します。
このようにオーバーシュートは予想を超えた感染です。
そのため、毎年決まった時期に感染が拡大する病気については、例年と比べその年の患者数の推移で判断を行います。
例えばインフルエンザは毎年数千人規模の死亡者が出ているため、一定の被害が予想されています。
そのため例年と比較し、インフルエンザによる被害者が大幅に増加しない限りオーバーシュートとして扱われません。
まとめ
オーバーシュートは予想以上に感染が拡大してしまう現象ですが、その背景には感染を予想する段階で、感染症による流行の可能性を低く見積もってしまう事が主な原因となっています。
また、その他の要因としてスーパースプレッダーのような感染に対して特異な体質を持つ方がいる事で被害の拡大につながる可能性もあります。
いずれにしても、更なる感染拡大が起きないように対策する事は必須で、対策を怠るとさらに感染が広がり、パンデミック(汎発流行) を引き起こす可能性があります。
そのため、オーバーシュートが確認された場合は、適切で早急な対応が求められます。
備考
アウトブレイクも感染拡大を意味します。
オーバーシュートとの違いは、感染症が確認されてからの動きです。
オーバーシュートは感染者が一定値を超えないという予想を前提とし、それを超え感染が拡大してしまう現象です。
つまりオーバーシュートは、予想が不十分なために起きる人災です。
アウトブレイクは感染爆発を抑制しているにも関わらず広がってしまうことです。
そのため、アウトブレイクは最善を尽くしていても起きてしまう不運な出来事となります。
金融関係の用語にもオーバーシュートがありますが、こちらは有価証券の乱高下が通常よりも大きく変動する際に用いられます。
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